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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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いまはただ、あなたのそばに(2)

ごめんなさぁ~~い!
「いまはただ、あなたのそばに(1)」に、盛大な間違いを見つけてしまいました!

誰も指摘しなかったので、こっそり直しておきます。 (苦笑)
多分、バレないと思うのですが…
って、こんなこと書くと気になりますよね~
(SelfishのSは何のS?  ふふふ)

はい、気を取り直して、続きをど~ぞ!
(やっぱ、気になります?)


拍手[22回]


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

修行の間(ま)に入った鋼牙は、その薄暗い部屋の中央に向かい、
ゆっくりと歩を進めた。
立ち止まった瞬間、感情が爆発した。

「うわぁぁぁぁぁ」

赤鞘から剣を抜き放ち、闇雲に振り回した。
定まらない敵の姿を追いかけ、なで斬り、引き払い、突き上げ、打ち据えた。
いつまでも、いつまでも、いつまでも!

扱うものの心の持ちように反応するソウルメタルの剣は、次第にその重さを
増していった。
それでも、鋼牙はやめようとしなかった。

(ザルバ…
  ザルバ…
   ザルバっ!)

幼い頃、父を殺したキバ。
そのキバとの闘いで、今またザルバを失ってしまった。

(俺は、あの頃の非力な子どもではない。
 だが、俺にもっと力があれば…
 もっと強さがあれば…
 ザルバを失わずにすんだものを…

 すまないっ ザルバ!)

「うぉぉぉぉぉ」

鋼牙が剣を振り回すたびに、何かがキラキラと飛び散った。
それが汗なのか、涙なのかは判らない。
だが、キバとの闘いでボロボロになった身体に、鞭打つように、そして、
それが自らに科した罰のように、鋼牙は千切れるような全身の痛みを
感じながらも、ソウルメタルの剣を振り回し続けるのを止めなかった。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

カオルが湯から上がってくると、ゴンザが声を掛けた。

「あっ、カオル様、私はこれで休みますが…」
「…鋼牙は、まだあの部屋にいるの?」
「はい。
 おそらく、今晩は出ていらっしゃらないかもしれません。」
「…そう…」
「カオル様も、もう休まれたほうがいいですよ。」
「うん… おやすみなさい。」
「おやすみなさいませ。」

ゴンザは、2階の自室に引き揚げるカオルを見送った。
だが、ゴンザの本心は、カオルに掛けた言葉とは裏腹なものだった。

(もし、今の鋼牙様をお救いすることができるとしたら、それは、カオル様、
 あなたしかいらっしゃいません…
 カオル様、どうか、鋼牙様を頼みます。)

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

部屋に戻ったカオルだったが、寝る気配はなかった。
身体は疲れきっていたが、やりたいことがあった。
しばらくすると、毛布を1枚持ち出し、そっと階下に下りていった。
修行の間までやってくると、誰にともなく言い訳をした。

(中に入らなければいいよね?)

それから、そっと、ドアに抱かれるように頬を寄せ、身体を預けた。

(あたしは鋼牙に何もしてあげられないけど、あたしは鋼牙のそばに
 いたいの。

 だから、せめて、ここにいさせて…)

ドアを隔てた向こう側の様子は、少しもうかがい知れない。
鋼牙の気配は、チラとも感じられない。

(だけど、鋼牙はここにいる。
 ひとりでザルバがいなくなった寂しさと闘っている。
 ひょっとして、そのことで自分を責めているかもしれない。)

カオルは毛布でその身体をくるむと、ドアの脇に腰を落ち着けた。、

(でもね、鋼牙。
 あなたのせいなんかじゃないよ。

 あたしが、メシアのゲートにならなければ、こんなことにはならなかったの…
 あたしのせいだよ。
 ごめんね、鋼牙。
 ごめんね、ザルバ。

 どう償(つぐな)えばいいんだろう…
 あたしには、どうすればいいのかが判らない…

 ごめん… ごめんね…)

毛布に包まれた膝を引き寄せ、額を押し付ける。
カオルは偲び泣いた。

分厚いドアに隔てられたあちらとこちら。
ふたりは、ザルバを想い、ザルバに詫び、そして自らを責めることしか
できなかった。



to be continued(3へ)
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コメント
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無題
今日は変態コメントなので 拍手コメに入れて来ました~♪
hitori 2012/08/07(Tue)21:46:15 編集
Re:無題
あれれ?
変態コメントだなんて仰るから、すんごいのを想像していたら…
それほどでもない???

…って思ったのですが、それは、すでにselfishも一線を越えたからでしょうか?
マズイですね~   うふふ
【2012/08/07 23:39】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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