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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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魔戒騎士だって汗を掻く!

待ちに待ったオリンピックも開幕!
…いえ、オリンピックは妄想にはまったく関係ないんですけど。

連日の暑さに「暑いよ~ 暑いよ~」と呻(うな)るばかりですが、それを妄想につなげられないか…
selfish の悪足掻きをお楽しみいただければ、幸いです!

拍手[6回]



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

魔戒騎士は汗など掻かない。



誰だ? そんな馬鹿げた話を信じている奴は…
魔戒騎士とて人の子だ。
一般的な人間となんら変わりなく、汗だって掻く。
その証拠に…




白いコートをゴンザに渡した鋼牙は、その足で浴室を目指しながら、黒い魔法衣に手を掛ける。
留め具をすべて外して前を寛がせると、途端に流れる汗が身体を伝っていく。

それもそのはず。
この直前まで、鋼牙は、ソウルメタル製の剣を右に左に自在に振るいながら、今日のコンディションを探りつつ、自分の身体を痛めつけながら鍛錬に勤(いそ)しんでいたのだった。

とはいえ、季節は夏。
ホラーの爪や毒牙から身を守るのには最大の効力を発揮する魔法衣も、快適性は、と問われると幾分微妙なところ…
今は一刻も早く脱ぎ去って、冷水を頭から被りたい。
それが現在の偽らざる鋼牙の心境だった。




ふ~ふ、ふ~ふ、ふ~ん~♪

額に汗して身体を動かしている人がここにもひとり。
浴槽の中にすっぽりと入って、スポンジを片手に鼻歌交じりでゴシゴシと掃除しているカオルは、その手を止めて大きく、はぁ~っと息を吐いた。

「よし、っと。これで泡を流せばおっけ~ねっ♪」

浴槽のへりに手を掛けて、さて、と立ちあがり、浴槽から出ようと足を上げたところで

  がたっ

と音がしたので顔を上げる。
音がしたのは、閉まっていた脱衣所との境のドアが開いたからで、そこから現れたその人に、いやその人の格好に驚いた。

え? 誰かって?
そりゃあ、この話の流れから言って、冴島鋼牙しかいないでしょう?

ん? どんな格好かって?
そりゃあ、どう考えったって、まっぱ以外ないでしょう?



「…っ! \(◎о◎)/」

それを見たカオルは、声なき声をあげ、当然のごとく慌てる、慌てる…
そして、そのとき、片足を上げた不安定な姿勢だったこともあり、下ろしていたほうの足も泡まみれの床に踏ん張りがきかずにつるっと滑った。
危ないっと思って、すぐさま浴槽のへりを握っていた手にも力を込めるが、如何(いかん)せん、こちらも綺麗に磨いたばかり。
泡まみれなへりもつるっつるな状態だった。
当然のごとくうまく掴めなかったカオルは、そのまま浴槽の中で尻餅をついたのだった。
もちろん、浴槽のあちこちに肘やら膝やらぶつけまくって、かなり大きな音を立てて… だ。

「おいっ、大丈夫か?」

いつも冷静な鋼牙もさすがに慌てて駆け寄る。

浴槽のそばにしゃがみこんだ鋼牙を見上げ、

「は… ははは… 大丈夫」

とカオルは顔を強張らせたまま答えた。
そして、いたたた… と言いながら立ちあがろうとする。
その様子に大きな怪我はなさそうだと、鋼牙もカオルの手を引っ張りながら一緒に立ちあがる姿勢を見せた。

「だ、だめっ!」

カオルはそれを拒むように声を上げて、再び浴槽の中に座り込む。
それにつられて鋼牙も立ちあがるのはやめ、浴槽の脇で片膝をついた姿勢に戻った。

「どうした?」

訝し気に眉を潜ませ、鋼牙はカオルに尋ねた。

「ど、どうした、って…」

(だって、立ちあがったら、鋼牙の… 見えちゃうじゃん!)

