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ザルバは知っている(1)
2020年!
新年1発目の妄想です!
ああ! 今年も頑張って妄想しよう! おーっ! (^O^)/
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ザルバは知っている――――
冴島邸の書斎。
飴色に鈍く光る重厚な机に向かい、この屋敷の主、冴島鋼牙が分厚い書物のページをめくっている。
そこへ、
「鋼牙様」
と、やはり分厚く古びた書物を手にしたゴンザが近づいてくる。
「あったか?」
書物からゴンザへと視線を移し、短くそう問いかける鋼牙に、ゴンザは大きくうなずき返した。
「はい…」
神妙な顔つきで返事をしたゴンザは、自分の手の書物を鋼牙の前に差し出すと、それを受け取った鋼牙に、とある箇所を指し示す。
その部分に鋼牙が静かに視線を走らせるところに、
「やはり、そのホラーは2体で1組のようです。
鋼牙様が見たというホラーのほかに、もう1体… 必ず現れるはずです」
と進言する。
それを受けてザルバが口を開いた。
『なるほど… そういえば、そんな話を聞いたことがある。
確か、2体は別々に生まれるが、やがて引き寄せ合うように巡り会い、融合してその力を強大にさせるとか…
確かに昨晩は1体しかいなかったが、残りの1体はまだ生まれていないか、あるいはまだ出会えていないだけか…』
「……」
ゴンザとザルバの言葉に、鋼牙はただ黙ったまま考えている。
すると、
『まっ、いずれにしても、ホラーは狩るのみ。
いつ、もう1体が現れるかはわからないのだから油断しないこった』
とザルバがわざと明るく言ったことで、幾分重たくなった部屋の空気が破られた。
それを受けて、ゴンザも
「鋼牙様、そろそろ一息つきませんか?」
と小休止を勧めた。
それまで硬い表情だった鋼牙も、小さく息を吐くと
「そうだな」
とゴンザの申し出を素直に受けた。
「すぐにお茶の支度をしてまいります」
ゴンザは軽く一礼して、その足をすぐにドアへと向けた。
が、ドアノブに手を掛けたところで、
「あっ」
と振り返り、
「こちらで召し上がりますか? それとも、リビングになさいますか?」
と鋼牙に尋ねた。
ゴンザは、リビングでならカオルにも声を掛けよう、たまにはお二人でゆっくりとお茶の時間を過ごすのもいいのではないか、と思ったのだった。
そんなゴンザの思惑を知ってかどうか、鋼牙は、
「そうだな… リビングにするか」
と答えたのだった。
書斎を出てキッチンに向かったゴンザを見送った後、鋼牙も革張りの椅子をぎしりと鳴らせながら立ち上がった。
その足は、ゆったりとした足取りでリビングへと向かう。
程なくしてリビングのドアの前に着き、そのドアを開け、中へ入ろうとする。
が、鋼牙はすぐにその足を止めた。
重厚なアンティークのダイニングテーブルに、カップボード。
その一角には、これまたクラシカルなソファーがあるのだが、鋼牙はそこに目を向けていた。
冴島邸のリビングは書斎と同様、全体的にやや暗めの落ち着いた色調でまとまっていたが、なぜだかそこだけ光を集めているようにうっすらと明るく、鋼牙の目には見えていた。
ソファーにはカオルが座っていた。
膝には、ついさっきまで眺めていたのであろう画集があったが、それは半分膝からずり落ちそうになっていた。
そして、ずり落ちそうなのはその画集だけではない。カオル自信も身体が右に傾いていた。
画集を見ながらうたた寝してしまったカオルは、少女のような寝顔を見せている。
「フッ」
微かに空気が動いた。
ザルバがすかさず鋼牙の表情を覗き見る。
『……』
ザルバが驚いたように目を見開き、その後、片方の眉が大きく上がり、口元にもニヤリと音が聞こえそうな笑みが浮かぶ。
鋼牙はそっとドアを閉めると、できるだけ静かにカオルに近づいた。
そして、すぐそばに膝をついてカオルの顔を覗き込むと、触れるか触れないかというほどの手つきで、彼女の目にかかる前髪を横に払ってやった。
そのとき、
ガチャ
と音がして、リビングのドアからワゴンを押してゴンザが入ってきた。
その音に、鋼牙はすぐさま人差し指を口元に立てて、静かにするよう身振りでゴンザに注意した。
「あ…」
言葉を飲み込んだゴンザは、小さく何度かうなずくと、そのままそっと後退(あとずさ)りして、リビングから出て行った。
そして…
鋼牙から呼ばれるまで、ゴンザがリビングに近づくことはなかった。
ザルバは知っている。
『カオルの寝顔を見るときの、鋼牙の顔のしまりの無さといったら…
あれが泣く子も黙る黄金騎士、牙狼の称号を持つ魔戒騎士かと思うと、俺様、溜め息が出るぜ。
だが、まぁ、あんな顔、俺様以外は知らないだろうから…
……俺様だけの秘密ということで、不問とするか』
to be continued(2へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
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