きんのまなざし ぎんのささやき
牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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ひとりじゃない(2)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
屋敷に戻ると、鋼牙は熱いシャワーを浴び、軽い食事と2~3時間の
仮眠を摂っただけで、すぐに管轄の見回りに出かけて行った。
ただし、夕方の早い時間には屋敷に戻って再び仮眠を摂り、夜の仕事に
備えて体力を回復させた。
だが、この日、番犬所からの指令はなかった。
昨夜、番犬所は罠と知りつつ鋼牙をハメるような指令を出した。
この件に番犬所が絡んでいるのは疑いようもない。
それは、モロクを封印した短剣が、あの父親の手に渡っていたことからも
明白だ。
そして、鋼牙が番犬所に強い不信感を持っていることも、番犬所は十分
承知だろう。
もし、ホラーが出現したとしても、今日のところは、鋼牙ではない他の騎士に
指令が回されることになるだろう。
鋼牙は夕食を終えると、指令が来そうにもないことから、ゴンザにこう
言った。
「ゴンザ、今日はもう休め。
お前も昨晩はよく休めなかっただろうから…
明日の朝もゆっくりでいい。
近いうちに、また慌しくなりそうだから、休めるのは今のうちだけだ。」
「わかりました、鋼牙様。
鋼牙様も、今晩はゆっくりお身体をお休めくださいませ。」
ゴンザは、番犬所の件で鋼牙がまもなく動くのだと察知したうえで、
その言葉に従うことにした。
(それにしても、私の身体を気遣うとは…
鋼牙様もずいぶん変わられた…)
ゴンザは、人間としての鋼牙の成長をまざまざと感じ、ひとり目頭を
熱くした。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
夜も更け、鋼牙は自室に戻ったが、夕方に仮眠を摂ったためすぐには
眠れそうになかった。
それならばと、書斎から本を何冊か持ってくるつもりで階下へと下りた。
リビングのドアを開けると、真っ暗な中にいた人影がビクリと動いた。
「カオルか?」
「…鋼牙?
あ~、びっくりした~」
「何してるんだ、こんな暗い中で。」
「へへへ~っ、お月見してたんだぁ。
だって、あたしの部屋からじゃ、窓から身を乗り出さないと見えないん
だもん。
飲みながらそんな格好してると、落ちそうじゃない?」
「なんだ、飲んでるのか?」
「うふっ。
ゴンザさんから梅酒を分けてもらっちゃったの…」
そう言うと、窓の外に眼を移す。
「お月さま、きれいなんだよぉ~
鋼牙もこっち来て、見るといいよぉ~」
鋼牙は言われるまま、カオルに近づき、カオルの目線に合わせるようにして、
月を探した。
カオルからは、シャンプーの香りと梅酒の甘酸っぱい香りとが溶けあった、
なんともいい香りがした。
「いい月だ。
月を眺めるなど、これまでしたことがあったか…?」
「え~っ、そうなの?」
カオルが鋼牙を振り返った。
鋼牙があまりに近くにいてドキドキした。
そんなカオルを余所(よそ)に、鋼牙は、
「俺も飲むかな。」
と呟き、カオルから離れてキッチンに向かった。
(あ~っ、びっくりした。)
カオルは梅酒のせいだけでない火照った顔を、パタパタと手で仰いだ。
程なくして鋼牙が戻ってきた。
カオルは何気ないふうを装い、
「あっ、きたきた。
かんぱ~いっ!」
とグラスを合わせた。
「鋼牙と飲むなんて、初めてだね?」
「あぁ、そうだな。」
「…」
「…」
ところが、それきり会話が進まなかった。
to be continued(3へ)
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屋敷に戻ると、鋼牙は熱いシャワーを浴び、軽い食事と2~3時間の
仮眠を摂っただけで、すぐに管轄の見回りに出かけて行った。
ただし、夕方の早い時間には屋敷に戻って再び仮眠を摂り、夜の仕事に
備えて体力を回復させた。
だが、この日、番犬所からの指令はなかった。
昨夜、番犬所は罠と知りつつ鋼牙をハメるような指令を出した。
この件に番犬所が絡んでいるのは疑いようもない。
それは、モロクを封印した短剣が、あの父親の手に渡っていたことからも
明白だ。
そして、鋼牙が番犬所に強い不信感を持っていることも、番犬所は十分
承知だろう。
もし、ホラーが出現したとしても、今日のところは、鋼牙ではない他の騎士に
指令が回されることになるだろう。
鋼牙は夕食を終えると、指令が来そうにもないことから、ゴンザにこう
言った。
「ゴンザ、今日はもう休め。
お前も昨晩はよく休めなかっただろうから…
明日の朝もゆっくりでいい。
近いうちに、また慌しくなりそうだから、休めるのは今のうちだけだ。」
「わかりました、鋼牙様。
鋼牙様も、今晩はゆっくりお身体をお休めくださいませ。」
ゴンザは、番犬所の件で鋼牙がまもなく動くのだと察知したうえで、
その言葉に従うことにした。
(それにしても、私の身体を気遣うとは…
鋼牙様もずいぶん変わられた…)
ゴンザは、人間としての鋼牙の成長をまざまざと感じ、ひとり目頭を
熱くした。
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夜も更け、鋼牙は自室に戻ったが、夕方に仮眠を摂ったためすぐには
眠れそうになかった。
それならばと、書斎から本を何冊か持ってくるつもりで階下へと下りた。
リビングのドアを開けると、真っ暗な中にいた人影がビクリと動いた。
「カオルか?」
「…鋼牙?
あ~、びっくりした~」
「何してるんだ、こんな暗い中で。」
「へへへ~っ、お月見してたんだぁ。
だって、あたしの部屋からじゃ、窓から身を乗り出さないと見えないん
だもん。
飲みながらそんな格好してると、落ちそうじゃない?」
「なんだ、飲んでるのか?」
「うふっ。
ゴンザさんから梅酒を分けてもらっちゃったの…」
そう言うと、窓の外に眼を移す。
「お月さま、きれいなんだよぉ~
鋼牙もこっち来て、見るといいよぉ~」
鋼牙は言われるまま、カオルに近づき、カオルの目線に合わせるようにして、
月を探した。
カオルからは、シャンプーの香りと梅酒の甘酸っぱい香りとが溶けあった、
なんともいい香りがした。
「いい月だ。
月を眺めるなど、これまでしたことがあったか…?」
「え~っ、そうなの?」
カオルが鋼牙を振り返った。
鋼牙があまりに近くにいてドキドキした。
そんなカオルを余所(よそ)に、鋼牙は、
「俺も飲むかな。」
と呟き、カオルから離れてキッチンに向かった。
(あ~っ、びっくりした。)
カオルは梅酒のせいだけでない火照った顔を、パタパタと手で仰いだ。
程なくして鋼牙が戻ってきた。
カオルは何気ないふうを装い、
「あっ、きたきた。
かんぱ~いっ!」
とグラスを合わせた。
「鋼牙と飲むなんて、初めてだね?」
「あぁ、そうだな。」
「…」
「…」
ところが、それきり会話が進まなかった。
to be continued(3へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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