カオルは赤くなりながら、何をどう言ったらいいだろうと一生懸命頭を回転させる。
そして、出てきた言葉が…

「お風呂、入るの?」

「ん、いや、シャワーを浴びようかと。
 汗を流すだけでいいからな」

「ああ! じゃあ、あたし、すぐ出るから!
 お風呂の掃除は終わってて、あとは流すばっかりだから…
 あ、この泡は流してくれてもいいし、そのままでもいいよ?
 どっちにしろ、あとで、あたしが見ておくから!」

ややテンション高めにまくしたてるようなカオルに

「…そうか?」

と答える鋼牙。
そうしておいて、再び鋼牙が立ちあがろうとすると、慌てるカオルの声が追いかけてくる。

「あああああっ!」

「ん?」

「そのまま! 鋼牙はそのままでいて? すぐに出るから!
 あたしが出てから存分にシャワーを浴びて? ねっ?」

そう言うと、カオルは鋼牙の返事も聞かずにそそくさと浴槽を出た。
今度は足を滑らすなんてドジは踏まないように、しっかりと足を踏みしめつつ…
そして、しゃがんでいる鋼牙の横を通って、鋼牙が開けたままにしているドアから出ようとした。




…が。




出て行こうとするカオルを見送っていた鋼牙が、カオルの手を掴んだ。

「へっ?」

このまま出ていけると安心しきっていたカオルが、間抜けな声を上げ振りむくと、しゃがんだままの鋼牙が見上げていた。

「カオル…
 おまえ、泡だらけだ」

そう言って、さらにグイッとつかんだ手を引き寄せる。

「うわぁっ」

姿勢を崩して倒れそうなカオルを、鋼牙は抱き留めて、今度は見下ろす。
確かに、掃除中の浴槽で尻餅をついたから、お尻はもちろん、背中や髪にまで泡がついていた。

「つけっぱなしでは傷(いた)むだろ?」

そう言うと、シャワーに手を伸ばし、栓を開く。
シャワーから出るお湯が白い蒸気を吐くお湯を出すと、状況の理解に頭が回らずにアウアウと声にならない呻きを出しているカオルにシャワーを浴びせた。

その段階になって初めて、カオルは抗議の声を上げた。

「ちょっ… 鋼牙!」

だが、鋼牙はちっとも動じない。

「大丈夫。きれいに洗ってやるから安心しろ」

そう言った鋼牙の表情は、明るい朝の陽ざし溢れるバスルームには似つかわしくない艶めいた色気に満ちていた。

(いやーっ! ちっとも安心できなぁぁぁぁぁいっ!)

そして、濡れて透けたTシャツ姿のカオルをじっくりと見てから言った

「…そそるな」

という呟きに、思わず、下着の透けた胸にガバッと手をクロスさせて鋼牙の視線から身を守る。
だが、そんな防御では鋼牙の攻めから身を守ることなどできないことはこれまでの経験から痛いほど知っていた。
それでも、逃げ道を模索してしまう。

「ね、鋼牙。落ち着こう?
 こんな泡、洗面所でも落とせるから大丈夫。
 鋼牙は早く汗をなが… んふっ… んんン…」

けれども鋼牙のほうが上手だった。
しゃべりすぎる口は塞ぐに限る、ということを知っていた。
やんわりと塞いだ口を、やがて、しっとりと、ねっとりと、深く甘く制覇していく。
やがて、抵抗する力もなくして目をトロンとさせて鋼牙を見上げるカオルに向かい、ほんの少し唇から浮かしたままで囁く。

「観念しろ…」

それに降参したかのようにカオルが目を閉じると、鋼牙はふっと満足げな笑みを浮かべ、カオルを思う存分堪能すべく、再び彼女の甘い唇に熱い口づけを落とすのだった。


fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


いやぁ、ほんとに暑い(熱い♡)ですねぇ~

願わくば、ゴンザさんがバスルームに近寄らないといいですね?
カオルちゃん、羞恥でとんでもないことになりそうだから… むふっ♡
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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