きんのまなざし　ぎんのささやき

余所様のサイトをお訪ねし、
そっか、今日は七夕なんだ～
自分でも何か書けるかな～ 　と…
（なに？　このゆる～い感じ（苦笑））

で、書き始めたはいいのですが…　あはは、こんなもんデス。

笑って許していただけそうな方は、続きをどうぞ。

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今宵も番犬所から指令が届き、鋼牙は、今頃、闇夜のどこかで闘っている。

カオルは、かなり早い時間に

「もう寝るね」

とゴンザに声をかけていた。
そして、一度は「寝てしまおう」と思ったのだったが、なんとなく眠りにつけず、
真夜中過ぎ、カオルはブランケットを片手にそっとテラスへ降りてみた。

（やっぱり、ちょっと冷えるみたい…
　コレ持ってきて正解！）

そう思うと、ふわりと自分の肩にブランケットをかけた。

残念ながら、今ひとつの空模様のため、天の川がよく見えない。
それでも幾つかの星は肉眼で確かめられる。

（七夕に降る雨は、織姫と彦星の流す雨だって、ラジオで言っていたっけ…
　「催涙雨（さいるいう）」って呼ぶんだとか…

　でも、今日はなんとか泣かずにいるんだね。
　どうにかして会おうとがんばっているみたいだなぁ）

どれが織姫で、どれが彦星かわからないが、カオルは二人のことを想い、
空を見上げた。

（会えるといいね）

暗がりに眼が慣れてきたのか、先程よりもずっと見える星の数が増えた。
テラスの手摺（てすり）に手をつき、ぐ～んと伸び上がって空を注視する。

（あっ、あれ、天の川…　っぽいかな？！）

夜空を南北に横切るように、うっすら白っぽい光の帯が見えてきた。

（じゃあ、あれが織姫と彦星…　だよね？
　よかった…　なんとか会えそうだね…）

天の川の両岸に、ひときわ明るい星を見つけることができ、小さな喜びで
カオルの心はあったかくなった。
だが、それとは逆に手足の先が冷たくなってきたのを感じたため、カオルは、
屋敷の中に戻ることにした。

最後にもう一度…　と夜空を仰ぎ見る。

（あたしも泣かないからね…
　がんばるから…）

そう星に誓ってから、テラスから屋敷に通じるドアをくぐった。













「…カオル？」

優しく問うような、大好きな声が聞こえた。
ドアを閉めようとした手が止まる。
振り返ると、玄関先から庭に通じる小径に鋼牙が立っていた。
喜びの色で頬を染め、カオルは鋼牙に駆け寄る。

「おかえりなさい…」

「あぁ、今戻った。
　こんなところで何してるんだ？」

「星をね、見てたの。
　今日は七夕でしょ？　だから…」

「そうか…
　だが、もう日付は変わってるぞ。」

「あっ、やだ…　そうだね。
　もう昨日のことになっちゃうのか…
　…鋼牙はどうしてここに？」

「俺か？
　…星を見るなら暗い庭のほうがよく見えるかと思って…
　…七夕だから…」

「なぁんだ、鋼牙も一緒じゃない。
　七夕はもう昨日のことですよぉ～だ。」

「そうだな。」

「そうよ。」

二人は視線を絡ませたまま、そっと笑いあった。

「鋼牙は、星に何をお願いするの？」

「俺か？
　俺は…　星に願いはしない。
　そうだな、せいぜい誓いを立てるくらいだな。」

「なんて誓うの？」

「…内緒だ。」

「え～っ！
　…うん、そうだね。　言わないほうがいいね。
　実はね、あたしもさっきお願いじゃなくて誓いを立てたんだぁ。」

「なんて？」

「うふふ…秘密っ♪」

「…」

微苦笑した鋼牙の顔がカオルに近づき、その額に優しく接吻をした。

「さぁっ、もう入るぞ。
　冷えてきたからな。」

「…うん。」



『そ～かぁ？
　俺様は、アツいくらいだけどな。』



fin
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最初の5～6行を書き始めたときは、ぜんぜん、ま～ったく、ノープラン！
でした（苦笑）
カオルが屋敷に入ろうとしてから、鋼牙が登場するまでの間、空行が
続きますが、それはそのまま、selfishの思考時間だったりして…（爆）

七夕には間に合わなかったよ～　ってところも、おマヌケなselfishが書く
鋼カオらしい気がしてますが。

”星に願いを”　じゃないところ、どんなふうに感じられたでしょうか？
気に入っていただけたらいいのですが…

[28回]