忍者ブログ

きんのまなざし ぎんのささやき

君ヲ想フ(6)

少年のような鋼牙と一緒に絵本を読むカオルちゃん。
MAKAISENKI の「盟友」を見て、もう一度、そんなシチュエーションを
妄想して書いてみたいな~ と思っていたのですが、実際に書いてみたら、
なんだか実にあっけなかった…
おのれの力量不足をまざまざと知った selfish でした… orz

そして…
どんどん、大人鋼牙から乖離していく少年鋼牙の台詞!
できるだけ言葉は選んでいるつもりなのですが、やっぱり違和感あるかも?

みなさ~ん、その違和感と闘いながら、お付き合いいただけると嬉しいなぁ~




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

鋼牙はそろそろ眠たそうだった。

「眠くなってきた? もう寝てもいいんだよ?」

カオルはそう声をかけて、顔を覗き込んだ。

「大丈夫… それより、何か話して?」

「話すの? …急にそんなことを言われてもなぁ…」

カオルは中空を見つめながら思案してみた。

「何でもいいから… 好きなものとか、嫌いなものとか…?」

「あたしの好きなもの? う~ん…」

一番最初に思いついたものがあったが、それは胸に留(とど)めておき、
カオルはその他に思いついたものを口に出してみた。

「えっとね、あたし、ゴンザさんの作ってくれるお料理が好きだなぁ…
 と~っても、おいしいよね?

 もちろん、ゴンザさんのことも好きだよぉ。
 優しくって、でも間違っていたらきちんと怒ってくれるでしょ?
 あたしのことをちゃんと思ってくれてるから怒ってるんだ って
 解るから、怒られても嬉しくなるの…
 あたし、そんなふうにしてくれる人には弱いのよね。


 あっ、それからね、絵を描くことも好きだよ。
 あたしのお父さんは画家だったんだけど、あたしもね、画家に
 なりたいの。

 イタリアに留学したんだけど… あっ、イタリアって知ってる?
 一度は留学したいな~ って、ずっと思ってて…
 だけど、実際に行くには、なかなか踏ん切りがつかなくって…

 そんなときに、鋼…(あっ) 牙狼と出会ったんだ。
 ボロボロになりながら、必死に闘っている牙狼の姿を見て、

   あぁ、助けてもらった命を大事にしなきゃいけないな

 って思ったし、

   牙狼に恥ずかしくないくらい、今やれることを一生懸命やらなきゃ

 って思ったんだよ。


 留学している間もね、寂しくって帰りたくなった日もあったけど、

   今頃、鋼牙も頑張ってるんだろうな

 ってそう思いながら必死に勉強したよ。


 いろんな意味で、鋼牙がいなかったら、今のあたしはいなかったと思う…

 …あっ、間違えちゃった!
 ’鋼牙’ じゃなくって、 ’牙狼’ ね」

カオルが慌てて訂正しながら、鋼牙のほうを振り向いた。

(あっ…)

そこには、すやすやと眠る鋼牙がいた。
カオルはおずおずと手を伸ばし、そっと鋼牙の髪を漉(す)いた。
自然と穏やかな気持ちになり、優しい笑みが溢れる。

(おやすみ… 鋼牙)

しばらく、鋼牙の無防備な寝顔を眺めてから、カオルは、そっとベッドを
抜け出した。
時折、軋(きし)む床にヒヤヒヤしながらも、ドアのところまで歩き、
そして、ドアノブに手をかけた。

「…カオル…?」

後ろから聞こえてきた声にカオルは驚き、振り返った。

少しだけ身体を起こし、眠そうな目をこすりながらこちらを見る鋼牙と
目が合った。

「どこ行くの?」

鋼牙の問いには、人恋しさが見え隠れしていた。

「あたしがいたら鋼牙はゆっくり眠れないんじゃないかと思って…」

淡いスタンドの光の中、鋼牙の顔が悲しげに歪んだ。

「… いてほしいんだ」

「えっ?」

鋼牙の救いを求めるような言葉に、カオルは胸を突かれたように思った。

「また… あの夢を見そうな気がするから…」

(夢…?)

今の鋼牙は、父である大河を失くして、人生の中で一番、
  寂しくって、
    悔しくって、
      怖くって、
        情けなくって、
…そして、そんな自分が何よりも厭(いと)わしかった。

大河がどういう状況で命を落としたのか、カオルには知る由(よし)も
なかったが、幼い鋼牙の眼の前で亡くなったらしいことは知っていた。
だから、鋼牙が見る ’あの夢’ の内容は、カオルにもなんとなく想像が
ついた。

「それじゃ、あたし… いたほうがいいかな?」

できるだけ明るい声で、カオルは聞いてみた。

鋼牙はすぐに「うん!」と返事をしようとして、その言葉を飲み込んだ。
それから、ちょっとだけ考えてから、遠回しな表現を使った。

「カオルが嫌じゃなければ…」

カオルはくすっと笑ってから返事をした。

「嫌じゃないよ」

その瞬間、鋼牙に笑みがこぼれた。

カオルは、再びベッドへ… 鋼牙の隣へと潜りこんだが、そうすることに、
もう気恥ずかしさを感じなかった。
目の前にいる鋼牙は、カオルの知る鋼牙とはまったく別人の少年…
カオルの中で、そんなふうな認識がすでに浸透し始めていたのだ。

カオルがベッドに戻ると、安心したのか、鋼牙はすぐに目を閉じた。
鋼牙の規則正しい呼吸が、安心しきっている証拠のように思えた。

(悪い夢なんて見ないで、ゆっくり眠れるといいね…)

鋼牙の寝顔を眺めるうちに、カオルもゆっくりと眠りに落ちていった。


to be continued(7へ)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::



拍手[24回]

コメント
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
無題
こんばん、第6話有り難うございます。カオルちゃん鋼牙とふぉんあか、いい感じ、子どもで大人の鋼牙にも違和感無くなってきていますね。鋼牙もカオルに近親感を抱いて心をゆるしています、今夜悪い夢どうなるのかな。。。selfish
様も大変な災難でいたね、犯人が見つかりなによりです、携帯新しいのを買いましたdokomoショプから警察等に連絡してもらいました。楽天家でして新しい携帯に変えられたラッキーとおもうようにしております、中のデイターは・・・。家族にコピーを取るよに言われました、みんなしてるよ、お母さんだけだドジこれは、ショク、何事も絶対ということはないので、転ばぬ先杖この歳になってつくずくおもいました。
かなまま 2013/01/27(Sun)23:46:06 編集
Re:無題
鋼牙に違和感がなくなってきましたか?
selfish の術(妄想)に囚われてしまいましたね。
ご愁傷様です… (なんてね?)

携帯のデータコピーをしてないのは、かなまま様だけじゃありません!
selfish もです! (エヘン!)
新しい携帯は、ちょうど欲しかったトコなんですよね? ねっ?
強がりなんかじゃありませんよ… ほんとに欲しかったんです!
【2013/01/28 12:31】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



tomy 様[07/27]
麗羽 様[08/23]
夕月 様[12/22]
夕月 様[07/15]
夕月 様[07/14]
こちらから selfish 宛にメールが送れます。
(メールアドレス欄は入力しなくてもOK!)

こちらからゲームが楽しめます!
(もちろん無料!)



脳が飛び出す回転パズル くるポト
PR
忍者ブログ [PR]
Template by repe