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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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昨日は昨日 今日は今日(7)

零くんが「昨日は昨日 今日は今日」と、タイトルとなるキーワードを
言ってくれたので、実は、もうこの話は書ききった~~~って気に
なってました。

あれっ? カオルまだ部屋から出てきてないの?
おやっ? 鋼牙ったら、ホラーの邪気がまだ気になっているの?
まだまだ書き残していることがあったのね~~~

それでは、もう少しお付き合いくださいませ。

(っていうか 「少し」 で終わるのか?
 それすら、今の時点では解らない… ってことは、ここだけの秘密!)

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

零を見送った後、ゴンザが鋼牙に申し訳なさそうに話しかけた。

「鋼牙様、こんなときに何なのですが…
 例の ’山小屋’ に、今日の夕方から出掛けようと思います」

ゴンザが ’山小屋’ と呼ぶのは、この冴島邸の北西、約150km程の
場所に位置する別邸のことで、半年ほど前に購入したものだった。

というのも、広大な北の管轄では、オブジェやホラーを追い求めて
鋼牙が遠出をすることが度々(たびたび)あり、その際に、魔戒道が
使える時間帯を逃してしまうと、おいそれと冴島邸まで帰って来れなく
なってしまうことがあったからだ。

そのため、この北の地を任されてから今までの間に、鋼牙が気楽に
立ち寄り、そして身体を休めることができる拠点を、ということで、
ゴンザがいくつかの別邸を用意してきたのだ。
’山小屋’ はその中のひとつだった。

その ’山小屋’ のガスの調子が思わしくなく、以前から修理を
依頼していたのだが、部品が届いたため、明日の朝早くに業者が
来ることになっていた。
その時間が早いため、ゴンザは前日から移動するということに、
ずいぶん前から決めていたのだ。

だが、カオルの様子が昨日からおかしいため、このタイミングで屋敷を
離れることを、ゴンザは躊躇(ためら)っていた。

「気にすることはない。
 ’山小屋’ のほうを、すまないが頼む」

「はい…

 あそこは景色もよいところですから、いつかカオル様をお連れすると
 よいのではないですか?」

「…そうだな」

ゴンザの言葉は、早く仲直りしてほしいという要求のように思え、決まりの
悪さに鋼牙はこの場を逃げ出した。

「ゴンザ、見回りに行ってくる。
 あとを頼む」

「はい、行ってらっしゃいませ」

コートの裾を翻し、足早に去る主(あるじ)の背に向かい、ゴンザは深々と
お辞儀をした。

(鋼牙様、家のことはご心配なく。
 ただ、カオル様のことは、鋼牙様にしかどうすることもできません。

 私が帰ってくる頃には、元に戻っているとよいのですが…)

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

その日も、ゲートとなりそうなオブジェの浄化に鋼牙は走り回った。
使命を果たそうとすればするほど、己の身に邪気を貯め込んでいるのかと
思うと、今日に限っては、剣を振るう腕がひどく重く感じられた。
いつもの太刀筋との微妙な違いに気づき、ザルバが声をかける。

『どうした、鋼牙?
 何かあったのか?』

「何の話だ」

ぶっきらぼうに鋼牙が答える。
その答え方でザルバには鋼牙の気持ちが伝わった。

”何の話かはよく理解している。
 だが、そのことは問うな”

と、まぁ、そういうことだ。
だが、そんなことにはお構いなく、ザルバは続けた。

『カオルがいつまでも拗ねているのが、そんなに気に入らないのか?』

(さぁて、無視するか、怒りだすか…)

ザルバは鋼牙の次の行動をそう予想していたが、意外な答えが返ってきた。

「…いや、カオルのことよりも… 俺自身の問題だ。」

ちょっと驚き、次の言葉を見つけられずにいる間に、

「おしゃべりはここまでだ。
 さっさと次のオブジェを探せ」

鋼牙によって、会話に蓋(ふた)をされてしまった。

(鋼牙は、自分の何を悩んでるっていうんだ?)

ザルバは疑問に思ったものの、早々に思考を中断し、オブジェの探索に
取りかかった。

この日、鋼牙は昼にも屋敷に帰らず、かなり遠くにまで足を運んで、
オブジェを浄化しまくった。

『おいおい、鋼牙。
 そろそろ、もういいだろ?
 俺様はクタクタだぁ~』

さすがのザルバも夕方になろうかという時間に音(ね)をあげた。

「仕方がない…
 では、帰るぞ」

口ではなんでもないように言った鋼牙だったが、足取りは重く、かなり
疲れているに違いなかった。

(やれやれ、こんなフラフラなくせに…
 俺様がああでも言わないと、強がってオブジェの浄化を続けただろうゼ。
 まったく、今日の鋼牙は、子供じみたマネをする。
 しかし、いったいどうしたっていうんだろうな? 鋼牙のヤツ…)



to be continued(8へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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