きんのまなざし ぎんのささやき
牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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リベンジ!(2)
ガキっぽく怒る鋼牙が好きです。
(一期の「水槽」の次、「界符」の冒頭で、やり場のない怒りを込めてスケッチブックを振り下ろす鋼牙とか)
冷たく怒る鋼牙も好きです。
(一期の「遊戯」で、カオルが視聴者参加型番組への出場を誘ったときに「邪魔だ」と言い放つ鋼牙とか)
熱く怒る鋼牙も好きです。
(MAKAISENKIの「列車」で、シグマのいる先頭車両に向かう際に、号竜人に行く手を阻まれて「どけ」と怒鳴る鋼牙とか)
さて、カオルちゃんのウソ泣きにダマされて怒ってしまった鋼牙さん。
怒れる鋼牙が魅力的に書けてるといいのですが…
(一期の「水槽」の次、「界符」の冒頭で、やり場のない怒りを込めてスケッチブックを振り下ろす鋼牙とか)
冷たく怒る鋼牙も好きです。
(一期の「遊戯」で、カオルが視聴者参加型番組への出場を誘ったときに「邪魔だ」と言い放つ鋼牙とか)
熱く怒る鋼牙も好きです。
(MAKAISENKIの「列車」で、シグマのいる先頭車両に向かう際に、号竜人に行く手を阻まれて「どけ」と怒鳴る鋼牙とか)
さて、カオルちゃんのウソ泣きにダマされて怒ってしまった鋼牙さん。
怒れる鋼牙が魅力的に書けてるといいのですが…
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
腕組みした鋼牙に見下ろされて、下を向いてしまったカオルに、鋼牙はさらに固い口調で言った。
「芝居を見るのは、ゴンザとではダメなのか?
レオさえよければ、レオと行けばいいじゃないか?」
下を向いたまま、カオルは唇を噛んだ。
(あたしは、鋼牙と行きたいのっ!
ゴンザさんはともかく、レオくんって…
もし、ほんとにあたしがレオくんと行っても、鋼牙は平気ってことなの?!)
「そうだ… 零はどうだ? あいつは ’優しい’ からな。
お前が望めば、いつでも誘いに乗ってくれるだろう?」
「…」
悲しくって、腹が立って、カオルはもう何も言えずにいた。
(今日の鋼牙… なんか、ヒドイっ!)
そのとき…
足元を見ていたカオルの視線の先で、鋼牙の白いコードの裾が小刻みに揺れているのが見えた。
(んっ?)
怪訝に思って、そぉっと視線を上のほうに向けていく。
すると、腕を組んだまま、首だけ不自然に横に向けて笑いを堪(こら)えている鋼牙の姿が見えた。
(え? なに? なんで笑ってるの?)
戸惑うカオルに気付いて、鋼牙は少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
「今のは、ウソ泣きのお返しだ…」
その言葉を聞いたカオルは、自分の顔がみるみる赤くなっていくのを感じた。
「ひっど~い! あたし、本気でっ…
もぉ、やだぁ…」
そう言うと、ぷいっと横を向いた。
そんなカオルの怒った横顔をじっと見ていた鋼牙は、数拍おいてからカオルに静かに言った。
「お互い様だ。
さっき… 俺もそう思ったからな」
ハッとしてカオルは鋼牙を見た。
「ごめん… あたし、鋼牙を驚かせようとか怒らせようとか、そんなつもりは…
(あっ、ちょっとは思ったけど)
そうだよね、こっちは冗談のつもりでも、ダマされたらいい気持ちはしないよね?
…ほんと、ごめんなさい」
カオルはぺこりと頭を下げた。
「いや… こっちも少し度を越したかもしれない。
すまなかった…」
お互いに謝罪し合い、穏やかな気持ちになれたところで、自然と笑みが浮かんだ。
すると、カオルはハッと何かを思い出したような顔をした。
「ねぇ、鋼牙? ひとつ聞きたいんだけど…」
首をかしげながら尋ねるカオルの次の言葉を鋼牙は待った。
「あたし… 鋼牙じゃない他の誰かとお芝居を見に行ってもいいのかな?」
鋼牙は一瞬、答えに窮したが、すぐに質問で返した。
「お前は、俺以外の他の奴と行きたいのか?」
ひたむきなカオルの視線を受け、鋼牙も真っ直ぐにカオルを見つめていたが、やがて、カオルはクスっと笑った。
「ううん。 あたし… やっぱり、鋼牙と行きたい。
ねっ、鋼牙は?」
「俺は…」
カオルの黒目がちな潤んだ瞳に見つめられては、 「芝居など見るもんか」と頑なに思っていた鋼牙にも揺らぎが生じる。
「くだらん芝居のせいで、お前といる時間を無駄にしたくない。 だが、カオルがどうしても、と言うなら…
…まぁ、そういうことだ」
「えっ? それって…
ねぇ、いいってこと? 一緒に行ってくれるの?」
期待に溢れたまなざしで、カオルが鋼牙にぐいっと迫る。
鋼牙はふぅっと息を吐いてから、観念したように言った。
「…あぁ」
「ありがとうっ」
カオルは弾けるような笑顔を浮かべ、今にも鋼牙に飛びつこうとしていたが、
「ただし…」
鋼牙が強い口調でそれを遮った。
「今後、お前の下手な芝居はしないこと! いいな?」
鋼牙の要求に、カオルは笑顔をすっと引っ込める。
「そうだね」
鋼牙の瞳をまっすぐに見つめ、神妙な顔で言った。
「やるんだったら、もっとバレないように上手くやらないとね!」
そして、ニコッと笑ってから、鋼牙の胸の中に飛び込んだ。
「なっ… !」
鋼牙は何か言いかけたが、すぐに呆れたような表情で大きく溜め息をついた。
そして、カオルを優しく抱き締めた。
(鋼牙と一緒に芝居に行ける!)
