きんのまなざし ぎんのささやき
牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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いちばんの存在(3)
いまはただ、あなたのそばに(3)
え~っとですね。
書いてる本人が言うのもなんですが、自分をいじめる鋼牙、めっちゃ好み
なんですぅ~
なんたって、selfish のSは… ふふふ
Sのお友達ぃ、いるかなぁ?
続きが始まるよぉ!
書いてる本人が言うのもなんですが、自分をいじめる鋼牙、めっちゃ好み
なんですぅ~
なんたって、selfish のSは… ふふふ
Sのお友達ぃ、いるかなぁ?
続きが始まるよぉ!
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ソウルメタルの剣はもうピクリとも動かせない。
鋼牙は剣を放り出し、剣と同じくらい重たくなった身体も投げ出し、
部屋の真ん中で大の字になって天井を見上げていた。
時折眉根を歪ませ、痛みに耐えるような表情を見せた。
身体が痛むのか、それとも心が痛むのか…
目を閉じ、呼吸を整えていく。
激しかった息遣いも徐々に落ち着いていった。
どのくらい経っただろう。
真っ白になっていた鋼牙の頭の中に、思考が蘇(よみがえ)ってきた。
そっと目を開け、ザルバのいない左手を天井に向けて伸ばしてみる。
(すまない、ザルバ。
俺に強さが足りなかったのかもしれん。
他にもっと打つ手があったのかもしれん。
だが、俺は俺の精一杯でキバにぶつかった。
だから、お前もお前の精一杯で応えてくれたのだろう?
俺はもっと強くなる。
もう何者をも失いたくない。
少しでも可能性があるのであれば、俺の全力で守り続けていく。
黄金騎士の名にかけて誓う。
だから、見届けてくれないか? ザルバ。)
鋼牙は大きくひとつ息を吐くと、ようやく重たい身体を引き上げた。
ギシギシとあちこちが悲鳴をあげている。
そして、放り出した剣を手にとってみる。
普段より重たくは感じたが、難なく拾い上げることができた。
荒ぶっていた気持ちを静めるように、そっと剣を赤鞘に収める。
(腹が減ったな。
…生きている実感ってヤツか?)
落ち着きを取り戻して、初めて、自分の空腹に気づいた鋼牙は、思わず、
笑いがこみ上げた。
(いや、腹ごしらえの前に、この汗を洗い流さないとな…)
身体を引きずるようにドアの前まで辿り着いた鋼牙は、そう思いながら
部屋を出た。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
修行の間のドアを閉め、歩き出そうとした鋼牙の視界の片隅に、
何かが引っかかった。
(んっ、カオル?)
それは、毛布にくるまって眠りこけているカオルだった。
(なぜ、こんなところで…)
一瞬訝(いぶか)しげに思ったが、すぐに思い至った。
カオルのそばに跪(ひざまず)くと、肩に手をかけようとした。
頬には涙の痕があった。
そっとその痕を親指でぬぐってから、驚かせないように肩を軽く揺すった。
「おい、カオル。
起きろ。」
「…う、うぅん…」
カオルはちょっと眉をしかめ、それからゆっくりと目を開く。
「…あっ、鋼牙…」
「こんなとこで寝てると風邪を引くぞ。」
「…う、うん…」
カオルは慌てて立ち上がる。
鋼牙もそれに倣い、立ち上がろうとしたが、もう身体が限界に来ている
ようだった。
「大丈夫?」
「…ああ…」
カオルは鋼牙を支えながら、鋼牙の眼を見てみた。
その眼には力が戻り、とても落ち着いた色をしていた。
(そっか、鋼牙はもう大丈夫なんだね。)
「鋼牙、あのね、ザルバのことなんだけど…
ごめんなさい!
