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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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危険な遊び

昨日の「ラ♪ラ♪ラ」、みなさんご来店されました?

ちょっぴりしんみりもしましたが、とても楽しいよい回だったなぁと思いました。

昨日までは、2012年の最後の妄想は 「聖夜の果て」 だと思ってたのですが、
「ラ♪ラ♪ラ」を見ちゃったら、ちょっと頭の片隅をよぎったものがあったので、
取り急ぎ、書きなぐってみました。

「ラ♪ラ♪ラ」をご覧にならなかった(なれなかった)方には、何のことやら
判らないかも… というものなので、その点はご容赦を。


これこそ、ホントに、2012年最後の妄想です。



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

繁華街のネオンが揺れる、とある街角。

鋼牙は、カオルに呼び出されて、その店のドアをくぐった。
そう広くない店のため、彼はすぐにカオルの居場所を見つけることが
できた。

カオルもまた、先程からずっと店の入り口を見ていたので、鋼牙が
来店したことにすぐに気付いた。
こっちだよ、という感じで手を挙げる。

「どうしたんだ?、
 こんなところに呼び出して…」

鋼牙はカオルの座る席に近づきながら、まずは、電話を受けた時から
抱いていた疑問を口にした。

「ごめんね。
 今日は指令がないみたいだって、ゴンザさんが言ってたから、
 つい、呼び出しちゃった…

 何か飲まない? おごるよ?」

鋼牙の問いに答えることを避けたように感じ、鋼牙は少し考えてから
席についた。

しばらくすると、ビールが手元に届いた。
それは、鋼牙のオーダーしたものとは全く違っていたが、鋼牙は黙って
それを受け取った。
そのグラスを取り上げながら、鋼牙はカオルに別の質問を投げかけた。

「こういう店にはよく来るのか?」

「ううん…」

カオルは首を振りながら、鋼牙に笑いかけた。

「店の表に貼り紙があったでしょ?
 このお店、今日で閉店なんだって」

そういえば、何やら ’味のある字’ が認(したた)められた紙が、
ドアに貼られていたようだが、どうもそれが閉店を告げるものだったらしい。

「それでね、なんとなく入ってみようかなぁって…
 そしたら…」

そのときカウンターの方がどっと盛り上がった。
どうやら、なじみの客が、この店のスタッフ達とゲームに興じているらしかった。

「まくら… まくら… まくら…」

カウンターの中にいる若い女性スタッフの声が聞こえてきた。
それを聞いて、周りの客やスタッフが 「自分リバ~ブっ!」 などと言いながら
手を叩いて喜んでいる。

「?」

「あれ、何してるんだろうね?」

鋼牙は眉根をひそませ、カオルも不思議そうに呟きながら、2人して
カウンターの方に顔を向けた。

「らっぱ…」

今度は、先程の女性スタッフの隣の男性スタッフが、甘い声でそう言った。

「なんのゲームをしてるのかなぁ?」

首をかしげながら、さっぱり判らないというふうに、カオルは呟いた。
鋼牙は、ただ黙ってその集団を見ていた。

そのゲームは、答える順番が回っているらしく、男性スタッフの次は、
3人いる客の中のひとりの男性の番らしい。
その男性は、何やら感情を込めて、それを一瞬のうちに吐き出した。

「…パン食い競争…」

ここで、どっと沸いた。
感極まったスタッフがその男性に握手を求め、別の客は抱きついていた。

「えっ? なになになに…?」

カオルは眉間に深い皺を刻み、何の遊びなのかを真剣に考え込んだ。

「…判った…」

鋼牙がぼそっと呟く。

「判ったの、鋼牙?
 ね、何? どういう遊びなの?」

鋼牙の腕に取りすがるようにしてカオルが顔を近づけてきた。
アルコールが急に回ったのか、急に耳が赤くなった鋼牙は、わざと
カオルからそっぽを向くようにしてから言った。

「簡単な遊びだ。
 まくら、らっぱ、パン食い競争…」

「あ~っ しりとり!」

カオルは思わず大きな声が出てしまい、すぐに手で口を覆って周囲を
気にしたが、どうやら向こうのグループはカオルの叫びにも気づかず、
「パン食い競争」 と言った男性客を囲んで讃(たた)えることに夢中に
なっていた。

カオルは、今度は必要以上に声をひそませて鋼牙に聞いた。

「でも、しりとりでこんなに盛り上がるもの?」

にぎやかな店内であるために、声のボリュームを落とすとなると、必然的に
カオルは鋼牙に顔を寄せる格好となった。
鋼牙の耳が再び色色づく。

「どうやら、言い方にルールがあるようだ」

素っ気ない感じの答えが返ってきた。

「ふ~ん…」

(そのルールって何だろう?)

カオルはそう思いながら、例のグループに視線を戻してみた。

「あっ、鋼牙!
 次の順番の人、見て、見て!」

鋼牙はカオルの視線を追って、グループの中で注目を集めている男を
見た。
どうやら、彼が、次の番になるらしい。

「!」

「ねっ?
 ちょっと鋼牙に似てると思わない?
 あっ、でも、表情とか雰囲気とかは全然違うけどね。

 あんまり似てるから、ちょっと鋼牙にも見てもらいたいなぁと思って…

 常連さんみたいだから、別の日に来ても会えるかもしれないんだけど、
 このお店、今日で閉店するから、この機会を逃すともう会えないでしょ?

