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きんのまなざし ぎんのささやき

朧~おぼろ~(2)

自分で妄想しておいてアレなのですが、どうしても、カオルちゃんが
グラマラスになっている姿を想像できないです…
そんなカオルちゃんはカオルちゃんじゃないっ! くらいに思ってます。
(失礼なこと、言ってますよねぇ? ごめんなさいっ!)

大部分の方はすでにお気づきのことかと思いますが、これは茶番劇です。
そして、この茶番劇は、今回も続きます。
そんなのはうんざり… と思われる方は読まないことをお勧めしますよ、うんうん。

ガハハと笑って読んでいただける方は、どうぞご覧ください。




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亜佐美が突然消えてしまい、不審に思っていたカオルだったが、
おかしいなと思う間もなく、後ろから声を掛けられた。

「カ・オ・ル・ちゃん」

声の主にすぐに思い至り、カルは幾分視線を上げながら振り返った。

「零くん!」

いつものように少年のような笑みを浮かべて近づく零に、カオルも笑みを返す。

「あけましておめでとう」

カオルのそばまで来て立ち止まった零が、新年の挨拶を口にする。

零からは、出会ったの頃のような、我が身を顧みないがむしゃらな危うさは
微塵も感じられず、大人の魅力ある男性の色香が漂っていた。
鋭い牙を隠し持っているようなミステリアスな雰囲気を秘めながらも、
余裕のある態度はどこまでも紳士的で…

だが、そんな零の魅力が通用しないカオルは、屈託なく言った。

「零くん、新年あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくネ。

 で、今日はどうしたの?」

カオルの全く構えない自由な雰囲気に、零も同様にフランクな感じで答えた。

「鋼牙んとこに挨拶でも っていうのは表向きで…
 正月くらいゴンザのうまい料理を食いたいなぁってのが本音かな?

 …ねぇ、カオルちゃん?
 なんかちょっと感じ、変わった?」

そう言うと、零は一歩離れてからカオルの全身を上から下へと眺めた。

「そ~お?
 どこも変わんないと思うけど…」

カオルは慌ててボタンの閉まらないコートを両手で引き寄せて、ぎこちない
笑みを零に送った。

「はは~ん、さては…

 カオルちゃん、しょうがないって…
 ゴンザの作るものはどれもおいしいから、食べ過ぎる気持ちは俺にも解る。

 俺も鋼牙んとこでごちそうになると身体が重くなっちゃってさ~ぁ
 仕事するときにもちょっと困るんだよねぇ~
 なんか動きにくいっていうの? …うんうん」

零は何を勘違いしたのか、自分が思い至った結論に満足するように、
両手を組んで、しきりにうなずいていた。

「ちょっ… 零くん?
 あたしは別に太ったんじゃないからね!
 そこ、勘違いしないでくれる?」

カオルは、少し怒ったように零に抗議した。

「えっ、違うの?
 それじゃぁ、何?

 あっ、ひょっとして、おめでた?
 な~んだ、それならそうと早く言って…」

「うわぁぁぁ~ 零くんっっっ
 ないっ!
 それは 「ない」 からっ!
 勝手にひとりで納得しないでっ!」

真っ赤になりながらカオルは大きく否定した。

「なぁ~んだ、違うの?
 だとすると…」

放っておいたら、どんどん勝手な想像をしそうだったので、カオルは溜め息を
ひとつついてから白状することにした。

「はぁ~
 あのね、ほんとのことを言うから…」

そう言うと、コートを少し開いて零に見せた。

「実は…
 朝起きたら、いきなり、こうなってたの」

はちきれそうになっているバストを一目見て、零はすぐにカオルのコートを
閉じさせた。

「カオルちゃん?
 ほんとに、その… おめでたじゃないんだね?」

カオルは再び頬を紅潮させながら力いっぱい否定した。

「絶対、違いますっ!」

零は大きく溜め息を吐いてから、つまらなそうに呟いた。

「なぁ~んだ…」

「ちょっと! なぁんだ って何よ!
 何か悪い病気かも って人が悩んでるっていうのに…」

カオルの言葉がだんだん小さくなっていく。

「ごめん、ごめん。 そう怒らないでよ。

 シルヴァ? 何か解ることある?」

零は、相棒に声を掛けてみた。

『ゼロ、邪悪なものは何も感じないわ。
 ホラーに関するものってことはなさそうね』

「そっか…
 だとしたら、やっぱり病院で見てもらった方がいいのかなぁ?」

「やっぱり、零くんもそう思う?
 う~~~ん…」

零にそう言われてカオルは思わず目を閉じて頭を抱えてしまった。
そんなカオルを見かねて、零は優しく言った。

「大丈夫だよ、カオルちゃん。
 そんな病気聞いたことないもん。

 ほら、あれだよ、あれ…
 案外、遅れてきた成長期かもしれないよ?」

「何言ってるの、零く… ?
 零くん?」

零に突っ込もうとして、カオルは閉じていた目を開いてみたが、
どうしたことか、零の姿が消えていた。

(何…?
 亜佐美といい、零くんといい、どうしてみんな急にいなくなるの?)

カオルに不安が襲いかかる。
ただ、姿を消す前に零が残した言葉が引っかかった。

(でもさ… ひょっとして、ホラーのせいでも、病気のせいでもなくて、
 胸が成長しただけっていうんだったらさぁ…
 あの… えっと… それってさ… 鋼牙も喜んでくれる…かな…なんて?

 も~ やっだぁ~)

カオルはひとりで顔を赤らめ、イヤイヤをするように身をくねらせる。

(買い物行かないで鋼牙のとこに行ってみる?
 だめだめ、洋服が身体に合ってないもん、コートを脱げないじゃん。
 じゃぁ、やっぱり買い物してからにする?

 いや~ん、あたし、なんでこんなことで悩んでるんだろう… んも~)

またもや身体をクネクネしていると、だんだん意識がはっきりしてきた。



カオルは、パチッと目を覚ました。
見慣れた部屋の天井が見える。

(あれっ?)

混乱する頭に手を乗せてみる。
パチパチと瞬きを繰り返しながら記憶を整理する。
そして、そぉっと、布団をはいで自分の胸を見てみる。

「はぁ~~~」

長く重い溜め息が漏れてしまった。

なぜなら、そこには昨日までと少しも変わらない、ささやかな膨らみしか
なかったから…



to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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