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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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昨日は昨日 今日は今日(9)

なんとか間に合った~

書き溜めておいたストック(というか、タイトルが思いつかず公開できないで
いただけですが)も底をつき、ドキドキしながら、毎日、書き散らしております。

なんだかんだと「昨日は…」も9回目になるのですか?
設定も構成もいい加減なのに(というか、隠さずに言うと「ない」… 苦笑)、
よくもここまでズルズル書いたもんだ…

ここまでおつきあいさせておきながら、最後は「な~んだ」な結末だったら、
怒りますよね?
う~ん、終わらせたくないな…



って、もう終わるかな~って思いました?
それがねぇ…
まぁ、よろしければ、お読みくださいませ。



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

カオルを避けるような鋼牙の仕草に、思わず背を向けたカオルだったが、
呼び止められて足を止めた。

「俺は…」

ためらいがちな鋼牙の声。

「お前のそばにいないほうがいいのか?」

(えっ?)

あまりのことにカオルが驚き、振り返って尋ねた。

「ちょっと待って!
 あたしのほうが鋼牙のそばにいてはいけないんじゃないの?」

「なぜ?」

鋼牙は目いっぱい怪訝な顔をした。

「だって、あたしは自分の身すら守れないし、鋼牙の力にはなれないもの…
 それで、魔戒法師とかのほうが鋼牙に相応(ふさわ)しいんじゃ…」

「カオル」

少し強い調子で、カオルの言葉を鋼牙が遮った。

「俺は、お前に ”闘ってほしい” と言ったことがあったか?」

「えっ…?

 …… ない… かも…」

そんなことを言われた覚えはなかった。

「お前が持つのは剣じゃない、そうだろ?」

カオルは怒ったような泣きそうな顔で、こくん、とうなずく。

そう、いつもそう言っていた。
お前は絵を描けばいいんだ。
俺がお前に描かせてやる、と。

(あたしが、ひとりで勝手に勘違いして、勝手に落ち込んで、
 勝手に身を引かなきゃって思ってたっていうの?

 う~ バカみたい…)

「じゃあ…
 鋼牙はどうして、あたしのそばにいないほうが… って思ったの?」

鋼牙はひとつ息をつくと、疲れた身体をソファーのほうに移動して、
どさりと腰を下ろした。
カオルも後を追い、鋼牙からはちょっと間を開けて、心持ち鋼牙のほうに
身体を向けて座った。

それをチラっと見て、鋼牙はさらに間を開けるように座る位置をずらした。

その行為が気にはなったが、鋼牙の話を聞くことが大事と思い、カオルは
全身を耳にして鋼牙の言葉を待った。

「俺の身体はホラーの邪気が染み込んでいる」

「…」

カオルは次の言葉を待つ。
だが、鋼牙は、これで話は終わり… という風情。
仕方がないので、カオルは聞いてみた。

「それは、どういうこと?
 鋼牙がホラーになっちゃうってこと?」

聞かれて初めて言葉が足りないことに鋼牙は気づいた。

「俺は魔戒騎士だ。
 毎日ゲートとなりそうなオブジェを探し、それを浄化する。
 指令があれば、ホラーを切る。
 そんな毎日の繰り返しだ」

カオルはその一言一言にうなずいた。

「ホラーは、人間の邪念から生まれるものだ。
 だから、そのホラーを追い、ホラーを切る魔戒騎士には、わずかではあるが
 その邪気を身体に取り込んでしまう」

解るか?という具合にカオルを見る。
うなづくカオルを確かめ、さらに言葉を続ける。

「今日もオブジェを浄化してきた。
 昨晩も、その前の晩も俺はホラーを切った。

 今の俺の身体には、ホラーの邪気が染み込んでいる」

ここで鋼牙は、カオルから目をそらした。

「俺は、ホラーを狩るために自分が汚れることは厭(いと)わない。

 だが、カオル、お前はもうホラーとは何の関係もない。
 画家になる、夢や希望に満ち溢れている。

 そんなお前のそばにいることで、俺の身体に染み付いたホラーの邪気が
 お前を汚(けが)してしまいそうな気がするんだ…

 だから…」

カオルは、初めて気がついた。
だから、鋼牙はカオルから身体を離すような素振りをしたのだ。
自分の身体に蓄積された邪気が、カオルに少しでも及ばないように、と…

次の瞬間、カオルはぴたりと鋼牙に寄り添った。



to be continued(10へ)
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拍手[26回]

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無題
こんばは、すごいすごい、第9話どこまで続くの、毎日夜遅くブログを明けるのがたのしいです、ちなみ朝と昼もあけてますほとんど鋼カオに中毒です、
かなまま 2012/09/14(Fri)21:53:58 編集
Re:無題
いやん、かなまま様ったら…
そんな中毒患者がいたなんて、初めて知りました!
嬉しくって言葉もないですぅ~
うぅっ…  泣けてしまいますやん

朝と昼にご覧のときにはなんにも変化ないでしょ?
だって、その頃(就業前と昼休み)は、職場で一生懸命ネタを書いてるときですもん。 (笑)
10月からはその貴重な時間がゼロになってしまうので、どうなるでしょう…
selfish こそ妄想中毒者なので、禁断症状が現れそうで怖いんですけどね。
【2012/09/15 08:17】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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