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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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何にする?(2)

滅茶苦茶お気楽に始めてしまった今回の妄想

こんなこと鋼牙さんが言うかな? とか、
こんな表情を鋼牙さんが見せるかな? とか、

そういう心配はポイッと放り投げて、好き勝手に書いてみたら、なにこれ、たのし~♪ ってなりました。
フフフ、いつまで「たのし~♪」なんてお気楽でいられるかな?
(早く、オチ、考えろー!)

拍手[8回]



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

(負けた…)

ボード上には、わずかに2枚という僅差で惜しくも鋼牙の負けという結果が示されており、鋼牙は深い溜め息をついた。
そんな鋼牙に対して、カオルからは

「なんでもいいから、あま~い愛の囁きを聞かせて?」

というかわいい命令が下された。

(愛の囁き!?)

鋼牙の眉間に小さな皺が刻まれる。

「どんなことを言えばいいんだ?」

ややぶっきらぼうな低い声で鋼牙がそう言うと、

「ふふふ、それは鋼牙が考えてみて?
 言われたあたしが嬉し~くなるような言葉ならなんでもいいよ?」

とカオルは返した。

(なんでもいい!? …それが一番困るんだ!)

そう思いながら、ついっとゴンザに目を向ける。
すると、それまでニコニコとふたりの会話を聞いていたゴンザが真顔に戻り、小さく咳払いをして、

「そうだ、洗濯物を見てこないと…」

とかなんとか呟きながら、小さく頭を下げてリビングをあとにしていった。
それを見送った鋼牙の顔は苦虫でも噛んだような渋い顔。

だが、程なくして意を決した鋼牙は、カオルを正面に見据える。
そうして、しばし見つめ合っていたが、

(だめだ…)

と観念した鋼牙はカオルを抱き寄せ、その胸に閉じ込めた。

(目が合った状態では、とてもじゃないが言える気がしない!)

「カオル…」

これまでも何度となく呼んできた彼女の名を呼ぶ。
すると、もぞもぞと動き、こちらに顔を向けようとするカオル。
そうはさせまいと、彼女の腰を強く引き寄せ、その後頭部を自分の胸へと押し付ける。

「どこにも行くな。 …ここにいろ」

努めて何でもないようにそう言った鋼牙の顔が、実際にはやや赤く、ゆるゆるとゆるみそうになるのを感じ、それをなんとか引き締めようとしてなんともいえない複雑な表情になっていることに、カオルは気付いていない。




(約束は約束だ。守らなければならない。
 たとえそれが、ひどく恥ずかしいことであっても。
 どんなに照れ臭いことであっても。
 ほら、こんなにしあわせそうなおまえの顔が見られるのなら…)

嬉しそうなカオルに、鋼牙は目を細めて見ていた。





「さあ、ふたつめの願いはなんだ?」

カオルを腕の中から解放した鋼牙が、やや挑戦的にカオルに尋ねた。
確かに、カオルが喜ぶのは嬉しいが、やはり、こんなこっぱずかしいことはできれば勘弁してほしい。

(こんな罰ゲームなどさっさと終わらせてやる!)

覚悟を決めた鋼牙は、ホラーと対峙するときのように険しい顔を見せながら、カオルの言葉を待った。
けれども、そんな鋼牙をものともせず、

「うーん、そうねぇ…」

とカオルは悠長に腕を組みながらのんびりと考えている。
そして、ぱっと明るい顔をしたと同時に腕を解いて言った。

「今は何も思いつかないから、思いついたら言うわ!
 ねっ、それでいいでしょ?」

(なに!?)

肩透かしにあった鋼牙は、思わず口がぽかんと開いたが、すぐに顔を引き締める。

「…わかった。ただし、そういつまでも待ってはいられない。
 そうだな… 今日中だ。今日中に残りふたつの願いを言ってくれ」

「えーっ!

 …うん、わかった。今日中ね?
 思いついたら言うから。絶対に言うこと聞いてよね?」

「ああ、わかってる」





その日はずっと落ち着かない鋼牙であった。
カオルの姿を見るたびに、ちょっと構えてしまう自分に、少し呆れもしていた。
が、カオルは願い事の件を忘れてしまったのか、何も言ってはこず、夕食の時間も何事もなく過ぎていった。





この日は指令のない静かな晩だった。
鋼牙は、ホラーが扱う毒に関する対処法が書かれた書物を手に、就寝までの時間を、自室のベッドの上に長い足を投げ出して、とてもリラックスした状態で過ごしていた。
そこへ…

  コンコン

控えめにノックする音が響いた。
それに返事をすると、開けられたドアからカオルが顔を覗かせた。

「今、ちょっといいかな?」

そう言って入ってきたカオルは風呂上りなのか、まだ髪が濡れていた。
簡単にタオルドライしただけのカオルは、当然のことながらスッピンで、なんだか子供っぽく見える。

「どうした?」

ほんの少し鼓動が早まった鋼牙が、相手に気取られぬよう素知らぬ顔で尋ねると、カオルは、

「あ、うん…」

と少し言いにくそうにした。

「なんだ? 願い事が決まったのか?」

鋼牙からそう訊かれて、カオルはちょっとほっとしたような表情を見せた。

「うん… ふたつめのお願い、決まったよ。
 えっとね…」

そう言うと、カオルは後ろ手に隠していたものをずいっと前に突き出した。
鋼牙の目の前に現れたのは…










































…ドライヤーだった。




「これは…」

「はい! これで、髪を乾かしてほしいの~♡」




  ぶぉ~~~ん

熱風でカオルの髪が躍っている。
右手にドライヤー、左手にブラシを持つ鋼牙の顔は無表情だった。


to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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