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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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君ヲ想フ(7)

「君ヲ想フ」は、なんだか長くなってきてますが、飽きてませんか?
段々、逆コナンくん状態の鋼牙にも慣れてきましたか?

  少年とは言えペラペラ喋らないように、
  でも、口調には少年らしさを、
  ただし、やり過ぎないように、

呪文のように唱えながらがんばって書いてきたわけですが、そんな鋼牙と
カオルとの時間が、あとどのくらい残されているのか…

…誰か教えて? (苦笑)



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

翌朝、鋼牙の部屋で目が覚めたカオルは、慌ててガバっと身体を起こした。
隣に寝ていたはずの鋼牙がいない。

(鋼牙…)

すでにシーレーンの術が解けて、元の鋼牙に戻っているのか、あるいは
まだ戻っていないのか…
思いを馳せてみたところで解るはずもなく、カオルは慌てて自室に戻り、
身支度を整えるとリビングへと急いだ。
慌ただしく階段を降りてリビングのドアを勢いよく開けると、ダイニング
テーブルについている鋼牙が朝食を食べ始めたところだった。
給仕していたゴンザが、まず挨拶をした。

「あっ、カオル様…
 おはようございます」

鋼牙もカオルを見ると、ベーコンに入れようとしていたナイフを止めて、
挨拶をした。

「おはよう」

だが、その一言だけでは、鋼牙が元に戻っているのかどうかわからない。

「おはよう…」

挨拶を返しつつ、鋼牙の様子を注意深く観察する。
ナイフを持つ鋼牙の手で視線が止まる。

「鋼牙?
 その手の絆創膏、換えた方がいいんじゃない?」

そう言われて、鋼牙は自分の拳に視線を落とし、剥がれかけている
絆創膏を見た。
カオルの言葉に、ゴンザも合わせるように言った。

「わたくしも先程そう申し上げたのですが…」

カオルとゴンザが注目する中、鋼牙は少しだけ思案顔だったが、やがて
カオルとゴンザを交互に見てから言った。

「じゃあ、そうするよ…」

一言そう返事をすると、鋼牙はすぐに目の前のベーコンと格闘し始めた。

(鋼牙は、まだ、元に戻ってないんだ!)

鋼牙の様子に少しだけほっとしている自分がいたが、カオルはそのことに
気付いてはいなかった。

「それでは、絆創膏のほうはお食事が終わってからにしましょうね。

 今、カオル様のお食事をお持ちします」

ゴンザは、鋼牙とカオルにそれぞれ声をかけてから、リビングを出ていった。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

朝食を食べ終わると、さっそく、拳の絆創膏を貼り換えることにする。

「ねぇ?
 ゴンザさんの用意するお薬のほうがいいんじゃない?」

カオルはそう勧めたが、

「これでいい…」

と鋼牙は絆創膏を望んだ。
カオルはゴンザと顔を見合わせたが、ゴンザは軽くうなずいて、鋼牙の
望むようにしてくれ、という意思を伝えた。

昨夜とは違って消毒だけはしたが、その後は昨夜と同じように何枚もの
絆創膏をペタペタと貼りつけた。

「はい、出来たよ!」

カオルが鋼牙の顔を覗き込むと、鋼牙はその出来栄えを見て、

「下手くそ…」

と呟き、わざとカオルを怒らせた。

「何ぃ!
 じゃ、剥がしてあげるわよっ!」

鋼牙は、ニッと悪戯っ子のような笑いを浮かべて、カオルから逃げた。
それを合図に、リビングを所せましと駆け回る追いかけっこが始まり、
ゴンザはその様子を呆れながらも楽しそうに見守った。

程なくして、カオルは追いかけるのを諦め、手近な椅子にドンと座った。

「ハァ~ やめやめ…
 捕まりっこないもん…」

そんなカオルに、鋼牙は言った。

「カオルは… 絵を描くんだろ?」

「そうだよ」

「あの絵もカオルが描いたんだって?」

鋼牙はマントルピースの上の絵を見ながら言った。

「うん…

 あの絵、どうかな?
 気にいった?」

鋼牙はうなずいてから、カオルに言った。

「好きだよ。
 この場所、俺の知っている場所によく似てる…」

「そっか…」

カオルは嬉しいような寂しいような複雑な感情を覚えた。

「カオルの描いた絵、もっと見てみたい…」

真っ直ぐにカオルを見て鋼牙は言った。

「…うん、いいよ!」

カオルがOKしてくれて、鋼牙は嬉しさを顔に出した。


カオルは鋼牙を部屋に招き入れ、自分の描いた油彩やデッサンなどを
次々と鋼牙に見せた。
絵のことは何も判らない鋼牙だったが、それでも「これ、好きだ…」とか
「なんか変なの」とか、感じたままを呟いた。
その鋼牙の素直な反応に、カオルも、「ありがと」とか「そうかなぁ」と
思ったまま素直に返事をしていた。

ふたりは時が経つのも忘れて、言葉を交わし、視線を交わし、笑顔を
交わし合った。

何の遠慮もないようなその光景は、ふたりがまるで家族のような…
例えていうなら、姉と弟のような… そんな光景のように思えた。


to be continued(8へ)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::



2013/06/09 追記:
是空様から、こんな素敵なプレゼントをいただきました!




もうね、言葉も出ない…
素敵でしょ?

「もし俺が明日も消えなかったら
 また絆創膏を貼ってくれるかもしれない。」

(しくしくしく… 泣いちゃう!)

鋼牙さんのビジュアルに子供っぽい表情、そして、子供っぽい台詞なんて
絶対、絶対、違和感ありありだよぉ~ と思っていたのですが…
このプレゼントに、萌えました!

こんなイイ話、あたし、書いたっけ?
(いやいや、書いてない、書いてない…)

これはもう是空様のお力(ちから)あればこそ。
是空様の妄想フィルターを通したら、キュンキュン度数が大幅にアップです!

是空様、ほんと~~~にありがとうございました!!


拍手[34回]

コメント
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無題
こんばんは、またしても、いや本当は、この時間を狙っていました、いつも夜遅く、続きをアップされていますので、今か今かと、待っていました、感激です、鋼牙夢見ないですんでよかったです。カオルが傍にいたからかな、姉弟の二人をもっとみたいような、術のとけた鋼牙の反応とカオルの反応をどきどきしてまっています、
かなまま 2013/01/27(Sun)23:58:29 編集
Re:無題
’目標は23時に公開!’ といつも思っているんですけど、モタモタしちゃうんですよぉ~
勝手気ままな妄想を、こうして待っていてくださる方がいるなんて、ちょ~感激です!

今後の展開はですねぇ~

あはは… ちょっと待ってくださいね。
なんぶん、妄想脳の働き次第なんで…
【2013/01/28 12:37】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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