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きんのまなざし ぎんのささやき

王子に逢いに!(6)

さぁ、化け物は退治したことだし、あとは…

え~っと、あとはどうなるんですか?

あまり期待しないで、続きをど~ぞ! (苦笑)




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長身のレイよりさらに背が高く、スラリと伸びた四肢に、均整の取れた
ボディ、そのうえよく整った顔立ちの王子の涼やかな目で見つめられ、
カオルンは、恥ずかしそうにゴンザの影に隠れました。
そんなカオルンを、レイが救います。

「とにかく…
 化け物はこのとおり、いなくなったことだし、俺たちの本来の目的に
 ついて、そろそろ話してもいいかな、王子様?」

王子はレイのほうに向き直りました。

「…」

しかし、レイの言う「本来の目的」という言葉に不審を感じたのか、
あるいは、「王子様」という言葉のニュアンスから愚弄されたと
捉えたのか、無言のまま、憮然としていました。

「あははっ、それじゃ、勝手に話を続けさせてもらうね…」

そんな王子の態度に少しも構わず、レイは話を続けようとしました。
そこへ、ふたりの間に、ゴーザンが割って入りました。

「レイ様、ちょっとお待ちください!
 それでは、あまりに、王子に対して失礼でございますよ!」

ゴーザンはレイを押しとどめてから、王子のほうに穏やかな笑みを浮かべて
言いました。

「王子、非礼をお許しください。
 我々は決して怪しいものではございません。

 わたくしはゴーザンという者です。
 はるか南の国から参りました。

 その剣士は、西の国から来たレイ。

 そして、こちらの女性は…」

「ちょっと待て!」

王子が鋭く、ゴーザンの話を遮りました。

「お前たちが、この化け物を退治するのに協力してくれたことには礼を
 言おう。
 だが、俺は長い眠りから覚めていささか混乱しているところだ。
 今少し猶予をくれないか?

 今、人を呼ぶから、申し訳ないが、しばらく別室で休んでいては
 もらえないだろうか?」

端麗な容貌の王子に、にこりともせずにそう言われると、ゴーザンは
明らかに落胆した表情を見せました。
カオルンが落ち着かない様子でレイに視線を送ると、レイは薄笑いを
浮かべ、肩をすくませました。

(なんだか、愛想のないヤツ…
 あたし、こんな人とうまくやってけるのかしら?)

カオルンは急に不安になってきました。
思わず、持っていたカバンを胸元に引き寄せ、ぎゅっと握りしめました。
その途端、アッという顔をして、慌ててカバンを開けると、ゴソゴソと
何かを探し始めました。

そうこうするうちに、衛兵がバタバタとやってきました。

「王子! お目ざめになられたのですね?」

嬉しそうに尋ねる衛兵に

「あぁ、ここにいる者たちが手を貸してくれた。
 あとで、父に取り次ぎたいが、まずは客人には別室でくつろいで
 もらってくれ」

と、王子は命じると、もう用は済んだとばかりにスタスタと部屋に
戻ろうとした。

そのとき、カオルンは、ようやく見つけた小さな革袋を逆さに振り、
手のひらに何かを受け止めました。


『おいおい、お前たち…
 俺のことを忘れちゃいないかぁ?』


その場にいた者は、一斉に、声のするほうに注目しました。

声の主は、カオルンの手のひらに乗った、髑髏の意匠が施された
指輪でした。
部屋に戻りかけていた王子もおやっという具合に顔を向けました。

「バルザ!」

王子は驚きの表情で、その指輪に呼びかけます。

『よぉ、コーガ、久しぶりだな。

 俺は、お前との約束をちゃ~んと果たして戻ったぜ!』

カオルンの手のひらの上で、指輪が王子に親しげに声をかけます。
王子は、カオルンにぐいっと近寄り、厳しい顔で問い詰めました。

「これは俺の指輪だ。
 なぜ、お前が持っている?」

咬みつくように言われて、カオルンは首をすくませます。

『なぁんて言い草だ?
 せっかく、俺様をここまで運んできてくれたっていうのに…
 それじゃぁ、このお嬢さんが怖がるだけだろう?』

バルザに咎められて、王子はバツが悪そうにしました。
そして、

「怒鳴ってすまなかった。
 これは俺のものだから、返してもらうわけにはいかないか?」

と、言葉を改めて、穏やかにカオルンに話しかけた。
間近で見つめる王子の視線にドキドキしながら、カオルンは答えました。

「もちろんです。
 そのために、あたしはここまで来たんだから」

「そうか、ありがとう…」

桜色に上気した頬のカオルンに、王子は礼を言い、カオルンから指輪を
受け取ると、自分の指にはめました。

『やれやれ、ようやくお前の指に戻って来れたか…
 長い旅だったぜ』

バルザはホッとしたように言いました。
そんなバルザに、王子は言います。

「どういうことか説明しろ」

『まぁ、そう慌てるなって…

 そうだな、まずは…
 化け物の罠に落ちてお前が眠りにつくときに、お前が俺になんと
 言ったか覚えているか?』

「あぁ、もちろんだ」

そう言ったきり黙る王子だが、そんなことにも慣れているように、
バルザは話を続けました。

『お前は、「俺を救う者を連れてこい!」と言って、俺を城の外に放り
 投げたんだったよな?

 だから、俺はこうして、

   お前に一身を賭して仕えてくれる有能なバトラー、と
   お前に負けずとも劣らない凄腕のナイト、と
   お前を眠りから覚まし、お前の心を照らす光となるレディ

 を、連れてきてやったんだぜ?
 お前がこうして目覚め、化け物を倒せたのは間違いなく、この者たちの
 お蔭だ。
 だから、お前は、この3人を丁重に扱うように!
 わかったな?』

王子は指輪の話に耳を傾けると、まじまじと3人を見つめました。
そして、おもむろに口を開きました。

「バルザは、代々サエジーマ国の世継ぎが継承する大事な指輪だ。
 その指輪をこうして届けてくれて、まずは礼を言う。

 それから、お前たちにとった俺の言動を詫びる。
 すまなかった」

王子は、指輪の言うことに素直に従いました。

「そして、ゴーザン…だったか? お前と、そこの剣士の願いに
 ついては、考慮したうえで、できるだけ期待に添えるように
 取り計らうことを約束する」

王子の言葉を聞き、ゴーザンは嬉しそうにニコニコとし、レイは
小さくガッツポーズを作りました。

「ただし、そこの娘については、待ってくれ。
 残念ながら、俺は今、女のことなど考える余裕はない…」

王子は真っ直ぐカオルンを見つめ、きっぱりと言い切りました。
その瞬間、カオルンは蒼白になりました。
時が止まったように誰もが息を詰め、身動きひとつしません。

が、次の瞬間、

「そ、そうですよね…
 あの… あたし… えっと、帰ります。
 すいません、お邪魔しました!」

カオルンはそう叫ぶように言うと、ガバッとお辞儀をして、その場から
駆けて行ってしまいました。



to be continued(7へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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