きんのまなざし　ぎんのささやき

へんしん…　仮面ラ○ダーではないです。

この妄想は、「lettera d'amore」の「おまけ」にしようと思ったのですが、
1回では収まらなかったので、別物のタイトルをつけました。
まぁ、ありきたりです。
でも、喜んでいただけるといいなぁ～

（「ら・ら・ら」待ちで、誰も来ないかなぁ？）

[22回]

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カオルが午後からの講義に向かうため、アパートを出ようとしたとき、
小包を届けに来た郵便配達人とちょうど鉢合わせた。

（誰からだろう？）

一応そう思いながらも、カオルに荷物を届けてくれそうな人は限られている
ことも事実だ。
イタリア後でのやりとりの後、小包を無事に受け取ることができ、ほっとしながら
差出人を確認する。

（あ～、やっぱり！）

そこには几帳面で美しい文字が並んでいた。
カオルは、すぐにも開封したい気持ちでいっぱいだったが、講義の時間も
迫っていた。
ちょっと悩んでから、その小包を机の上に置き、

「すぐに帰るから！」

誰もいないのにそう叫ぶと、慌しく部屋を出て行った。

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講義を終え、アパートに急いで帰ったカオルは、例の小包と対面していた。

（ゴンザさん、何を送ってくれたんだろう？）

ワクワクしながら厳重に包装された小包を開けていく。
すると、赤と緑の包装紙できれいにラッピングされた箱と、カードが出てきた。
カードから読むか、箱を開けるか…
カオルはカードのほうに手を伸ばした。



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カオル様

メリークリスマス！
素敵なクリスマスカードをありがとうございました！
イタリアでの生活も軌道に乗り、絵の勉強のほうも順調に進んでいることと
思います。

ささやかですが、ゴンザからクリスマスプレゼントを贈ります。
（実は、鋼牙様が「カオルの好きそうなものでも送ってやれ」とのことなので、
　便乗させていただいたのです。）

そろそろイタリアの冬も終わるかと思いますが、
お風邪などひかれませぬように！

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゴンザより
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カオルは、短いが、心のこもったそのカードを何度も読み返した。
それから、箱を開封しにかかった。
中からは、上質なストールと、クッキーの缶が出てきた。
ストールは華やかな色合いで、これから春先にかけて大活躍しそうだった。
さっそく、鏡の前でストールを身につけてみる。

「うわぁ、ステキぃ！
　ゴンザさん、ありがとう！

　…それで、こっちが鋼牙からってことなのかな？」

カオルはクッキーの缶を開けようとして、その前に、慌てて賞味期限を
チェックした。

（4月までか…）

カオルは、一応、今日の日付をチェックした。

2月27日。

（あ～、よかった。　なんとか食べ切れそうだね。）

なぜ2月になってクリスマスプレゼントなのか？
それは、イタリアの郵便事情が、日本のそれとはかなり違うから…
1～2ヶ月で届いたなら、それでも早く着いた部類に入るらしい。
紛失されずに、カオルのところまで配達されたのは幸運なことだ…　というのは、
同じようにこっちに留学している日本人から、今日、聞いた話だった。
その話を聞いたとき、カオルは思った。

（あっ、じゃあ、あたしの送ったクリスマスカード、年が明けてから届いたって
　ことなんじゃない？　うわぁ、大失敗ぃ～！

　ちょっと待って！
　じゃあ、零くんのクリスマスカードは、それを見越して、かなり早めに投函した
　ってことになるよね？
　だって、ピッタリな時期に着いたもん。

　零くんって、こっちの事情に詳しいんだぁ～
　なんでだろ？）



to be continued（2へ）
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