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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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王子に逢いに!(3)

毎晩ちまちま書いてますが、なかなか一度にたくさん書けずにすいません。

そう言えば…
3人のいでたちなどは少しも書いていません(「書けていません」という
表現が正しい?)ので、お好きな衣装を着せてあげてください。

オズの魔法使いのような感じ?
中世ヨーロッパな感じ?
あるいは、ギリシャ神話みたいな?

みなさんの妄想脳をフルに動かして、それぞれに楽しんでいただければな~
と思います。


それでは、今宵の「メルヘン」行きますよ!



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

3人は城に辿りつき、門番に訪ねた理由を告げると、国王は高齢と心労から
床に臥せっているため、面会はできないと断わられてしまいました。
3人は気落ちしましたが、対応した門番は慣れたもので、

「王子を救いに… なるほどね。
 今まで何人もの力自慢や腕自慢が訪ねて来たが、未だに誰も王子を救い
 出せていないんだぜ?
 お前さん達、それでも行くのかい?

 …あぁ、そうかい。

 それじゃあ、あんたら、こっちに来て!」

と、手招きしながら城の中に招き入れてくれました。

「ほれ、あの庭の隅にいばらの茂みが見えるだろ?
 あの先が王子の部屋なんだが…

 まぁ、もし諦めて帰るんだったら、今、来た道を戻って来いよ?
 さもないと、屈強な近衛兵たちにとっつかまって、エライ目に
 あうからな」

門番は、それじゃあな、とかなんとか言いながら、背中越しに手を
ヒラヒラ振って戻っていきました。

「はなっからあたしたちには無理! って思ってるみたいな態度だった
 よね?
 失礼しちゃうわ!」

門番の背中に、い~っと歯をむき出して、カオルンが言いました。

「それだけ、何人もの猛者が挑戦しては諦めていった…
 ということでございましょうな」

ゴーザンは不安そうに答えます。

「まっ、まずは、あのいばらの茂みを何とかしろってことだよね?
 とにかく、近くまで行ってみようぜ、おふたりさん?」

レイはそう言うと、すたすたと先頭を切って歩きだしました。


3人がいばらの茂みまで来ると、

「これは、かなり深そうだな…」

とレイは呟き、二振りの愛刀に手をかけた。

「ちょっと下がっててね」

そう言ったレイの声音からは、もういつものユルい感じは微塵も
ありません。
レイが剣を手にした途端、レイの周りには冷たく冴えた気が
発せられました。
それが辺りの空気をピリピリと震わせ、無意識のうちに、
カオルン達は数歩後ろに下がりました。

レイは大きな深呼吸をひとつすると、ものすごい勢いでいばらの
茂みに突進していきました。
レイの剣にかかれば、切り捨てられたいばらは、すぐに山のように
なります。
ところが、その山が邪魔をして、レイはそれより先に進めなく
なりました。

「参ったなぁ…」

いったん剣を収めてから、レイは困ったように言います。
それを見ていたゴーザンは、

「それなら、わたくしめにお任せを」

そう言うが早いか、どこから取り出したのか箒を手にして、これまた
ものすごい勢いで、山となったいばらを掃除していきました。

瞬く間にいばらの山がなくなり、カオルンもレイも驚くばかりでしたが、
最後の一掃きを終えたゴーザンが

「さぁ、これでいいでしょう?」

とふたりを振りかえったときには、

「ゴーザンさん、すご~い!」

「さすがだねぇ~
 一流のバトラーの技、しっかり見させてもらったよ」

と、口々に称賛の声をあげました。

「いえいえ、それほどでも…
 さぁ、レイ様、どんどん行きましょう!」

「よぉ~し!」

こうして、レイが切り、ゴーザンが掃除をしていく分業体制により、
茂みの中を進み、王子の部屋まであと半分… というくらいまで
到達しました。

「この調子でどんどん前に進みましょう!」

「あぁ、ゴーザン。
 切って切って、切りまくるから、後始末は任せたぜ!」

「はい、お任せください…」

そう言いながら、ゴーザンが、足元にひとつ落ちていた、いばらの蔓に
手を伸ばした、そのとき…

  ゴキッ

鈍い音が聞こえ、ゴーザンがそのままの姿勢で固まってしまいました。

「どうしたの? ゴーザンさん!」

カオルが慌てて駆け寄ると、ゴーザンは、首だけを動かして振り返り、

「腰が…」

と一言だけ言うと、いたたた… と顔をしかめました。

「どうしよう、レイくん?」

カオルンがレイに尋ねました。

「とにかく、ゴーザンを休ませないとな…
 となると、これ以上進むのは難しいかな?」

レイは難しい顔で腕組みをして、これから先のことを考え始めました。


to be continued(4へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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