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きんのまなざし ぎんのささやき

once again(1)

しばらくぶりです。 お元気でしたか?
(あぁ、手首やら腰やら痛めている方々がいらっしゃいましたね…
 お大事に、です)

selfish はずっと書いてましたよ~
そんでもって、自己嫌悪の海にドボン… (ブクブク…)

これ、公開していいのかどうか、3連休からず~~~っと悩んでます。
正直、今でも 「あぁ、どうしよう」 って。
でも、悩むの飽きたので、まずは一回様子見よう!

「昨日は昨日 今日は今日」の直後(カオルの膝枕で鋼牙がおねんね)からの
妄想です。

え~い、ポチっ (公開!)



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風が変わった。
先ほどまでほぼ無風だったのに、急に、ひやりと冷気を孕んだ風が
カオルの髪を撫でていった。

(雨、降りそう…
 窓、閉めなきゃ…)

カオルは膝の上の鋼牙を見た。
よく眠っている。
できるだけそっと鋼牙の頭を膝から下ろした。

「ごめん、ちょっと窓閉めてくるね」

寝ている鋼牙は気づかないかもしれないが、言葉を残しておく。
そして、立ち上がり、歩きかけて初めて気づいた。

(あれっ?
 足、感覚がない…)

膝枕のせいでカオルの足の感覚がなくなり、前に出したつもりの右足が
元の位置に根を生やしていた。
だが、上半身は足が出ているものと思い、一歩先に向かおうとしている。
そのため、カオルの上半身が大きく傾いた。

「きゃっ」

小さな小さな悲鳴をあげた。
真っ暗な中、バランスをとるため大きく両手を振るが、つかまるようなものは
見つからない。

(ダメ、倒れちゃう!)

そう思ったとき、カオルの肩のあたりを力強い腕が捕え、なんとかカオルは
倒れずにすんだ。

「びっくりしたぁ」

思わずそう呟き、支えてくれた手に触れる。

「ありがと。
 足、痺れちゃって…」

「いや…」

どうってことない、と鋼牙が続けようとしたとき、大粒の雨が窓を叩き始めた。

「やだっ 窓…」

だが、感覚が徐々に戻ってきていたカオルの足は、今は猛烈に痺れを感じ、
一歩も前に踏み出せそうもなかった。
カオルは鋼牙を振り返り、

「鋼牙、ごめん。
 足が動きそうにないの…
 代わりに窓、閉めてきてもらえないかな?」

おずおずと切り出してみる。
ふぅっと鋼牙は溜息をつくのが解った。

「解った。

 だが、先に報酬はもらうぞ」

そう闇の中から聞こえたと思うと、カオルはふわりと抱きしめられた。
唇に軽く何かが触れ、あっと思う間もなく、鋼牙の気配がリビングから
消えた。

カオルは唇に手をやり、自分の心臓の鼓動を感じていたが、激しい雨音に
現実に引き戻された。

「あっ、窓っ」

カオルは痺れた足を引きずって、リビングの窓を目指して歩き出した。

足の痺れと暗さのため、リビングにある窓を閉めるのにひどく時間がかかって
しまったが、風向きが幸いして、雨が吹き込んでくるようなことはなかった。
最後の窓を閉め終わったとき、鋼牙が戻ってきた。
カオルは、先ほどの ’報酬’ のことが頭をよぎったが、努めて、いつもの調子で
声を掛けた。

「あっ、ありがとう。
 どこも濡れてなかった?」

「…」

鋼牙は無言で入ってきた。

「えっと、あの…
 電気つけてくれないの?」

カオルの目の前で鋼牙が立ち止まったとき、稲妻が走った。
窓を背に立つカオルの目には、鋼牙の真剣な表情が見て取れた。
カオルを殺そうとでもするような射るような目をしていた。

「どうしたの?」

少し恐怖を覚えて鋼牙に尋ねてみるが、声が震えた。

「今夜はどうも番犬所からの指令がないらしい」

鋼牙は、屋敷のあちこちの窓を閉めながら、いつもならとっくに届いているはずの
指令書が、まだ届いていないことを確認していた。

「… ?」

カオルは、そのことが鋼牙の怖い顔とどう結びつくのかが解らず、ただ黙って
鋼牙の次の言葉を待った。

「今夜一晩、この屋敷にお前と二人きりだ。
 正直なところ、今の俺は精神状態がおかしなことになっている」

カオルは息を飲んだ。

「お前が、もし自分の身を大事だと思うなら、できるだけ俺の近くに来ないことだ。

 俺は今から食事を摂る。
 10分もあれば十分だ。
 それから、自分の部屋に行く。
 部屋のバスルームを使うから、朝まで部屋から出ることはない。

 いいか、今から10分だけお前は部屋にいろ。
 その後はこの屋敷のどこで何しようが構わん。
 解ったな」

また、稲妻が光った。
夜目が利く鋼牙には、先ほどからカオルの様子は見えていたが、この瞬間は
窓外の光に目が眩(くら)み、カオルが一瞬見えなくなる。
しばらく目を閉じ、暗闇に慣れてから目を開くと、カオルは戸惑った表情を
浮かべたきり立ち尽くしていた。
仕方ないな、と思いながら、鋼牙はカオルを促した。

「行けっ」

ハっとして、反射的にカオルが動き出した。
それでもリビングのドアの前で立ち止まり、鋼牙を振り返る。

「早くっ」

しぶしぶといった感じで、カオルの姿がドアの向こうに消えていった。



to be continued(2へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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