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きんのまなざし ぎんのささやき

金狼Morning!(3)

やっと朝!
しかも金狼感謝祭から早くも1ヶ月経とうとしているという…
みなさん、感謝祭の後の興奮とかもう覚えてないですか?
だとしたら、思い出してみてくださいね。

鋼牙のいない感謝祭。
鋼牙(Kくんだけど)の手紙に、カオルちゃんの涙。

早く帰りたい!
鋼牙に会いたい!

そんなカオルちゃんの気持ちを、思いっきり膨らませて妄想してください!


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鋼牙の部屋のドアを、カオルはできるだけ静かに開けた。
中は暗がりが広がっているばかりで、人の気配は微塵も感じられなかった。
闇に目が慣れてきて、カオルはそろそろとベッドのほうへと歩み寄った。
案の定、ベッドの中は空っぽで、ベッドメイクされたままで皺ひとつなく、誰かが使った様子はない。

(…まだ帰ってないんだ)

カオルは沈んだ表情のまま、窓へと近づいた。
カーテンを少し開けてみると、それまで遮断されていたひときわ冷たい空気と夜明けの近い空が感じられた。
まだ重たい群青色の空の下には、黒々とした山並みが横たわり、稜線をなぞるように白く水蒸気が湧き上がっていた。
山肌から発生する白い靄(もや)が音もなくゆっくり立ち上り、空に溶けこもうとしていく様はとても幻想的に見えたが、それと同時に外の空気のキリリとした冷たさが想像される。
その光景に、ぶるっと身震いをしたカオルは、カーディガンを無意識にかき合わせて肩を縮みこませた。

(まだ、闘ってるんだろうか?)

カオルは目を下の方に落とした。
その窓から冴島邸の玄関先がよく見えた。

  はぁーっ

手に自分の息を吐いて温めながら、カオルの目は玄関から続く小径(こみち)の先を見つめた。





『やれやれ、ようやくここまで帰ってこれたか…』

ほっと安心したようにザルバが言った。
左手に嵌めた魔導輪を顔に向け、

「おまえにもずいぶん無理をさせたな。すまなかった…」

と疲労感の滲む声で鋼牙は答えた。

『まったくだ。知らない土地でのホラー狩りは神経を使うぜ』

「だが、思っていたよりずっと数が少なくてよかった」

鋼牙は独り言のように呟いた。

『ま、それだけ魔戒騎士たちが普段からオブジェの浄化を真面目にやっていたって証拠だな。

 それにしても…
 こうもホラーの現れる場所があちこちに散らばっていては、闘いそのものよりも移動のほうが堪(こた)えたぜ。
 おまえときたら、レオには近場を任せて、自分は遠くを遠くをと請け負うからな。帰ってくるだけでもえらい時間がかかった…』

恨みがまし気なザルバのボヤキに、鋼牙は、

  フッ

と苦笑を漏らし、

「仕方がないだろう? レオを巻き込んだのは俺のほうだ。
 レオに苦労を強いるわけにはいかないだろう?」

と答えた鋼牙は、視線を前に向けると言った。

「だが、おまえのお蔭で思ったよりも早く帰れた。
 ほら、屋敷が見えてきた…」

左の拳を前方に突き出した鋼牙が威風堂々と建つ自分の屋敷を見て、目を細めた。
朝靄(あさもや)の中、鋼牙の帰りを待つ玄関の灯りが滲んでいた。

『やれやれ… ここまで来れば俺様ももう用済みだ。一足早く休ませてもらうぜ?
 今日は少しゆっくりさせて… くれ… よ…』

ザルバの意識が少しずつ希薄になっていくのが感じられ、やがて静かになった。
屋敷まであと100メートル余りを残すところとなって、鋼牙はひとり黙々と歩く羽目になった。
一歩一歩歩むごとに夜も少しずつ明けていくようだった。

(ようやく長い夜が終わる…)

そう思ったとき、鋼牙はハッとなった。
屋敷の2階、ちょうど自分の部屋の窓のカーテンの隙間から視線を感じる。

(カオル…)

こちらを見下ろす顔に安堵の笑顔を見て、鋼牙自身もほっとした。
やがて、カオルが窓から離れて姿を消した。
それを見て、当然のように鋼牙の足も自然に速くなる。
ようやく玄関先に辿りつき、玄関ドアに手をかけようとしたところで、一足早くドアが中から開けられた。

満面の笑みを浮かべたカオルが姿。
そして、そのまま鋼牙の胸に飛び込んできた。

「おかえりなさい…」

噛みしめるようにそう言うと、一層ぎゅっとしがみつく。
その様子に、鋼牙は胸まで締め付けられるように感じる。
そっと包み込むようにカオルの身体を抱く。

「ただいま。
 心配かけたな…」

その鋼牙の言葉に、カオルは、ううん、と首を横に振るばかりだった。
鋼牙は、腕の中のカオルの温かい体温と甘い香りを感じつつ、疲労感が消えていくような感覚を味わっていた。

束の間の抱擁のあと、ふたりは、あっ、と何かに思い至り、相手に話しかける動作を同時に見せた。
クスッと笑ったカオルが鋼牙に言った。

「なに? 鋼牙から言って…」

そう促されて、鋼牙は優しい目で言った。

「そんな恰好じゃ寒いだろう? 早く中に入ろう、と言おうと…
 カオルは?」

「あたしは…
 疲れたでしょ? お風呂にでも入って温まって、って…

 ウフッ なんだか似てるね?」

ふたりが話すたびに白い息が広がる。
にこにこと見つめ合っていたふたりの表情が、スッと真剣な顔になる。
そして、ふたりの距離がさらに縮まり、唇が重なった。
唇が離れ、カオルが目を開けると、熱を帯びたような鋼牙の視線とぶつかる。
それだけでもう、カオルは足に力が入らない。

「…中に入ろう」

そう言った鋼牙は、カオルを抱きかかえるようにして玄関を入った。





その後。
いつもより30分ほど寝過ごしたゴンザが慌ててキッチンに飛び込んできた。

「大変、大変…」

すると、調理台の上に走り書きされたメモが1枚。


  昼過ぎまで休む。
  それまでゆっくりしてくれて構わない。


鋼牙の手による、そのメモを読んだゴンザは、フッと笑みを浮かべるとキッチンを去った。
そして、まだ少し暖かさの残っている自分のベッドに逆戻りして、しあわせそうに目を閉じた。



fin(金狼Alone time!へ
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冬の朝。
二度寝の嬉しさは格別ですよね!
って、話じゃないか…

寒いからこそ、好きな人とくっつきたくなるもんですよねぇ~♡
この後、ふたりは滅茶苦茶くっつくと思います♡♡♡
ええ、ええ、間違いなく!

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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