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きんのまなざし ぎんのささやき

ザルバは知っている(2)

なんと! 戦闘シーンから始まります。
え~ん、苦手だな~
そのせいなのか、短いんですけど… (すいませんっっ)

えっと… 雰囲気だけ伝わればOKとしてくださいませ。


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空気が痛い。
夜半過ぎの冷たい空気が、命を懸けた闘いの場で、ビリビリと震えていた。

牙狼の鎧をまとった鋼牙は、左半身をわずかに後ろに引いて、剣を持つ右手で心臓を庇うように胸を斜めに覆いつつ、左手の平で剣の柄頭(柄のお尻の部分)を左頬の脇で支えて、前方にいるホラーに切っ先を向けていた。
けれども、意識は半分以上、後方にも注がれているのだった。
というのも、鋼牙の後ろにも、よく似たホラーがいて、今にも飛びかからんばかりに迫っていたからだ。

『来るぞっ!』

まるでザルバの声が合図ででもあったかのように、前後のホラーが一斉にその歪(いびつ)で鋭い爪を振り上げ飛びかかってきた。

けれども鋼牙は動かない。
同じ姿勢のまま、いや、わずかに重心を下げて、その時を待っていた。

『っ!』

ホラーの爪が鋼牙の顔、そして背中にあと数cmで届くかといったところで、鋼牙は動いた。
すっと身体を沈みこませて、素早く右ひじを突き出して前方のホラーの鳩尾(みぞおち)をするどく突き上げつつ、次の瞬間にはその反動を利用して、後方のホラーの胸の真ん中に牙狼剣をまっすぐに突き刺していた。

鳩尾に鋭い一撃を食らったホラーがヨタヨタと数歩後退(あとずさ)っている頃には、もう一体のホラーは、

『ギャアアア』

と耳障りな断末魔の声を残して空に散っていた。

振り返れば、戦闘の序盤は、鋼牙のほうが2体のホラーに押されているかのような状況だった。
さらに、こちらは2体だというホラーの慢心が気づかぬうちにわずかな隙をつくり、鋼牙は冷静にその好機を逃さなかったのだ。

残り1体。
こうなってしまえば、結果は見えたようなものだ。
もちろん、鋼牙は油断しない。
目の前のホラーに狙いを定めると、より一層神経を研ぎ澄ませ、渾身の一撃を振り下ろした。

『ギャアアア』

これまた、よく似た最期の声が響き、すぐに辺りは静寂に包まれた。

  ガシャン

鎧を解いた鋼牙は、ふっと小さく息を吐き、ゆっくりとその静まり返った夜の光景を見渡した。

『終わったな…』

ザルバの安堵したような声に

「ああ…」

と短い返事を返す。
そのとき、一瞬、空気が緩むことにザルバは気付く。
だが、それはほんとに束の間のことで、次の瞬間には鋼牙は低い声で言うのだ。

「帰るぞ…」




ザルバは知っている。

『ホラーを斬った後の鋼牙ったらないぜ?

 ほんのちょっと前まで、こう眉間に深ーい皺をつくってギラギラした目をしてホラーを睨みつけていたはずなのに、一瞬のうちに何とも締まらない顔になっちまうんだ。

 どういうんだろうな… こう、ふにゃーと顔が緩むんだ。けど、それを無理矢理押し込めるような…
 いや、多分、俺様ほどの付き合いでもなけりゃ気づかないくらいの変化だぜ?

 …えっ、その表情の意味することは何かって?

 そんなもの…
 どうせ、やつの帰りを待ち続けている誰かさんのことでも考えているんじゃないのか?
 早く会いたいなー、とか、もう少し待ってろよー、とか、そんなとこだろ?

 なんだかな…
 黄金騎士と言えども、そこはまあ、フツーの男なんだな?』


to be continued(3[大人限定]へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も8年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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