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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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解熱(おまけ)

すいません!
いらないかなぁ~ と思いながら、勢いに任せて書いちゃいました。
「おまけ」と言う名の「蛇足」です。

途中、鋼牙さんが、「もしも~し、大丈夫ですかぁ?」と聞きたくなるような
(イメージを壊すような)行動をとるので、幻滅するのがおイヤな方は、
回れ右でお願いします。

拍手[32回]


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

カオルの体調が回復して数日後。
その日はホラー殲滅の指令もなく、冴島邸も穏やかな夜の時間を刻んでいた。


  コンコン…

鋼牙の部屋のドアを密やかにノックする音。

「開いているぞ」

中から鋼牙の声が聞こえた。
ドアノブを握ったカオルは、自分を奮い立たせるように、よし、と小さく
呟いてから、思いきってドアを開けた。

だが、室内には誰もいなかった。

そんなはずはない、と、カオルは部屋に入って、後ろ手にドアを閉め、
辺りを見回した。

すると、すぐ脇にあるバスルームのドアが少し開いていて、そこから声が
掛けられた。

「なんだ? 何か用か?」

声に続いて、乾かしかけのまだ半分濡れていて、バサバサな髪のままの
鋼牙が顔を覗かせた。

普段あまり見ることのない、無防備な鋼牙を垣間見て、カオルの鼓動は、
トクン、と跳ねた。
少し赤くなってうつむき加減で、カオルは言った。

「ゴンザさんがね、お風呂あがりに水だけではいけません、って。
 これを持って行くように言われたの…」

そう言いながら、手に持っていたイオン飲料のボトルを鋼牙に差し出した。

「そうか…
 すまないが、適当なところに置いといてくれないか」

そう言うと、あっさり鋼牙はバスルームに戻り、ドライヤーのスイッチを
入れた。

(何、その態度!
 せっかく持ってきた、っていうのに、かける言葉はそれだけ?!)

少しムッとしながらも、ベッド脇のサイドボードにボトルを置いた。

  ドンッ

「ここに置いとくねーっ」

ちょっぴり自棄(やけ)になって、大きな声で言った。
バスルームからはドライヤーの音をB.G.M.にして、

「あぁ」

という返事が聞こえてきた。
あまりなあしらわれ方に、カオルはぶつぶつと文句を言った。

「なによ。
 ゴンザさんの言っていた、鋼牙の ’熱’ ってヤツを、そろそろ聞かせて
 もらってもいいかなぁって思って、こうして来たっていうのに!」

すると、ドライヤーの音がぴたりと止まり、鋼牙が顔を覗かせた。

「何か言ったか?」

カオルは今の言葉を聞かれたのか、と驚いて、しどろもどろになりながら
言った。

「う、ううん、何にも言ってないよ。
 あっ、あたし、これでもう失礼するね。 おやすみ!」

急ぎ足で部屋を横切り、ドアのところまで来たカオルは、ドアノブに手をかけ、
勢いよく引っ張った。
だが、ドアはびくともしない。
あれっ、と、もう少し強く引っ張るが、やはり結果は同じだった。
そのとき、背後に気配を感じて振り返ると、鋼牙がそこにいて、ドアの上の
ほうを腕で押さえているのが見えた。

思わず、ザザッと後ろに下がるが、すぐにドアにドンとぶち当たってしまい、
これ以上は下がれなくなる。

  袋のネズミ…

そんな言葉がカオルの脳裏に浮かんだ。

猫…(じゃなかった!)鋼牙はぐいっとカオルに顔を近づけたので、カオルは
思わず、ひゃあっと首をすくめた。

「’熱’ とかなんとか聞こえたが…」

ものすごく近くで聞こえる鋼牙の声に、カオルは思わずぶるっと震えが来た。

(あんなに小さな声が聞こえてるなんて、どんな地獄耳よ…)


