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きんのまなざし ぎんのささやき

この胸のざわめきは(1)

パソコンを子ども達に取られている間に、牙狼DVD(1期)を鑑賞…

自分で言うのもなんですが、何度も何度もおんなじモン見て、よくもまぁ
飽きないものだ。
だぁ~って、ほんとに、いまだに新しい発見があるんですもの…

あ! でも、今回の妄想は、新しい発見とは全然関係ないけど! (;^ω^)


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ゲートとなりうる陰我が宿るオブジェを探り当てて、とある倉庫前まで来たときのことだった。

『この町のエレメントが封印されてる…

 何か強い意志に憑き動かれているようだ


ガラクタの寄せ集めのような塊を前にして、ザルバが鋼牙にそう告げた。
ザルバによれば、確かに標的はこのオブジェに間違いないと言うのだが、すでに一足違いで ’誰か’ が先に陰我を斬った後なのだとか。
おかしなことに、こんなことはこれ1件ではない。
ここ1~2日で何件も続いていたのだから、鋼牙を出し抜くようにして、仕事の邪魔をする奴がいることは明白だった。

(それが誰なのか…)

鋼牙の脳裏には、すでにあるひとりの男の顔が浮かんでいた。

(涼邑零、とかいったな。 あの魔戒騎士…)

鋼牙よりもいくつか若く、幼さすら漂うような容貌だったが、時として鋼牙に向ける憎しみに燃えた目は、ただならぬ敵意を感じさせた。

どの魔戒騎士の系譜にも、奴のような年恰好の者はいない、とゴンザが言っていた。
あの男の素性も目的もよくわからない。
とにかく得体の知れない男なのだった。

「奴か?」

鋼牙は名指しすることはしなかったが、それだけで十分、相棒には伝わったようだ。

『さぁな…

 だが、まぁ、今のところ、アイツが一番の有力候補だろうな


鋼牙の命が狙われているというのに、この魔導輪はひどく間延びした調子で答えた。

「…」

鋼牙は眉間の皺を一層深くして、無言のまま歩き出した。
その歩調には、「面白くない」という彼の心情がストレートに表れていた。
そんな鋼牙にニヤニヤしていたザルバだったが、ふと何かを感じて、

『おや?


と思わず声を上げた。

「どうした?」

鋼牙はピタリと歩みを止め、ザルバに尋ねる。

『どうやら、あの女のそばに問題のヤツがいるようだぜ?


ザルバの言葉を聞いて、鋼牙は驚いたように少し目を見開いた。
そして、

「どっちだっ」

と性急に尋ねると、ザルバの答えを聞くが早いか、白いコートの裾を翻してあの女… 御月カオルの元へと駆け出した。

(おいおい、奴はホラーじゃないんだぜ?
 あの女が喰われる心配なんてないだろ?

 フン。だが、あの女は ’ホラーの返り血を浴びた者’ だしな。
 フツウの魔戒騎士なら、掟に従ってあの女を斬っちまったっておかしくないか。

 まぁ、俺にとってはそうなったとしても別に何の問題もないが…
 どうやらコイツはそうは考えてないらしいな)

脱兎のごとくカオルの元へとひた走る鋼牙に、ザルバは若干呆れながらそんなことを考えていた。




急いだ甲斐があり、涼邑零がカオルに斬りかかる前に、なんとか鋼牙は間に合った。
剥き出しの殺意をビンビンに放っている零と、それに怯(おび)えて何もできずにいるカオルの間に割って入り、鋼牙は彼女を背後に庇った。
零の刺すような視線を、鋼牙は少しも怯(ひる)まずに真っ向から受け止める。

(なんて目をしてやがるんだ…)

彼の視線の強さに、ザルバは驚いた。

ところが、どうしたことか、それまでの敵意はどこへやら、零は急にフッとあどけない笑みを浮かべたかと思うと、ヤツは鋼牙たちに背を向けてさっさとその場を後にして行ってしまった。

(なんなんだ、アイツは?)

拍子抜けしたザルバに対して、鋼牙のほうは、大胆なくらい余裕ある
零の態度に、異様な不気味さを感じてひどく不快な気持ちになっていた。



この頃、鋼牙の身の回りで立て続けに嫌なことばかりが起きている。
久し振りのホラーの出現に始まり、たまたま運悪くその場に居合わせた女がホラーの返り血を浴びた。
そのせいなのかどうなのか珍しくも次から次へとホラーが現れ、指令書が頻繁に鋼牙の元に舞い込んだ。
そのおかげで、鋼牙はいけ好かない3匹の子番犬の元に通う羽目になっていた。
そうかと思えば、つい先日からは、同業者である魔戒騎士に理由もわからず命を狙われることになったりと、煩わしいことだらけである。
そんなわけで、普段から笑顔を見せるような鋼牙ではなかったが、最近は特に、眉間の皺が深くなっていくばかりだった。


さて、そんなある日。
長い一日が終わり、夜半過ぎに屋敷に戻ってきた鋼牙に対して、ふとザルバが呼びかけた。

『鋼牙…


「なんだ?」

返事をするのも億劫なほど疲れていた鋼牙は、椅子にドサリと腰を降ろし、力ない返事を返した。

『どうやら、おまえさんの身体には、かなりの邪気が溜まってきてるみたいだぜ?


確かに、これまで100体近いホラーを斬ってきた鋼牙だったから、その身体には相当量の邪気が溜まっていてもおかしくない。
だが、そんなものは、適当な頃合いを見つけて英霊の塔に出向けば容易に浄化ができる。
何も急ぐ必要はなかった。そう、屋敷にいるのがゴンザだけであれば…

だが、今は、あの女がいるのだ。

突然、屋敷に押しかけるようにして住み着いた女は、魔界とは何の関係もないフツウの人間だ。
ホラーの邪気に慣れていない者には、鋼牙の体内に蓄積された邪気に対して、何らかの影響が出ることは容易に想像できる。
しかも、その女はただの人間ではなかった。ホラーの返り血を浴びているのだ。
そのことが、さらに事態を悪くさせるかもしれなかった。
そうしたことを考え合わせると、できるだけ早めに英霊の塔に出向き、浄化をしておいたほうがいいに決まっていた。

「明日にでも行くか…」

そう呟くと、鋼牙は1秒と開けていられなくなった重たい瞼(まぶた)を閉じた。


to be continued(2へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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