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もしもの話(2)
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「カオルン様…」
遠慮がちに声をかけるゴーザンに、カオルンはまだ固い表情で笑顔を作って見せました。
「ゴーザン、あたしなら大丈夫よ。
ああいう話はこれまでも薄々は耳に届いていたし…
それよりも、お願いがあるの。
このことは他の誰にも言わないで?
もちろん、あの人たちを罰したりなんかしちゃだめだからね?」
「しかし…」
「いいから!
こんなことは言いたくないんだけど、これは王妃としての命令だと思ってちょうだい。
いいわね?」
険しい顔で念を押して、すぐに笑顔を戻ったカオルンに、ゴーザンは渋々ながらも
「はい…」
と返事するしかありませんでした。
その後、カオルンに言われた通り、ゴーザンは誰にもこのことを話しませんでした。
ですが、彼女のことがとても心配だったので、しばらくの間はカオルンの様子に注意することにしました。
すると、ささいなことですが、いくつか変化が見られました。
まずは食事。
それまでのカオルンは、好き嫌いなどせず、出されたものはきれいに食べていました。
ところが、この頃は食べ残すことが出てきたのです。
ステーキや生ハムなど、加熱が十分されていない肉類であったり、魚全般… それにチーズなども口にしないようになりました。
これまでにこういうことがなかったので、おつきの者は心配しました。
「王妃様、お召し上がりになっていませんが、何か不都合などございましたでしょうか?」
「ごめんなさい、あまりお腹がすいてなくて…」
カオルンは申し訳なさそうに言うだけでした。
そうかと思えば、ホウレンソウやブロッコリーなどをおかわりするほど好んで食べるようになりました。
また、遠く東の端にある国で食べられている ’納豆’ とかいう豆を腐らせたものや ’海苔’ などという海藻を薄く乾燥させて黒い紙のような、およそ食べ物には見えないようなものを食べてみたいと言ってみたりして、料理人たちを戸惑わせたりもしました。
また、服装も変わりました。
いつもはとてもシンプルな… 時として「もう少し胸元やおみ足をお隠しになられたほうが…」と思われるくらいラフなスタイルを好まれていた妃でしたが、どうしたわけか胸元が詰まった、スカートの裾丈も長いものを着るようになっていました。
ここ最近、暑い日が続くというのに、あるときなどは、さらに薄手のカーディガンを羽織ったりもしていました。
もちろん、カオルンは汗だくになっています。
そんな妃に、おつきの者が
「何か冷たいものでもお持ちしましょうか?」
と心配そうに尋ねますが、
「いいのよ、大丈夫」
と答えます。
「ですが、お妃様。そのように汗をたくさんかかれましては…
少し水分を摂られたほうがお身体にはよろしいのではないでしょうか?」
「そう? それもそうね。
それじゃ、何か温かいものを… あっ、でもコーヒーは駄目だわ。
カフェインのないものをお願いします」
とこんな感じです。
そして、用意されたルイボスティーを、汗を拭き吹き飲むのでした。
そうです。カオルンはなんとかコーガの子を宿したいと思い、妊娠によいということをいろいろと実践し始めていたのです。
カオルンは、城の図書室に籠っては、’子の授かり方’ について参考になりそうな書物を読み漁(あさ)ったり、時にはこっそり城を抜け出しては、城下の子だくさんな女たちや、1,000人以上の赤子を取り上げたというベテランの産婆の元に話を聞きに行ったりもしました。
(妊娠にはたくさんの葉酸が必要なのね…)
(あと、胎児に影響を与えそうなものは食べないようにしないと…)
(それから、やっぱり女性は身体を冷やしちゃ駄目だって聞くし…)
(肝心な… アッチ(きゃっ、赤面!)のほうはというと、数より効率よね? ん? でもやっぱり数かしら?)
朝も昼も夜も、カオルンの頭の中は ’妊娠’ でいっぱいになっていました。
そんなある日。
カオルンは、古い書物の中からこんな記述を見つけてしまいました。
満月の夜から新月の夜、つまり、月が欠けていく間は房事を控えよ
そして、新月から満月にかけての月が満ちていく間は励むのがよい
(これだわ!)
カオルンの目がキラリと光りました。
to be continued(3へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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