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あま~い誘惑(2)
どうして秋は誘惑が多いんでしょう!
おいしいものだらけじゃないですかっ!
ま、selfish にしてみたら、春だろうが、夏だろうが、一年中おいしいものだらけなんですけどね。
というわけで、垂涎ものの冴島家のお茶の時間が始まります。
一緒に覗き見いたしましょう!
おいしいものだらけじゃないですかっ!
ま、selfish にしてみたら、春だろうが、夏だろうが、一年中おいしいものだらけなんですけどね。
というわけで、垂涎ものの冴島家のお茶の時間が始まります。
一緒に覗き見いたしましょう!
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「本日は紅茶にしてみました…」
そう言いながらリビングに戻ってきたゴンザは、ソファーの前のローテーブルの上に広げられたスイーツの数々に軽く目を瞠(みは)った。
「こうして並べられるといやはや、壮観ですな」
それを誉め言葉と取ったのか、カオルは
「うふふ、そうだよねぇ」
とニコニコ顔だ。
ゴンザは、淡いブルーの地に白い小花を散らせたティーカップにティーポットから紅茶を注ぎ、カオルの前に置いた。
「こちら、ディンブラになります」
内側が真っ白なカップにきれいな赤褐色が揺れている。
立ち昇る香りはバラのように華やかで、渋みやフレーバーはあるものの全体的にバランスがよく、スイーツを引き立てるにはよいかというゴンザのセレクトだった。
「ありがとう」
カオルはソーサーごと持ち上げ、目を閉じて香りを楽しんでから、静かに息を吹きかけてゆっくりと一口味わった。
「うん、おいしい」
小さく呟くように言ってから紅茶に落としていた目をゴンザへとあげて、微笑んだ。
そこまでの動作は、それこそどこぞのご令嬢か若奥様かというほど上品であったのだが、いそいそとカップをテーブルに置くなり、
「さあ、ゴンザさんはどれにする?」
と、目をらんらんと輝かせて前のめりに聞いてくる様は、無邪気な少女のようだ。
ゴンザは苦笑を浮かべながらも、失礼します、とカオルの隣に座った。
「どれもおいしそうですねぇ」
そう言いながら右から左へ、左から右へと何往復かさせてから、
「これなんか、どうでしょう」
と、○ブン○○ブンの ’ひとくち濃厚かぼちゃチーズケーキ’ に手を伸ばそうとした。
すると、カオルの
「ああ… うん… そうねぇ…」
と、なんだか歯切れの悪い声が聞こえてきた。
「…カオル様?」
「いいと思うよぉ。かぼちゃのチーズケーキの取り合わせなんて、絶対おいしいに決まってるもんねぇ」
言っている内容とは裏腹に、感情の伴わない抑揚の乏しい声色のカオルは、なんだか少し悲しそうな顔をしていた。
そんな彼女の反応に、
(ああ、なるほど)
とゴンザは心の中で納得し、慌てて目線を彷徨わせてから、
「あっ、でも、これもおいしそうですな!」
と、今度は○ーソンの ’澄(すみ)とろ生スイートポテト’ に手を伸ばす。
「…」
カオルからは特に何も言われなかったことに安堵しつつもちらりと彼女の顔を見て、ゴンザの手が止まった。
カオルは下唇を噛みしめて、何かを我慢しているような表情をしていたのだ。
ゴンザは差し出したまま止めていた手を、そのまま右方向へずらしてみた。その手の先には、ファ○マの ’北海道産かぼちゃのモンブランプリン’。
すると、カオルは「嗚呼」と声にならない声を出すかのように口を開いた。
ゴンザはさらに、その右隣りへ…
「’クイニーアマン いちじく&チーズクリーム’… それもおいしそうだよねぇ…」
カオルは、無意識のうちに心の声を漏らしていた。
とうとうゴンザはスイーツの上を彷徨わせていた手を引っ込めた。
そして、
「カオル様、ゴンザにはどれもおいしそうでとても決められません。
よろしければ、カオル様がお決めくださいませんか?」
と何食わぬ顔でカオルにそう言うのだった。
それにはカオルも
「えぇっ、あたしが選んでもいいの?
ゴンザさんの好きなのを選べばいいのに…」
と声を大きくして言っていたが、どことなく嬉しそうにも見えるのはどうしてかな、とゴンザは思いつつ、顔に張り付けた笑みは消さなかった。
その後、散々悩んだ末に、カオルはゴンザに ’陽まるアップルパイ・秋’ を選ぶと、自分は ’ひとくち濃厚かぼちゃチーズケーキ’ (←ゴンザが最初に選んだヤツだ)を取った。
「紅茶が冷えてしまいましたね。入れなおしましょうか?」
ゴンザはそう気遣ったが、カオルはううんと首を横に振り、
「それより早く食べよう?」
と言って、商品の中にあったピックを手に取った。
「いただきます」
そう言うが早いか、うふふと顔を緩ませながらチーズケーキにピックを差した。
そして、ひとくち大のケーキをはむっとほおばった。
触感がどうだ、味がどうだと楽しくおしゃべりしながらスイーツと、ちょっと冷めてしまった紅茶とを味わっていると、あっという間に食べきってしまった。
「次はどれにしようかなぁ…
ゴンザさんはどれにする?」
ディンブラの香りと味を確かめるように口にしていたゴンザが、それを聞いて、慌ててカップから口を離した。
「2個め、ですか?」
「そうだよぉ~
どれにしようかな…」
さすがにゴンザは、カロリーのこともあるし、夕食のこともあるし、しかも何よりも選ぶまでの過程のことを考えると、
「わたくしは結構ですよ」
と少々ぎこちない笑みで言った。
「そ~お~?
せっかく沢山あるし、遠慮しないでいいんだよ?」
そう言いつつも、カオルはキョロキョロとスイーツの上に視線を彷徨わせている。
「ははは… ありがとうございます…」
ゴンザはそう言うと、冷えて渋みの増した紅茶をズズズと飲み干した。
そんなところへ…
ガチャッ
と何の前触れもなくリビングのドアが開かれた。
入ってきたのは、白いコートの男。
「鋼牙様っ」
慌ててソファからゴンザが立ちあがり、足早に鋼牙に近づく。
「お帰りに気付かず申し訳ありませんでした」
今までくつろいでいた姿を一変させて、できる執事の顔でそう言うと、コートを脱ぐ鋼牙に手を貸した。
to be continued(3へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
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