 だから、急だったんだけど、鋼牙をこの店に呼んだんだよ」

そんなことを言いながら、カオルは、鋼牙と、鋼牙によく似た男性客を
見比べるように交互に見た。
その男性客が次の言葉を思いついたらしく、ざわめきが消え、みんなの
注目が集まった。
彼はその緊張感に耐えながら、「う」 で始まる言葉を言った。

「…馬乗り…」

熱いまなざしをたたえて言い放った言葉に、周りの空気が変わった。
失笑するスタッフ。
手で大きくバツ印をつくる別の男性客。

「ねぇ、鋼牙、あれって…」

頭の上に思いっきり大きな 「?」 を浮かばせて、話しかけてきたカオルを
鋼牙は無視して、すごい勢いで席を立った。

「…カオル、帰るぞ!」

「えっ、何?
 どうしたの?」

さっきよりもっと困惑した顔のカオルの腕を取り、適当に掴んだ札を
テーブルに叩き付けて、スタスタと店のドアを目がけて突進した。

店の中の者は誰一人、鋼牙とカオルには気付かずに、「いやらぁしりとり」 の
行方に没頭していた。


店の外に出ても、鋼牙の歩みは緩まなかった。
冷たい雨が降る中を、足早に数10メートル進んだ。

鋼牙に腕を取られて、コートやカバンを抱えたまま、カオルは引きずられるように
後ろをついていった。

「ねぇ、鋼牙ぁ  ハァ ハァ…
 ちょっと待って…」

カオルにそう声をかけられて、鋼牙はピタリと足を止めて、カオルの腕を
離した。
ようやく解放されたカオルは、息を整えながら、寒さに震える身体にコートを
着込んだ。

「んもうっ、何が何だか全然わからないんだけどっ…」

訳が判らないカオルは、少し覚えた怒りをそのまま口にしながら、傘を
差した。

「ねぇ、鋼牙、あれは何だったの?
 あのしりとりに、どういうルールがあったっていうの?」

「…」

カオルが鋼牙に追いついて、傘を差し掛けながら横顔をちらりと見てみると、
そこには、苦虫を噛み潰したような表情があった。

「あんなのは…

 立派なセクハラだ…」

ぽつりとつぶやいた鋼牙の言葉を、カオルが聞きとがめる?

「んっ? 何て言ったの?
 立派… な、何?」

その途端、鋼牙がカオルに掴みかからんばかりにして叫んだ。

「カオルっ!
 そんなことを口にするんじゃないっ!」

突然のことに驚くカオルを残して、鋼牙は荒々しく歩き出した。
残されたカオルは混乱しつつも、慌てて鋼牙の後を追った。

「鋼牙、待ってよぉ~
 どういうことなのぉ~?

 ねぇ~、待ってったら~」



fin
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


ごめんなさいっっっ!!!
2012年最後の妄想だというのに、こんなフザけたもので…
でも、ちょっとでもクスって笑ってもらえたなら幸せです。

「ラ♪ラ♪ラ」 をご覧にならなかった(なれなかった)方のために、
ちょっとだけ補足すると…

30日の23時から始まった放送も、2時間近く経過し、日付が変わった
31日の1時近く、スナックの従業員3名に、常連客の2名、それに
ゲストとして、ゼロの中の人と、ギターの滅茶苦茶うまいDさんの7名で
妄想の中にあった 「いやらしぃりとり」 というゲームが始まりました。

普通のしりとりと違うルールとしては、 「いやらしぃ」 雰囲気が出ないと
ダメってこと。
「いやらしぃ」 言葉でも、 「いやらしぃ」 言い方でもよくて… って
ものです。

妄想の中の鋼牙さんとカオルちゃんは、鋼牙の中の人であるKくんの言った
「馬乗り」 の時点で店を出ましたが、その後もしりとりは続き、最後の最後に、
Kくんが 「立派」 と言って、ヒンシュクを買っていたのでした。 (苦笑)


さてさて、うちの鋼牙さん、「立派」 で何を想像しちゃったのでしょう…
selfish には判りませ~ん!!


鋼牙とは全く別人のKくんなので、selfish としては、 「ラ♪ラ♪ラ」 のことを、
牙狼とは全く切り離したもの… 素敵な歌を素敵な弾き語りで紹介してくれる
番組、として気に入っていました。

ただ、全然別のものですが、牙狼に対して思っている気持ちと同様、
「ラ♪ラ♪ラ」 に対しても同じように思っています。

いつかまた、どこかで…

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無題

あけましておめでとうございます。旧年中は、たくさんの作品を有難うございました、晦日で何かとお忙しいのに感謝、最後のららら、見ました見えました、うれしいかった、しかし零君登場のあと意識が飛んでいます悔しい、20分ほどしかしプレミヤで登録したので再度みなおしました、ホット最高でした、感激でも悲しいかな最後うるうる、本年は、いよいよ最後の映画2月に向かってファイト、牙島鋼牙よ永久に、今年も宜しくお願いします。
かなまま 2013/01/01(Tue)18:41:23 編集
Re:無題
新年のご挨拶、ありがとうございます!
昨年は無我夢中で、渇きを潤すがごとく書き殴りました。
今年はどこまで書けるのか全く想像できませんが、とりあえず、映画を見るまでは妄想していたいなぁと思っています。

さて…
かなまま様の「ら・ら・ら」デビューが最終回とは!
とても残念だろうなぁ~ と同情します。

牙狼と同様、ら・ら・らもきっと、またあのメンバーで復活することだと思います(1日限定かもしれませんが、そう願います)ので、そのときは、また一緒に楽しみましょうねぇ~!

今年も細々と妄想していきますので、お付き合いいただければと思います。
よろしくお願いします。 (ぺこり)
【2013/01/01 21:33】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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