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きんのまなざし ぎんのささやき

memories not to forget(5)

着地点はどこ~っ?
返事して~っ! (ムリッ!)

長らくお付き合いいただいた方(何人くらいいるのかなぁ?)、
お待たせしました。

お気に召すかどうか…
しかとお確かめくださいませ。




:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

カオルは静かに答えた。

「あたしの記憶を封じようとしたって、ゴンザさんが…
 でも、詳しいことは鋼牙から聞くようにって…」

「…」

「でもね…
 あたし考えたの。
 鋼牙はあたしのためを思ってそうしたんだろうなって…
 鋼牙はそういう人だから…

 だから、もういいの。
 なんにも言わなくて…」

カオルはそういうと、静かに優しく鋼牙に笑いかけた。

鋼牙はたまらなくなって、カオルを思わず抱き締めた。
カオルの髪に顔をうずめ、きつく抱いた。

「鋼牙…」

しばらくそうした後、抱いていた腕をゆるめると、カオルの眼を見ながら
言った。

「カオル…
 魔戒騎士が近くにいることで、これから先、お前に危難が降りかかる
 かもしれない。
 普通の人間は、魔戒騎士やホラーの存在なんか知らないほうが
 幸せなんだ。

 たとえ記憶を消せなくても、俺やザルバたちとの関係を絶って生きていく
 ことだってできる。
 お前がそうしたいと言うなら、俺は止めるつもりはない。

 だが…」

ここで、鋼牙は視線を外して言った。

「もし、お前がこれからも俺たちの傍(そば)にいたいというのなら…
 俺はどんなことをしてでもお前を守ってみせる。

 …俺が言いたいのはそれだけだ。」

最後には、いつもの鋼牙らしい素っ気ない口調だった。
だが、カオルには鋼牙の気持ちが十分伝わっていた。
鋼牙の熱い想いに、胸がいっぱいになった。
鼻の奥がツンと痛くなったのを感じ、カオルは慌てて冗談っぽく言った。

「あぁ~、なんだか今頃になって記憶が曖昧(あいまい)になってきたみたい。
 あなたは誰? ここはどこ? な~んてねっ」

鋼牙はまじまじとカオルを見返し、すぐにきっぱりと言った。

「俺は冴島鋼牙。
 牙狼の称号を継承する魔戒騎士であり… お前を守りし者だ。」

ひどく驚いたカオルは、その瞳から堪え切れなくなった涙が溢れだすのを
止められずにいた。

(ありがとう、鋼牙。
 あたし、あなたと出会えてよかった…)



fin
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

おまけ(蛇足かも)


翌日、鋼牙はまたもや「連れて行きたい場所がある」とカオルを誘った。
カオルは昨日の出来事を思い出しながら、冗談めかして
「いいわよ。どこにでもお供するわ。」と笑って答えた。

その日、鋼牙がカオルを連れて行ったのは、カオルの描いた絵、
「Sleeping elderly woman」にとてもよく似た場所だった。

(ここは、鋼牙の生まれ育った場所…
 なぜ、ここに連れてきてくれたの?)

鋼牙は何も言わなかった。
ただ、黙ってカオルの肩を抱き寄せた。
カオルにとっては、それだけで十分だった。



カオルが満たされた気持ちで、鋼牙とともに屋敷に戻ってみると、リビングの
片隅に写真館のようなセットが組まれていた。
驚くカオルを余所(よそ)に、鋼牙は平然としている。
鋼牙にとっては、すでに承知のことだったらしい。

「ささっ、カオル様。
 用意はよろしいですか?」

ゴンザがにこやかに話しかける。

「これ… なんなの?」

「昨日は、家族旅行のよう、とおっしゃっていましたが、散々なことに
 なってしまいましたので…
 そこで、本日は気分を改めまして、”家族写真” などいかがかと
 思いまして。
 鋼牙様にもお許しいただき、ゴンザが手配しておいたのですよ。」

「えっ…」

カオルはこのとき初めて思い知った。
ゴンザはゴンザなりにカオルのことで心を痛めていたことを。
そして、カオルがここにいることを、誰にも負けないくらい、とても
喜んでくれていることを。

(あたしや鋼牙だけが悩んだり苦しんだりしていたんじゃないんだ…)

「…ありがとう、ゴンザさん。
 あたし、ちょっと着替えてくるね。」

カオルは、こぼれそうな涙を見せたくなくて、自分の部屋へと駆けて
いった。



こうして撮影された、家族じゃないけど家族以上の ”家族写真”。
それは、鋼牙の決意、カオルの信頼、ゴンザの愛情を象徴するものとして、
冴島家にはなくてはならない、大切な ”記憶” のひとつとなった。

memories not to forget
”忘れたくない記憶” が冴島家にまたひとつ増えた。



fin
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勢いに任せて、怒涛の5日間を送ってしまいました。 
推敲も満足にしてないようなものにお付き合いいただき、ありがとう
ございました。

前々から、

「なんで鋼牙はカオルの記憶を封じないのか?」

と不思議に思っていたので、それをテーマに妄想しました。
すると、

「なんでいきなり、あの絵の場所に二人で行ったんだ?」

とか

「何気にラブラブなのはなぜ?」

とか

「いつの間に、あの(3人が写っている)写真を撮ったんだ?」

とか、それはもう疑問の嵐、そして妄想の嵐…(苦笑)

うまくつながっているかどうか、わかりませんが(そんなことで
いいのか?)、少しでも楽しんでいただければ本望ですっ

じ・つ・は、「おまけ」の前(本編の終わり)で、まさか裏に突入するんじゃ? と、
ひとりでドキドキしていたのですが。
そんな誘惑を断ち切るため、ブチ切りしたっていうのは、ココだけのは・な・し(苦笑)
やはり、TVシリーズ第1弾は ”寸止め” がテーマですので… ねっ?
(っていうか、selfishには、まだ無理なんですう~ 涙 涙 涙)

とにもかくにも、読了された方、お疲れっした~

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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