鋼牙の腕の中で、カオルは喜びを噛みしめていた。
一方、鋼牙のほうはというと、そんなカオルとは裏腹に複雑な思いを抱いていた。
カオルのウソ泣きに対抗しようと反撃を試みたものの、結局はカオルの希望通りに芝居に行くことになってしまった、というのが理由のひとつ。
そして、もうひとつの理由、それは… 鋼牙の抱えている秘密のことだった。
胸の刻印のことを隠していることは、カオルをダマしていることに違いはなく、もし、それがバレてしまえば、カオルはひどく驚くことになるだろう。
そのときのカオルの嘆きや憤りは、今のそれとは比べようもないはずだ。
(「やるんだったら、もっとバレないように上手くやらないと…」 か…)
鋼牙はカオルの言った言葉を噛みしめ、腕の中にあるしあわせを逃さないように、ぎゅっと抱きしめた。
それでも、刻印のもたらすものとは違う、別の胸の痛みが鋼牙を襲う。
その痛みを忘れようとするように、鋼牙はカオルとの深く熱いキスに溺れることしかできなかった。
fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ごめんなさい、挫折しました!
「ダマしたな? それ、お仕置きだ~!」
と、ふたりが楽しくイチャつくことも考えたのですが、やっぱり、どうしても胸の刻印が邪魔をしてしまい、妄想が先に進みませんでした~
っていうか、このとき、外は明るいですよね?
そんな明るいうちからイチャイチャすることなんて妄想したら、selfish の妄想脳がオーバーヒートしてしまいます。
あぶない、あぶない… (笑)
さて、この妄想は 「リベンジ!」 というタイトルでもお分かりでしょうが、ダマされた鋼牙さんが、カオルちゃんをダマし返すゾ というリベンジと、JURAN のお芝居で失敗したカオルちゃんが、次のお芝居で鋼牙を楽しませるゾ というリベンジの、2つのリベンジを題材にしています。
原作「化粧」のエンディングでは、鋼牙とお芝居に行くためにお化粧するなんとも可愛らしいカオルちゃんの様子が映し出されていますので、多分、鋼牙さんは芝居を観たと思うのですが、さてさて、最後まで楽しんで観れたでしょうかね?
腕組みした鋼牙に見下ろされて、下を向いてしまったカオルに、鋼牙はさらに固い口調で言った。
「芝居を見るのは、ゴンザとではダメなのか?
レオさえよければ、レオと行けばいいじゃないか?」
下を向いたまま、カオルは唇を噛んだ。
(あたしは、鋼牙と行きたいのっ!
ゴンザさんはともかく、レオくんって…
もし、ほんとにあたしがレオくんと行っても、鋼牙は平気ってことなの?!)
「そうだ… 零はどうだ? あいつは ’優しい’ からな。
お前が望めば、いつでも誘いに乗ってくれるだろう?」
「…」
悲しくって、腹が立って、カオルはもう何も言えずにいた。
(今日の鋼牙… なんか、ヒドイっ!)
そのとき…
足元を見ていたカオルの視線の先で、鋼牙の白いコードの裾が小刻みに揺れているのが見えた。
(んっ?)
怪訝に思って、そぉっと視線を上のほうに向けていく。
すると、腕を組んだまま、首だけ不自然に横に向けて笑いを堪(こら)えている鋼牙の姿が見えた。
(え? なに? なんで笑ってるの?)
戸惑うカオルに気付いて、鋼牙は少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
「今のは、ウソ泣きのお返しだ…」
その言葉を聞いたカオルは、自分の顔がみるみる赤くなっていくのを感じた。
「ひっど~い! あたし、本気でっ…
もぉ、やだぁ…」
そう言うと、ぷいっと横を向いた。
そんなカオルの怒った横顔をじっと見ていた鋼牙は、数拍おいてからカオルに静かに言った。
「お互い様だ。
さっき… 俺もそう思ったからな」
ハッとしてカオルは鋼牙を見た。
「ごめん… あたし、鋼牙を驚かせようとか怒らせようとか、そんなつもりは…
(あっ、ちょっとは思ったけど)
そうだよね、こっちは冗談のつもりでも、ダマされたらいい気持ちはしないよね?
