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足りないものは…(2)
あっという間に涼しくなっちゃって…
「夏に書き残したこと」を書こうと思っていたのに、もう季節外れな感じが否めなくなってきました。
うーん… ま、いっか!(開き直るのはやっ!)
さてさて、足りないものはなんでしょう?
今のところは、鋼牙さん、かな?
「夏に書き残したこと」を書こうと思っていたのに、もう季節外れな感じが否めなくなってきました。
うーん… ま、いっか!(開き直るのはやっ!)
さてさて、足りないものはなんでしょう?
今のところは、鋼牙さん、かな?
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レオを交えたティータイムは楽しかった。
魔戒騎士でもあるレオだが、’阿門法師の再来’ と呼ばれるほど魔導具の扱いに長(た)けているため、絵を描くカオルとは、作り出す物こそ違えども、想像を実物として生み出す者どおし相通じるものがあるようだ。
「…と、まあ、そんな感じのものを作ってみたんですがね」
「えー、すごいね、レオくん!」
「いやぁ、それほどでも…」
「でもでも、それってすっごく便利なんものなんだよね?」
「ええ、そうなんです!
魔戒法師のみなさんにも評価いただいてるみたいで、注文がまあそれなりに来ていて…
でも、一度には応えられないから、それが今の悩みなんですよね」
「そっかー、それは大変だなぁ。
けど、おんなじものばかり作ってると、なんか他のものにも手を出したくならない?
こんなのはどうだろう? あんなのは面白いんじゃないか、って…」
「そうなんですよ、カオルさんっ!
全然違う魔導具のアイデアとかがフッと降りてきちゃて、そっちを作りたくなっちゃったりするんですよ。わかりますか?」
「わっかるー! うんうん、わかるよ、レオくん!」
いい年をした大人がこどものように嬉々として語り合う様を、ゴンザは楽し気にニコニコと聞いていたりするのだった。
「レオくんはこの後どうするの?」
お茶の時間もそろそろ終わろうかというとき、カオルがレオにそう尋ねた。
「お時間があるようでしたら、ぜひお夕食をご一緒に…」
ゴンザもそう言い添えた。
「ありがとうございます。
鋼牙さんからの依頼の件は片付いてはいるんですが、その後の状況が気になるので、僕も鋼牙さんに合流しようかと思ってるんです。
でも、今、鋼牙さんのいる場所の近くからこちらへの魔戒道は閉じていて…
次に魔戒道が開くのは、今夜12時。
なので、それまでこちらにお邪魔していてもいいでしょうか?」
そんなレオの言葉に、カオルは期待を込めてゴンザを振り返る。
「もちろんでございますよ」
ゴンザはレオにそう言い、カオルにも
「カオルさまも本日はこちらにお泊りになられてはいかがでしょう?
久しぶりのお客様で、このゴンザも腕が鳴ります」
と誘うのだった。
「え、いいの?
じゃあ、お言葉に甘えようかな…
レオくん、ゴンザさんのごちそう、楽しみだね!」
「ええ、楽しみにしています。
では、すみませんが、よろしくお願いします」
「はいはい。お任せください!」
ゴンザが腕によりをかけた夕食はどれもおいしく、カオルもレオも終始笑顔で楽しいディナーとなった。
そんな笑顔の絶えない時間の中でも、
(鋼牙は今頃闘っているのかな…)
と、ついつい鋼牙の身を案じるカオルであったが、陰りそうになる表情を意識的に隠して、明るく努めていた。
夕食後、レオは魔導机を開いて魔導具の手入れを始めたが、ふっと時計に目をやり時刻を確認すると、おもむろに片づけだした。
短針が頂点間近で、長針もそれを追いかけるようにじわじわと近づいてきていた。
カオルもゴンザもそれとなくレオの様子を見守っていたが、すべてを仕舞い込んだ魔導机をパタンと閉じたレオが、立ち上がりながらそれを背中に背負って視線をあげた。
「レオくん、行くの?」
わかりきったことだったが、カオルはそう声を掛けた。
「はい、カオルさん。
ゴンザさんもお世話になりました」
いえいえ、と首を振るゴンザに、レオはほんの少し首を垂れる。
そして、顔をあげたレオはカオルとゴンザを交互に見た。
「鋼牙様のこと、よろしく頼みます」
「レオくん、気をつけてね」
それぞれの言葉に、はい、と大きくうなずくレオ。
「では…」
そう言って足を進めようとしたレオであったが、しわがれた老婆の声がそれを止めた。
「レオ…」
レオが左手を上げると、鋼牙のように魔導輪がその指にはめられていた。
それまでずっとダンマリだった魔導輪が口を開いたことで、その場にただならぬ緊張が走った。
「エルバ、なんです?」
問いただすレオの声も硬い。
「ザルバからの伝言を受け取ったよ…」
どうやら、レオの魔導輪であるエルバに対して、鋼牙の魔導輪であるザルバがメッセージを送ったようだ。
一般的に、魔導具どうしで会話することはほぼない。
余程優れた魔導具どうしでなければ難しいということと、優秀な魔導具はそれなりにプライドが高いということがその理由である。
なぜなら、伝えたい内容が助けを乞うようなものであった場合、他の魔導具に対してそれを伝えるのは矜持(きょうじ)が許さないのだ。
かといって、大した内容でなければわざわざ伝えるまでもない。
そんなわけで、魔導具どうしの会話は極めてレアなケースであり、レオも自然と身体に力が入った。
「ザルバはなんと?」
促すレオの声に、カオルもゴンザも息を飲んでエルバを凝視する。
すると、耳を澄ましているのか、いくばくかの沈黙が漂う。
その間、カオルの耳には自分の鼓動が強く響いているように感じられ、心なしか呼吸が苦しく感じられる。
すると、ようやくエルバの口が開く。
「…出血が多い …すぐに来てくれ」
その場にいる者すべてが息を飲む。
「これ以上は無理だね。
ノイズが多くて、それ以外の詳しいことは聞き取れやしない…
とにかく、早く、と何度も言っているよ」
エルバの言葉にレオは表情を険しくさせる。
そして、すぐさま、ふたりに声を掛けた。
「すぐに発(た)ちます。
何かあれば連絡しますが、今はとにかく鋼牙さんの元へ!」
そう言うと、レオは身をひるがえしてドアへと向かった。
それを追って、カオルとゴンザも飛びつくようにドアへと駆け寄った。
「レオくん、お願いっ!」
カオルがそう叫びながらドアから玄関のほうを見たときには、すでにレオの姿はなく、開け放たれたままのドアがゆっくりと閉まろうとしていた。
カオルは思わず胸の前で手を組んだ。
(鋼牙… 鋼牙… ああ、お願い…)
激しく動揺しながら、とにかくすがるように鋼牙の名前を心の中で何度も呼びかける。
そんなカオルの肩を温かな手が覆う。
はっとして振り返ると、ゴンザが、大丈夫ですよ、というように大きくうなずいてくれた。
そんなゴンザに、弱々しくも微笑んで、カオルもうなずき返す。
ゴンザはそれを確認すると、ゆっくりと玄関へ足を進めて、締まり切っていないドアに手を掛けてきっちりと締め、鍵を掛けた。
そんなゴンザの背中を見つめながら、カオルは胸の中で願っていた。
(ああ、鋼牙… 無事でいて…)
to be continued(3へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
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