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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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これなどはいかがでしょう?

今夜の妄想は、なんというか… バカバカしさ満点!?
くだらな過ぎて、公開していいものか少々悩みました…


拍手[8回]



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静寂の中、古めかしい書物のページをめくる音だけが聞こえるのは、ご存じ、冴島鋼牙の屋敷にある書斎だ。
書物に落とす視線は真摯なもので、時折、額に皺が寄ることを除いては、とても穏やかな時間が流れていた。
すると、そこへ…

「鋼牙様、鋼牙様!」

いつも落ち着き払っているゴンザが、やや興奮気味にやってきて、鋼牙の前に立った。
余程慌てていたのか、弾む息のためにすぐには言葉が出てこない。
両膝に手をついて肩を上下に大きく動かしながら、ゼエゼエとした息を落ち着かせる。

『どうした、ゴンザ。何をそんなに慌てているんだ』

書斎机に置かれた台座に据えられたザルバが、カチカチと顎を鳴らしながらゴンザに問いかけた。
すると、ようやく呼吸が整ったゴンザが、手に持っていた雑誌のようなものを持ち上げ、

「これをご覧くださいませ」

ととあるページを指し示した。
鋼牙はそれを受け取ると、しげしげとそれを眺めてから顔を上げた。

「これは?」

その表情には若干の戸惑いのようなものが見え隠れしている。
ゴンザはニコニコと笑いながら、よくぞ聞いてくれた、と言わんばかりに身を少し寄せてから言った。

「カタログでございます」

「カタログ?」

「ええ。
 こちらは魔戒騎士専用のカタログでして、魔戒剣や魔道具のお手入れに関する消耗品から、魔法衣や靴などまで様々なものが載っております」

「で、これは?」

鋼牙はやや訝(いぶか)し気に、ゴンザに示されたページを見せて言った。
そのページには、魔戒騎士らしきモデルがコートを着て映っている写真が見えた。
そのモデルは黒いコートを着ていたが、そのすぐ横には、白いとグレー、そしてネイビーといった色の異なる3つのコートだけの写真もあった。
恐らくは、黒いコートの色違いがあるということを表しているのであろう。
多彩なカラーバリエーションに目を引かれるものがあるが、それより何より、驚きなのはコートに装備されているあるモノの存在だった。
前から見る分には魔戒騎士が着るにはごくごく平凡なコートであるのに、もう1枚載っている斜め後方から映している写真では、ちょうど腰のあたりに左右に1か所ずつ小型のファンがついていたのだ。

「鋼牙様がただいまお召しになっているコートも、ある程度、体温調節機能がついておりますが、このファンがあれば、もっとずっと鋼牙様も涼しいのでありませんか?」


それを聞いて鋼牙は複雑な表情を浮かべ、再度、カタログに目を落とした。

「これを、俺が着るのか?」

探るような鋼牙の様子に、さすがのゴンザも少し焦る。

「いえ、別にこれを購入しようということではありません。
 ですが、もしも気に入れば、鋼牙様のコートにそういった装備をつけてもいいかと思いまして…」

それを聞いて、鋼牙は少し悩むふうな素振りを見せたが、わりとすぐに、

「…いらないな」

と言った。

「さ、さようでございます…
 あっ! 鋼牙様、実はもうひとつ斬新なアイデアのものを発見したのです」

ゴンザはポンと手を打ち、少々お借りします、とか何とか言って、鋼牙の手からカタログを取り返した。
そして、カタログのページをパラパラパラとめくり、やがて目的のページにたどり着いた。

「鋼牙様、これです。
 これもまた涼しそうでございますよ?」

鋼牙はゴンザからカタログを受け取ると、再びそれに視線を走らせた。
が、すぐに、

「これは…」

と言ったっきり、言葉を失(な)くした。

「こちらは、コートの内部に細いチューブが張り巡らされておりまして、この中に冷水を循環させることで涼しさを味わえるようになっている商品です」

まるで自分が商品化したかのように、軽くドヤ顔でそういうゴンザに、内心、鋼牙は、

(おまえは一体、どこの誰なんだ)

と突っ込みを入れたが、黄金騎士様もそれなりにいい大人だ。
正面切ってそれを指摘するようなこともせず、ただ、首を横に振り、ふーっと深いため息をついた。
そういった鋼牙の反応に、ゴンザは目に見えて残念そうに肩を落とした。
何も言わずとも、鋼牙の思うところはゴンザには十分通じるのだろう。



そんな項垂(うなだ)れるゴンザに、ザルバが横から口を出してきた。

『ゴンザ、その水はどうするのだ?
 まさか鋼牙に担いで持っていけというのか?』

ゴンザは目を大きく見開き、あっと言いそうになりながら、慌てて口元を手で隠す。

「失礼いたしました、鋼牙様!
 そのようなこと、考えもつきませんでした!」

もしもそんなことになってみろ、水の分、重くなった状態でホラーと闘うなんて、とんでもないハンデだ!



申し訳なさそうに小さくなるゴンザに、鋼牙はぼそりと言った。

「ゴンザ、コートは今のままで問題ない」



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


すいません。
ほんとにくだらないわぁぁぁ!
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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