…ほんと、ごめんなさい」
カオルはぺこりと頭を下げた。
「いや… こっちも少し度を越したかもしれない。
すまなかった…」
お互いに謝罪し合い、穏やかな気持ちになれたところで、自然と笑みが浮かんだ。
すると、カオルはハッと何かを思い出したような顔をした。
「ねぇ、鋼牙? ひとつ聞きたいんだけど…」
首をかしげながら尋ねるカオルの次の言葉を鋼牙は待った。
「あたし… 鋼牙じゃない他の誰かとお芝居を見に行ってもいいのかな?」
鋼牙は一瞬、答えに窮したが、すぐに質問で返した。
「お前は、俺以外の他の奴と行きたいのか?」
ひたむきなカオルの視線を受け、鋼牙も真っ直ぐにカオルを見つめていたが、やがて、カオルはクスっと笑った。
「ううん。 あたし… やっぱり、鋼牙と行きたい。
ねっ、鋼牙は?」
「俺は…」
カオルの黒目がちな潤んだ瞳に見つめられては、 「芝居など見るもんか」と頑なに思っていた鋼牙にも揺らぎが生じる。
「くだらん芝居のせいで、お前といる時間を無駄にしたくない。 だが、カオルがどうしても、と言うなら…
…まぁ、そういうことだ」
「えっ? それって…
ねぇ、いいってこと? 一緒に行ってくれるの?」
期待に溢れたまなざしで、カオルが鋼牙にぐいっと迫る。
鋼牙はふぅっと息を吐いてから、観念したように言った。
「…あぁ」
「ありがとうっ」
カオルは弾けるような笑顔を浮かべ、今にも鋼牙に飛びつこうとしていたが、
「ただし…」
鋼牙が強い口調でそれを遮った。
「今後、お前の下手な芝居はしないこと! いいな?」
鋼牙の要求に、カオルは笑顔をすっと引っ込める。
「そうだね」
鋼牙の瞳をまっすぐに見つめ、神妙な顔で言った。
「やるんだったら、もっとバレないように上手くやらないとね!」
そして、ニコッと笑ってから、鋼牙の胸の中に飛び込んだ。
「なっ… !」
鋼牙は何か言いかけたが、すぐに呆れたような表情で大きく溜め息をついた。
そして、カオルを優しく抱き締めた。
(鋼牙と一緒に芝居に行ける!)
鋼牙の腕の中で、カオルは喜びを噛みしめていた。
一方、鋼牙のほうはというと、そんなカオルとは裏腹に複雑な思いを抱いていた。
カオルのウソ泣きに対抗しようと反撃を試みたものの、結局はカオルの希望通りに芝居に行くことになってしまった、というのが理由のひとつ。
そして、もうひとつの理由、それは… 鋼牙の抱えている秘密のことだった。
胸の刻印のことを隠していることは、カオルをダマしていることに違いはなく、もし、それがバレてしまえば、カオルはひどく驚くことになるだろう。
そのときのカオルの嘆きや憤りは、今のそれとは比べようもないはずだ。
(「やるんだったら、もっとバレないように上手くやらないと…」 か…)
鋼牙はカオルの言った言葉を噛みしめ、腕の中にあるしあわせを逃さないように、ぎゅっと抱きしめた。
それでも、刻印のもたらすものとは違う、別の胸の痛みが鋼牙を襲う。
その痛みを忘れようとするように、鋼牙はカオルとの深く熱いキスに溺れることしかできなかった。
fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ごめんなさい、挫折しました!
「ダマしたな? それ、お仕置きだ~!」
と、ふたりが楽しくイチャつくことも考えたのですが、やっぱり、どうしても胸の刻印が邪魔をしてしまい、妄想が先に進みませんでした~
っていうか、このとき、外は明るいですよね?
そんな明るいうちからイチャイチャすることなんて妄想したら、selfish の妄想脳がオーバーヒートしてしまいます。
あぶない、あぶない… (笑)
さて、この妄想は 「リベンジ!」 というタイトルでもお分かりでしょうが、ダマされた鋼牙さんが、カオルちゃんをダマし返すゾ というリベンジと、JURAN のお芝居で失敗したカオルちゃんが、次のお芝居で鋼牙を楽しませるゾ というリベンジの、2つのリベンジを題材にしています。
原作「化粧」のエンディングでは、鋼牙とお芝居に行くためにお化粧するなんとも可愛らしいカオルちゃんの様子が映し出されていますので、多分、鋼牙さんは芝居を観たと思うのですが、さてさて、最後まで楽しんで観れたでしょうかね?
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
ご覧になるにあたって
年代別もくじ
カテゴリー別
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[07/30]
[07/09]
[07/02]
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