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きんのまなざし ぎんのささやき

君ヲ想フ(3)

中身は子どもの鋼牙さん。
お風呂で自分の身体を眺めて、いったい何を思うんだろ?

まぁ、そこのところは割愛して… えっ? ダメですか?
でも、やっぱり、割愛します… (苦笑)

何も考えずに(考えろよ~っ!)つらつらと書いていると、なんだか全然
終わりそうにないです…
いいのかな~ こんな調子で書いてて… 



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ゴンザが鋼牙の様子を見にリビングを出ていき、後に残されたカオルがザルバに尋ねる。

「ねぇ?
 鋼牙がお父さんを亡くしたときって、どんな状態だったの?」

興味本位で聞いているつもりは、カオルにはなかった。
それを知ることが、今の鋼牙のためにカオルができることのヒントになると思っていた。

『俺も後からゴンザから聞いた話なんだが…

 まずは、笑わなくなったそうだ』

カオルは、何かを堪(こら)えるように、口を真一文字に結んで聞いていた。

『それから、突然、泣き出すことがあったそうだ。
 ただし、感情が爆発してわんわん泣く… っていうんじゃなくて、涙が勝手に
 ポロポロ流れ落ちる… そんな泣き方だったそうだ。

 恐らく、感情というものを押し殺そうとする意識が働いていたんだろうな。
 それなのに、身体は勝手に涙を流す…

 10歳にもならない子どもにとっては、親が自分を庇って目の前で殺される
 なんてことは、それほど衝撃的な出来事だったんだろうぜ』

カオルは胸が張り裂けそうな感覚を覚えた。

『あとは… 生傷が絶えなくなったらしい。
 自分をいじめるような無茶もゴンザの見えないところで相当していてらしいぞ』

(あぁ…
 ゴンザさんは、そんな鋼牙の姿を胸の張り裂けそうな想いでずっと見守ってたん
 だろうな。
 だから、今の鋼牙がそんな精神状態に戻っていると聞いて、あんなに慌てて
 様子を見に行ったんだ…)

カオルは、眉根をひそませ、沈痛な面持ちで目を閉じた。
そんなカオルに、ザルバは切り出した。

『ところで、カオル?
 お前… 気づいているとは思うんだが…』

カオルははっと目を開け、ザルバに聞いた。

「なんのこと?」

『今の鋼牙の中身は、完全に子どもだ。
 つまり、お前に関する記憶は、これっぽっちも無いんだ。
 だから、鋼牙はお前のことを見知らぬ他人だと思っている。
 そのことはちゃんと理解しておけよ。
 そうでないと、鋼牙の反応に、お前が傷つくと思うからな』

そう言われて、カオルは漠然と感じていたことを改めて意識した。

「そうだよね…」

さらに考え込むカオルの様子を見て、ザルバは取り成すように言った。

『なぁに、大丈夫だ、カオル。

 シーレーンの術は人間をおいしく喰うためのもので、そんなに持続性のある
 強烈な術ではないはずだからな!

 そんなのは、ほんのしばらくの間だけだから、我慢しろよ?
 明日の今頃は、鋼牙もちゃんと元に戻っているだろうぜ』

そうは言ってから、ザルバは少しだけ愚痴っぽく呟いた。

『早く戻ってくれないと、こっちも困るんだよ…
 精神状態が不安定じゃ、ソウルメタルを操ることはできないからな。
 この俺様を嵌めることすら、今の鋼牙には難しいんだから、困ったもんだぜ…』

それを聞いて、カオルは心配そうに尋ねた。

「そんな状態じゃ、指令をこなすことなんてできっこないわよね?」

『あぁ、そうだな。
 俺から番犬所のほうには話をつけといたから、鋼牙の状態が戻るまでは
 指令が来ることはないだろう。

 その点は安心なんだが、指令を受けられない魔戒騎士なんて、当の鋼牙本人は
 きっと一番許せないはずだろう?

 鋼牙のためにも、少しでも早く術が解けてほしいもんだぜ…』



そんな話をしているところへ、風呂から上がったらしい鋼牙と、様子を
見に行っていたゴンザが一緒にリビングに入ってきた。

『お~、ボウズ。
 風呂は気持ちよかっただろ?
 もう寝てもいいぞ!』

ザルバがそんなふうに鋼牙に声をかけた。
すると、鋼牙は、カオルのほうを気にしながらも、少しむっとした調子で
ザルバにつっかかった。

「俺はボウズじゃない!」

『はっはっは…
 そういうところがガキなんだよ。

 まぁ、いい。
 ゆっくりおねんねしろよ!』

「ふん!
 ゴンザ、俺の部屋はどこだ? 教えてくれ!」

ガキ扱いするザルバが面白くないらしく、不機嫌そうにゴンザを促すと、鋼牙は
さっさとリビングを出ていった。

「あっ、はいはい。
 それでは…」

ゴンザは慌ててザルバとカオルのほうに軽くお辞儀をしてから、鋼牙を追って
いった。
2人の消えた戸口を見ながら、くすっと笑ってカオルが言った。

「ゴンザさん、なんだか少し嬉しそうだったね?」

『そうだな。
 ナリは大人でも、中身がガキの頃の鋼牙だからな。
 ゴンザも頼られて嬉しいんだろうぜ』

それを聞いて、ようやく、カオルはほんの少しだけ救われたような気がした。


to be continued(4へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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