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きんのまなざし ぎんのささやき

once again(2)

ケツを叩かれました。
愛を感じました。
決断しました。


鋼牙が鋼牙であってくれるか?
カオルがカオルであってくれるか?

そろそろ、パスワードを考えねばならぬのか?
あるいは、いっそ、すっぱりとその部分をぶった切るか?

決断したはずなのに、揺れる、揺れる…



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

鋼牙は手早く食事を済ませ、部屋に戻ると、自室のバスルームで熱い
シャワーを浴びた。

ホラーの邪気が染み込んだ身体…
それに対して感じる嫌悪感は、昨晩よりは幾分か薄らいでいたが、
代わりにカオルに対する男としての熱情を抑えきれないくらいに
感じていた。
それを閉じ込めようと、最後に冷たい水を浴びてみたが、どれだけの
効果があったかは解らなかった。

バスルームから出ると、濡れた髪をごしごし乱暴に拭きながら、何気なく
窓辺に移動し、窓の外を見る。
星はまだ見えなかったが、月がうっすらと顔を覗かせていた。

(カオルは俺を見損なっただろうか…)

ベッドの端に座り、足元の床を見つめる。

(だが、どうしようもない…)

カオルの身を考えれば、あぁ言うのが一番だったのだ、と鋼牙は自分を
納得させようとした。

そのままベッドに倒れこむ。
思考とは別なところで、身体は眠りを欲していた。
つい、ウトウトとした。




コンコンコン

どのくらい時間がたったのか、部屋のドアがノックされる音に、はっと起き、
ぼんやりした意識のまま、返事をした。

「開いてるぞ」

返事をしてから、あっ と思ったが遅かった。
そこにはカオルが立っていた。

思わずベッドからがばっと半身を起こす。

「なぜ…」

その問いには答えず、カオルは一歩中に入った。

「鋼牙、これ…」

後ろ手に持っていたミネラルウォーターのペットボトルを前に差し出す。
いつも風呂上りに鋼牙が飲んでいるものだ。
だが、今はそんなものはどうでもいい。
普段は冷静に事に対応する鋼牙も、このときばかりは少し焦った。

「早く行けっ
 さもないと…」

視界からカオルの姿を消すため、鋼牙は顔を背け、目をきつく閉じた。
そんな鋼牙の姿をじっと見ていたカオルは、静かに鋼牙に近づいた。
ベッドの上に落ちているタオルを拾うと、

「まだ濡れてるじゃない…」

落ち着いた声でそう言って、鋼牙の髪を拭き始めた。
思わず、目を開け、カオルの顔を見上げる。

「ふふっ」

カオルが笑った。

「なんだ?」

「だって、あたし、鋼牙を見下ろしたことあんまりないもの…」

クスクス笑いながら鋼牙の髪を拭き続ける。
鋼牙はされるがままに任せた。

(コイツは俺の言葉の意味が解らなかったのか?
 それとも、解っておきながら来たのか?

 それよりも…  不思議だ。
 カオルといると、こいつのペースに引きずり込まれてしまう…)

これまで、他者を省みることも、他者が自分の側に踏み込むことも
許してこなかった鋼牙だったが、カオルだけが違っていた。
彼女はズカズカと鋼牙のテリトリーに侵入し、鋼牙の神経を逆撫でしまくり、
なぜかそのまま居座ってしまった。
そんなヤツは初めてだった。
そして、この先、彼女以外に現れるのは難しいだろう。

そんなことを鋼牙がつらつらと考えていると
ふいに、ピタリとカオルの手が止まった。

「鋼牙?」

「なんだ?」

すとんと、カオルがしゃがみこみ、鋼牙の顔を覗き込む。

「あたしのこと、大事?」

鋼牙は目が逃げそうになり、慌てて目を閉じ、深呼吸をしてから目を開けた。

「あぁ」

「それは、魔戒騎士として人間を守る使命があるから?」

カオルが何を聞きたいのか、鋼牙にはわかった。
だが、先走ることはせず、カオルに聞かれるまま答えることにした。

「違う」

それ以上何も言わないことに焦(じ)れて、カオルが聞いた。

「じゃあ、どんなふうに大事なの?」

カオルの頬がほんのり上気した。

「解らないか?」

答えようとしない鋼牙を、カオルは目一杯睨みつける。

「… 意地悪っ」

そんなカオルを鋼牙は愛おしそうに見ていた。



答えを言うつもりなどなかった。
だが、意識の外で、その言葉がポロリとこぼれた。

「男として…」

「えっ、何?」

しまった、と思い、わざと鋼牙は素っ気無く言った。

「そう何度も言えるか」

言葉足らずではあったが、カオルには、鋼牙の気持ちが垣間見えた。
次の瞬間、カオルは下を向いた。

「あたし…

 鋼牙に…」

それまで驚くくらいにいつもの調子で、いや、いつもよりずっと落ち着き
はらっていたカオルが、急に、もじもじと落ち着かなくなった。
何かを必死に言葉にしようとするが、高ぶる感情のため、うまく言葉に
ならない。

「なんていうか…

 その…」

強く握りしめたカオルの手がかすかに震えている。

鋼牙は察して、静かに聞いた。

「いいのか」

「…」

カオルは泣きそうな顔をあげ、口元を引き結んで、小さくコクリとうなづいた。



to be continued(3[大人限定]へ)
to be continued(6へ)
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拍手[41回]

コメント
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いいんです
答えはただ一つ「あなたが狼なら怖くない~♪」。
ええ、きっちり甲斐性見せて頂きましょうとも!!。
正座して待ってます。
心太 2012/09/21(Fri)01:19:56 編集
Re:いいんです
↑慈英さんですか?

ママンに背中を押されて、テイクオフ…
めっちゃ、ドキドキでっせ~~~

うちの鋼牙さんに「甲斐性」はある?
なんせ、臆病者なんで。

う~~~~んと難しいパスワードにして、誰にも見せないっていうのも手か! と逃げ道を模索中っす! (笑)
【2012/09/21 08:07】
いいんです2
いえ、川平氏ではもちろんなく「いいのか?」からの~。

まあ続きとしては「あなたが望むなら私何をされてもいいわ~♪」かな。「怖くない怖くないあなたとだったら何でも出来る~♪」あくまで百恵ちゃんシリーズで突き通すのでした、「愛は尊い♪」そうだからw。

ちなみに「once again」って、最後のセリフかな?どっちが言うんです?。
心太 2012/09/22(Sat)09:09:14 編集
Re:いいんです2
ふふふ、慈英さんを出さないと、こっぱずかしくて…

最後に、「once again」って台詞を言うのはですねぇ…
慈英さんですよ~  (笑)
【2012/09/22 13:30】
無題
こんにちは、悲しいかな続きが読めません,いつもの事ながらパスワードが分かりません、でも解けて読めたときの感激は、ひとしおです、6ヶ月目に解けたパスもありました,ガロのイメージがずれてるのかなかんぱります。
かなまま 2012/09/23(Sun)14:20:44 編集
Re:無題
ヒントが短すぎて、逆に難しく考えちゃってるかも…
とあることをすると「あっ」って感じで判りますよ。

牙狼のDVDをお持ちですか?
1巻のメイキングでも言ってますよ。
…あっ!
なんと鋼牙じゃない人の紹介のところでした! (汗)

まぁ、最終回はパス付きではないので、パス付の回がなくても大丈夫です。(多分)
パス付の回の部分は、かなまま様のご想像にお任せします。
それも楽しいですよ、きっと!
【2012/09/23 20:19】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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