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きんのまなざし ぎんのささやき

金狼Morning!(2)

なかなか「朝」のお話にならない「金狼Morning」
のれんに偽りあり!?
…いやあ、ダメっすね。

そして、そして、今夜は少し短めのアップになります。
…う~ん、これまたダメっすね。


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人気(ひとけ)のない廃工場が、緊迫した空気に覆われていた。
闇が支配するはずのその場所で、その一角だけがぼおっと明るく、まばゆく神々しいほどに輝く金色の光とそれとは対照的な禍々しい黒い塊が接近と離反を何度か繰り返していた。
やがて、

「はっ」

と、黄金騎士 牙狼が渾身の気合を込めて踏み込んだかと思うと、ホラーの腹に牙狼剣が深々と突き刺さった。

「ロオメ…」
(おのれ…)

憎々し気に呻いたホラーは、次の瞬間には粉々に砕け散った。
そして、そのバラバラになった肉片は、やがて金色の光をまとい、水面へと浮かんでいく水泡のように天空へとゆっくり昇っていく。

  ガシャン

音を立てて牙狼の鎧が新魔界へと返還されると、鋼牙はふうっと一息ついた。
だが、その顔はすぐに引き締まり、左胸にぶさ下がる飾りのひとつに視線を落とした。
そこには、冴島邸の書斎のデスクに置かれている、ラテスの姿を映し出すランタンのような形をした魔導具のミニチュアのようなものがあった。
それは、今回のために特別に携帯が許されたもので、鋼牙はそれに向かっておもむろに声をかけた。

「ホラー シザードの殲滅を完了しました」

すると、驚いたことにその小さな飾りの中央に白い光が宿ったかと思うと、そこから元老院にいるグレスの声が聞こえてきた。

「冴島鋼牙、ご苦労でした」

「レオのほうはどうですか?」

鋼牙は自分と別れて別のホラー退治に向かったレオのことを案じて尋ねた。
その問いに、グレスは沈んだ口調で答えた。

「…少々手こずっているようです」

が、すぐに声色(こわいろ)を戻して、こう続けた。

「ですが、心配には及びません。
 ある騎士がレオの応援をかってでてくれました。
 そろそろレオの元に着くはずです」

「そうですか…」

ほっとした鋼牙は、険しかった表情を少し緩めた。

「しかし、その騎士だけで大丈夫ですか?
 必要であれば、今からそちらに向かいますが…」

再び表情を引き締めて尋ねる鋼牙。
その申し出に、グレスは落ち着いた声できっぱり断った。

「その必要はありません。

 …ところで、鋼牙。
 あなたにその騎士から伝言があります」

「伝言?」

少し意味深に言うグレスに、鋼牙は怪訝そうに言った。

「ええ。
 彼の言葉をそのまま伝えます。

 『あとのことは任せておけ。おまえさんは早く麗しの姫君の元に帰ってやんな』と…」

グレスの口から聞かされた言葉に、鋼牙のよく知っているひとりの男の顔が思い浮かんだ。

「確かに…
 その男に任せておけば、自分の出番はないようです」

今度こそ本当に安心して、鋼牙はそう言った。

「あと少しすれば夜も明けます。
 この後は、ホラーの出現する心配もないでしょう。
 それに、祭を楽しんだ騎士たちもすでにそれぞれの持ち場に戻っている頃です。
 もうあなたたちふたりだけで闘う必要はありません。
 今宵はよく闘ってくれました…」

母のような慈愛に満ちた声でグレスは言った。

「それでは、屋敷に戻ります」

「はい。ゆっくり休んでください」

その会話を最後に、鋼牙の胸の飾りから白い光がすうっと消えていった。



to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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