あたしがメシアのゲートになんかならな…」
「カオル…」
鋼牙はカオルの言葉を遮(さえぎ)った。
「誰のせいでもないんだ。
ザルバも俺も、それにお前だって、それぞれが自分にできることを
やりきった。
ただ、それだけだ。
だから、自分を責めるのは、もうやめろ。」
カオルが大きな黒い瞳で鋼牙を見つめる。
それから、ひとつうなずくと言った。
「うん、わかった。
もう、そんなふうには考えないようにする。
それでいいんだね?」
「あぁ、それでいい。」
ふたりは潤んだ瞳で微笑み合うと、支えあうようにしながら、修行の間を
後にしたのだった。
to be continued(4へ)
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ソウルメタルの剣はもうピクリとも動かせない。
鋼牙は剣を放り出し、剣と同じくらい重たくなった身体も投げ出し、
部屋の真ん中で大の字になって天井を見上げていた。
時折眉根を歪ませ、痛みに耐えるような表情を見せた。
身体が痛むのか、それとも心が痛むのか…
目を閉じ、呼吸を整えていく。
激しかった息遣いも徐々に落ち着いていった。
どのくらい経っただろう。
真っ白になっていた鋼牙の頭の中に、思考が蘇(よみがえ)ってきた。
そっと目を開け、ザルバのいない左手を天井に向けて伸ばしてみる。
(すまない、ザルバ。
俺に強さが足りなかったのかもしれん。
他にもっと打つ手があったのかもしれん。
だが、俺は俺の精一杯でキバにぶつかった。
だから、お前もお前の精一杯で応えてくれたのだろう?
俺はもっと強くなる。
もう何者をも失いたくない。
少しでも可能性があるのであれば、俺の全力で守り続けていく。
黄金騎士の名にかけて誓う。
だから、見届けてくれないか? ザルバ。)
鋼牙は大きくひとつ息を吐くと、ようやく重たい身体を引き上げた。
ギシギシとあちこちが悲鳴をあげている。
そして、放り出した剣を手にとってみる。
普段より重たくは感じたが、難なく拾い上げることができた。
荒ぶっていた気持ちを静めるように、そっと剣を赤鞘に収める。
(腹が減ったな。
…生きている実感ってヤツか?)
落ち着きを取り戻して、初めて、自分の空腹に気づいた鋼牙は、思わず、
笑いがこみ上げた。
(いや、腹ごしらえの前に、この汗を洗い流さないとな…)
身体を引きずるようにドアの前まで辿り着いた鋼牙は、そう思いながら
部屋を出た。
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修行の間のドアを閉め、歩き出そうとした鋼牙の視界の片隅に、
何かが引っかかった。
(んっ、カオル?)
それは、毛布にくるまって眠りこけているカオルだった。
(なぜ、こんなところで…)
一瞬訝(いぶか)しげに思ったが、すぐに思い至った。
カオルのそばに跪(ひざまず)くと、肩に手をかけようとした。
頬には涙の痕があった。
そっとその痕を親指でぬぐってから、驚かせないように肩を軽く揺すった。
「おい、カオル。
起きろ。」
「…う、うぅん…」
カオルはちょっと眉をしかめ、それからゆっくりと目を開く。
「…あっ、鋼牙…」
「こんなとこで寝てると風邪を引くぞ。」
「…う、うん…」
カオルは慌てて立ち上がる。
鋼牙もそれに倣い、立ち上がろうとしたが、もう身体が限界に来ている
ようだった。
「大丈夫?」
「…ああ…」
カオルは鋼牙を支えながら、鋼牙の眼を見てみた。
その眼には力が戻り、とても落ち着いた色をしていた。
(そっか、鋼牙はもう大丈夫なんだね。)
「鋼牙、あのね、ザルバのことなんだけど…
ごめんなさい!
あたしがメシアのゲートになんかならな…」
「カオル…」
鋼牙はカオルの言葉を遮(さえぎ)った。
「誰のせいでもないんだ。
ザルバも俺も、それにお前だって、それぞれが自分にできることを
やりきった。
ただ、それだけだ。
だから、自分を責めるのは、もうやめろ。」
カオルが大きな黒い瞳で鋼牙を見つめる。
それから、ひとつうなずくと言った。
「うん、わかった。
もう、そんなふうには考えないようにする。
それでいいんだね?」
「あぁ、それでいい。」
ふたりは潤んだ瞳で微笑み合うと、支えあうようにしながら、修行の間を
後にしたのだった。
to be continued(4へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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