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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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あま~い誘惑(1)

ずいぶん、拍手コメントへのお礼を溜めてますが…
やっぱり、妄想優先で進むのです。
今宵の妄想はカオルちゃん、テンション高めです!

拍手[5回]



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

朝晩はめっきりと冷え込むようになったこの頃。
それでも、日中になると気温はそれなりに高くなり、日なたを歩くと軽く汗ばむこともある。

そう、今現在のカオルはまさにその状況を体現している。
日陰の少ない道のりを両手にコンビニの袋を3つもぶら下げて冴島邸を目指して歩いていた。
けれども足取りはものすごく軽かった。
なんなら顔には笑みまで浮かんでいる。

そんなカオルが冴島邸に着くと、ふぅ~っと額に浮かんだ汗をぬぐって一呼吸入れた。
そして、勢いよくドアを開けると、

「ただいま~!」

と大きな声で帰宅を知らせた。
まずはリビングに顔を出す。

「ゴンザさ~ん?」

(あれ、いない…)

次はキッチン。

「ただいま!」

(ん? ここにもいない…)

庭のほうも見てみたがいなかったので、カオルは階段に足をかけながら

「ゴンザさ~ん、いないの~?」

と呼びかける。
すると、ひょいっとゴンザが顔を覗かせた。

「カオル様。
 おかえりなさいませ。いかがなさいましたか?」

手には洗剤の入っているらしいスプレーと雑巾を持っているところを見ると、どうも窓掃除でもしていたようだ。

「ただいま、ゴンザさん。
 ねっ! 見てみて!」

そう言ってカオルは両手の袋を持ち上げて見せる。
ひとつひとつはそう大きくないが、それぞれデザインが違うところを見ると、同じ店で購入してきたものではないようだ。

「あのね、いろんなスイーツを買ってきたの!
 秋っておいしいものがいっぱいあるでしょ?
 だから、コンビニにもいろ~んなのが並んでるんだよ。
 今日のおやつはこれ、食べよう? ねっ!」

「それはそれは…
 では、掃除の途中なので、簡単に片づけてまいりますね?
 せっかくのお土産。さっそくいただきましょう」

それまでもニコニコと笑顔の絶えないカオルだったが、ゴンザがそう言ってくれて

「うん!
 じゃあ、先に降りて、並べてるね!」

とより一層笑みを深めたのだった。




さて…
ゴンザが階下に降りてリビングに顔を出すと、カオルはちょうど最後の商品を袋から出していたところだった。

「これはまた…
 たくさん買われたのですねぇ、カオル様」

テーブルの上に並んだスイーツの数々にゴンザはちょっぴり驚いた。

「ふふふ、選びきれなくて…
 栗に、サツマイモに、かぼちゃ。リンゴも秋の味覚だよね?
 あれもこれもとカゴに入れたらこうなっちゃって…」

「いやいや、それにしても…
 なにもハシゴしなくてもよかったのではないですか?」

ゴンザは手近にあった商品を手に取り、上からや横からなど方向を変えながら眺めてからカオルを見た。

「だぁってぇ~
 他のコンビニのも気になったんだものぉ~」

カオルは眉尻を下げつつ、少しだけ口を尖(とが)らせてみせた。
が、すぐに、ゴンザの手にしている商品に目を落として

「あっ、それは○ーソンの ’陽まるアップルパイ・秋’ ね!
 で、こっちのはおんなじ○ーソンでも、’栗堪能モンブラン’。
 あとは ’澄(すみ)とろ生スイートポテト’ってのもあるのぉ」

カオルは、テーブルの上のスイーツの中から、○ーソンの商品を引き寄せてゴンザに見せた。

「’クイニーアマン いちじく&チーズクリーム’ っていうのもあるんだけど、男性はあんまりいちじくって好みじゃないのかなぁ?」

そんなカオルの問いかけに答えようとゴンザが口を開きかけるが、ゴンザが話し始めるより早く、

「でも、苦手なものはしょうがないよね。
 だ~いじょうぶっ! あたしはいちじく好きだから責任持って食べるからね?」

とカオルはニッコリ笑って言った。
う~ん、今日のカオルはいつにも増してハイテンションのようだ。

「あっ、こっちは○ブン○○ブンね!
 これがぁ ’ひとくち濃厚かぼちゃチーズケーキ’。
 で、こっちが ’クッキーシューパンプキン’ でしょ?
 あと、’もちっとどら かぼちゃプリン&ホイップ’ってのもあるのね。
 ○ブンは、かぼちゃ推しみたいだね?」

ひとつひとつ手に取って見ていたゴンザだったが、カオルがそう言うから、○ーソンの商品の確認もそこそこに、今度は○ブン○○ブンの商品にも手を伸ばす。
が、カオルの目はもう次のスイーツに注(そそ)がれている。

「で、ファ○マも忘れちゃいけないよね、っていうことで…
 ’北海道産かぼちゃのモンブランプリン’ にぃ、こっちは ’ロールちゃん’ のパンプキン!
 あとねぇ~ 地域限定の ’スフレ・プリン’ ってのもあって、北日本ではチョコバナナなんだってさ!」

そう言いながら、カオルはスマホを取り出し、パパパッと操作するとファ○マのスフレ・プリンのページを出してゴンザの前にズイッと出した。

「’スフレ・プリン’ って6種類もあってね? あたしはこの沖縄の紅芋のとかりんごのが食べてみたぁ~いって思ったんだけどね。
こっちではチョコバナナのしか売ってないみたいなんだよねぇ…」

カオルはここに来て初めて残念そうな顔をして見せて、小さく溜め息をついた。
ゴンザは

(どれどれ…)

と、目の前に突然突き付けられたスマホの画面をよく見ようしたところ、フイッと画面はゴンザの前からそらされてしまい、

(えっ?)

と思い、顔をあげると、スマホを真剣な顔をして見ているカオルがいた。
カオルは、画面を指で上に下にとスライドさせながら

「やっぱりレモンチーズも捨てがたいわよね…」

とか、

「この塩コクっとうっていうのも気になるなぁ…」

とかブツブツ呟いている。
そんなカオルにゴンザは人知れず溜め息を飲み込みながら、

「お茶のご用意をしてまいりますね…」

と小さく言って、リビングを出て行った。



to be continued(2へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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