ぎゅっと閉じていた目を少しずつ開けて、恐る恐る鋼牙を見る。

鋼牙はカオルをじっと見ていた。
特にいつもと変わりのない、穏やかな目だった。
その目に助けられて、少し勇気が出た。

 ごくり…

息を飲んでから喋り出す。

「あたしが軽い熱中症でダウンしたとき…
 ゴンザさんが言っていた、鋼牙がなかなか外に出そうとしない ’熱’ の
 こと… 覚えてる?」

恥ずかしくて、ついつい俯きそうになるカオル。
一方、鋼牙は、あっ、という顔をして、視線が泳がせた。

その反応に力を得て、カオルはさらに言った。

「あのときは、あたしもまだ本調子じゃなかったから、なんとなくうやむやに
 なっちゃったんだけど、もう少しちゃんと聞いてみたいと思って…」


鋼牙は少し考える素振りを見せていたが、すぐに、何も言わずにくるりと
向きを変え、バスルームに入っていった。

(ちょ、ちょっと、なんで逃げるの!)

カオルも慌てて、鋼牙の後を追って、バスルームのドアをくぐった。
すると、


  ぶぉ~~~っ


顔を掠めて、温風がカオルに向かって吹いてきた。
前髪が踊りだし、髪が後ろにたなびく。
鋼牙がドライヤーをカオルに向けているのだ。

「な、なに!」

怪訝な顔でカオルは尋ねる。
いったい、なんだというのだ???

ドライヤーのスイッチをカチリと切った鋼牙がぼそりと言った。

「ドライヤーだ」

「… へっ?」

要領を得ないカオルに、鋼牙はもう一言付け足した。

「これで ’熱’ を感じられるだろう?」

「… 何、それ?」

「…」

真顔で問い返されて、鋼牙の耳がどんどん赤くなった。

「もういい。 忘れろっ」

ドライヤーを洗面台に乱暴に置き、鋼牙はカオルの脇を抜けてバスルームを
出た。
きれいにベッドメイクされたベッドに飛びこむと、カオルに背を向けて、
ケットをかぶった。

最初、茫然としていたカオルは、やがてプッと吹き出した。
クスクス笑いながら、鋼牙のそばにくると、

「ねぇねぇ、それ、今、考えたの?」

と鋼牙の肩をゆさゆさと揺すった。

「ドライヤーの熱だなんて…
 そんなに、鋼牙の ’熱’ は外に出したくないの?
 ねぇ、ったら~」

なんだか自分が鋼牙より優位に立った気がして、カオルは嬉しくなってきた。
ケットにくるまる鋼牙の顔を見てやろうと、ぐいぐい引っ張った。

しばらく、綱引きのようにケットを引っ張り合うことになったが、鋼牙が
いきなり、パッと手を放した。
突然のことで、カオルはその反動でバランスを崩し、後ろにひっくり
返りそうになった。
そのカオルの腕を鋼牙はぐいっと掴み、自分のほうに引き寄せた。

あっという間に形勢は逆転。

ベッドから上半身を起こした鋼牙に抱きとめられるような恰好になった
カオルは、

「ご、ごめんなさい。
 ふざけ過ぎちゃった」

と謝った。
そそくさと身体を起こそうとするカオルだったが、鋼牙は離さなかった。

(えっ…)

驚くカオルに鋼牙の顔はすでに至近距離だった。



カオルの唇に、熱を持ったものが押し付けられた。

「どうだ、解ったか?」

少し離れて鋼牙が言った。
唇が動くたび、微かに唇が触れるくらいの距離で。

「…熱いね」

カオルは一言言うだけが精一杯だった。

「伝わったなら、それでいい…」

カオルを引き寄せていた腕の力をふっと抜いた鋼牙だったが、

「!」

すぐに驚きで手を止めた。
カオルがしがみついてきたのだ。

「カオル?」

そっと声を掛ける鋼牙に、カオルはおずおずと顔をあげた。

「まだ、足りないよ…
 もっと…  ううん、あと少しでいいから…」

あとは言葉にならず、カオルは鋼牙の胸に顔をうずめた。

中途半端な位置で止まっていた鋼牙の手が、改めて、自分の胸の中の
あったかいカオルの身体をしっかりと抱きしめた。



ふたりは自分の体温が上がったのを感じた。
何も考えられず、ただ目の前の相手のことだけを見て、触れて、感じたいと
思った。

あとは、そう… この熱を解放すれば、それだけでいい…



to be continued(おまけ2[大人限定]へ)
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


