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牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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遅れてきたメリークリスマス(1)
クリスマスにはもう間に合いませんが、今からでもいいでしょうか?
どうしてこう、前もって行動(妄想)できないのかな~ まったく!
…と自分でも呆れます。
「もうしょうがないなぁ~」と笑って許せる方に、遅過ぎますが、メリークリスマス!
しかも、なんだかな~ 1回では終わんなかったよ…
年越しまでお付き合いいただけますぅ?
どうしてこう、前もって行動(妄想)できないのかな~ まったく!
…と自分でも呆れます。
「もうしょうがないなぁ~」と笑って許せる方に、遅過ぎますが、メリークリスマス!
しかも、なんだかな~ 1回では終わんなかったよ…
年越しまでお付き合いいただけますぅ?
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イルミネーションが輝きだした街。
冴え冴えと冷え切った空気を気にもとめず、カオルは歩いていた。
いつもよりきれいにヘアを整え、いつもより入念にメイクをして、おろしたてのワンピースにコートを羽織り、キラキラのピアスをつけてピカピカのヒールで歩く彼女は、輝くような笑顔に溢れ、スキップでもしかねないくらい上機嫌だった。
(鋼牙とデート! デートだよ~
どこに行こうかなぁ…
映画? ショッピング?
ううん、鋼牙とならどこでもいい! …なんて、ね? うふっ♡)
昨日までとは打って変わって、なんとなく人通りの少ない大通り。
それもそのはず、今日はクリスマスの翌日なのだ。
クリスマスと週末が重なり、家族や恋人と素敵な時間を過ごした世間の人たちは、昨日の疲れを引きづりつつ、仕事をし、あともう少しで勤務時間が終わりそうなそんな時間だった。
金色に輝くイルミネーションの見える、大きな通りから少し入ったところにある小さな公園の入り口で、カオルは鋼牙を待っていた。
昨晩遅くに仕事を終えた鋼牙は、今朝も通常通り、オブジェの浄化に出掛けて行った。
みんなが心待ちにしているきらめくクリスマスの陰には、いつも以上に暗く深い「影」が存在するものらしい。
その「影」を断ち切り、封じ込め、光の下(もと)へと解き放つのが、鋼牙たち魔戒騎士の役目。
今日も、ぎりぎりまで陰我の芽を摘み取ってから、カオルと外で待ち合わせすることになっていた。
(あっ、鋼牙!)
通りの向こう側から歩いて来る長身の男に気付いて、カオルの顔がパッと輝く。
「待たせたか?」
カオルの目の前に立った鋼牙が、カオルを気遣った。
「ううん、あたしも今来たとこ!」
カオルは見上げるようにして鋼牙に返事した。
「ね、これからどうする?
行きたいところとかあるかな?
あ、それともお腹すいた?」
カオルはウキウキと訊く。
「そうだな…」
これからの時間が楽しみでしょうがないといったカオルを、鋼牙は優しい顔で見下ろしながらそう言ったとき、
『鋼牙…』
と遠慮がちなザルバの声が…
鋼牙はザルバにちらっと視線をやり、黙ってうなずく。
『悪いな、カオル。
野暮用ができちまった…』
鋼牙の代わりにザルバが謝る。
すると、みるまにしぼんでいくカオルの表情。
それでも、次の瞬間には笑顔をつくり、
「あ、うん。
あたしなら大丈夫だから…
鋼牙もザルバも頑張ってね!」
と言った。
その姿を切なげに見つめる鋼牙に、カオルはなおも、
「ほんと、気にしないで!
その代わり、また別の日にちゃんと付き合ってもらうからね!」
と健気に言う。
そんなカオルに、いつもなら、すまないと言って去っていく鋼牙だったが、今夜は少し違っていた。
「カオル、ケータイを出せ」
「え?」
戸惑いつつもケータイを出したカオルに、
「ゴンザに電話しろ。すぐに、だ」
と鋼牙は言った。
カオルは怪訝に思いながらも冴島家へとコールすると、すぐにゴンザは電話に出た。
「あ、ゴンザさん? あたし、カオルで…」
カオルに「す」と言う間も与えずに、鋼牙はカオルからケータイを奪うと、
「俺だ。今すぐカオルを迎えに来てくれ。
…
ああ、そうだ。落ち合う場所は、カオルと決めてくれればいい。
…
では、頼んだぞ」
と、必要最低限の話をゴンザとしたうえで、ケータイをカオルに返した。
「真っ直ぐ帰るんだ。いいな?
この埋め合わせは必ずするから… じゃあな」
そう言うと、鋼牙は足早にその場を離れた。
その姿はあっという間に消えていき、あとにはカオルの溜め息だけが残された。
「んもう、せっかくおしゃれしてきたのに!」
いなくなってしまった鋼牙に対して、歯を剥き出して「いーっ」と口を大きく横に広げてみせてから、カオルはケータイを耳に当てた。
「あ、ゴンザさん、ごめんなさい。
…
うん、じゃ、お願いします…」
ゴンザとこの後の行動を打ち合わせておいて、電話を切った。
「あーあ…」
再び大きな溜め息をついたカオルは、暗さが増して一層輝きの増したイルミネーションを見上げた。
その明かりはとても美しかったが、カオルの目には少しだけ滲んで見えていた。
to be continued(3へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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