お粗末様でした。

このまま大人限定に突入しようか! と思いつつも、
「長くなったから、いったん切るか。
 でも、おまけのくせに、to be continue もないよね」
と考え直して思いとどまりました。

もうちょっと読みたかった…
そんなとこでやめておくのがいいのでしょう。(…と自分に言い聞かせる)

さて、さて、この続きは、みなさまの妄想でどうぞ… (にやり)
コメント
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コメント
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あらら~、今度はカオルさん
こんばんは、selfish様。
熱中症がなおったカオルさん、絶好調になったのですね。*^^*
最初は、どこまで「熱」の意味がわかっているの?と疑いたくなるような言動で、ちょっと、鋼牙さんを煽っていますよね。それに照れて、ごまかす鋼牙さんが可愛らしいです。さらに煽られ開き直った鋼牙さん、これは大変、鋼牙さんの熱に火をつけちゃて、これは押し切られちゃうよ~と思いきや、珍しくカオルさんのほうが積極的。
いつにもまして幸せな鋼カオを妄想させて頂きます。_o_

Mie 2013/08/29(Thu)22:27:35 編集
Re:あらら~、今度はカオルさん
Mie様、コメントありがとうございます!
鋼牙さんのお寒いギャグ(?)は許容範囲でしたでしょうか? (苦笑)
ア~ンド、恥ずかしさのあまりベッドに潜り込む鋼牙さんもセーフですか?
どちらも公式ではあり得ない姿だと思いますので、そこをどう受け止めてもらえるのかがとっても心配でしたぁ~

おっとっと、カオルちゃんを熱く見つめる鋼牙さんだって、そもそも公式では「レア」ですね! (笑)
【2013/08/30 20:42】
無題
大変ご無沙汰、いたしております、鋼カオルのお話をたくさん書いていただき感謝、鋼牙とトオルの熱が発散されることを説にねがいます。ただいま,スポンジが水をずうようにお話をむさぼってを利増す。姑と二人で転びうでを折しばらく別荘というなの病院におり少し前にかえってきましたが家のなかの掃除やらもろもろでお便りが大変遅れました、うれしいこともあり、鋼牙人形が留守のあいだに届いており感激、もうひとつショクなことを娘に言われガーン、携帯でお母さんのいつも見ている
話し見れるよ、ああ、早くいってよ、知らないこと無知はずかし、読める喜び、家はいい。
かままま 2013/08/29(Thu)23:07:00 編集
Re:無題
かなまま様、コメントありがとうございます!
週明けにはいつも、「かなまま様からコメントないかな?」とお待ちしていたのですよ!
「やった~ かなまま様からのコメントだ!」と喜んだのも束の間… なんとまぁ、大変のことが起こっていたのですね。
まだ痛むのでしょうか?
お大事にしてくださいませ、ね。

携帯でも読めますけど、多分、うちのサイトは非常に読みにくいと思います。
selfish は、意図的に改行を入れているので、変なところで改行されていたり、「:」だらけで画面が占領されたり…
やっぱり、ご自宅でPCでご覧になるのが、一番リラックスできていいですよね?
お帰りになられても、のんびり… とはいかないでしょうが、ご自分のペースでゆるゆる参りましょう!

まぁまぁ、「熱解放」を希望する声がここにも…
貴重な声に感謝、感謝です。
書けるかなぁ~ う~ん 書けるかなぁ~
【2013/08/30 20:48】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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