きんのまなざし ぎんのささやき
牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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dear friend
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
「亜佐美~っ! ちょっと待ってぇ~!」
その声を聞いて、振り向いた亜佐美は足を止め、にこっと笑顔を浮かべた。
鞄をカタカタさせながら、カオルが亜佐美に向かって駆けてきていた。
「はぁ~っ、やっと追いついた!」
「カオル、先生との話は終わったの?」
「うん、まあね…」
この日、カオルは、高校卒業後の進路について、放課後、担任と話し合う
ことになっていたのだった。
両親のいないカオルは、当初、卒業後は進学せず、就職するつもりでいた。
だが、先日の文化祭で、カオルの描いた絵を認めた男性が、経済的な支援を
申し出てくれたことで事態が一転した。
憧れでしかなかった美大進学が、実現する可能性が見えてきたのだった。
亜佐美と合流したカオルは、担任との間で交わされた会話の内容について、
親友にいろいろ話して聞かせた。
一通り話し終わると、今度は亜佐美の番。
「ばっちり仕事してぇ~
きっちりお給料もらってぇ~
しっかり遊んでぇ~
収入も顔もスタイルもイイ男をつかまえるのぉ~!」
「え~っ、ちょっと欲張り過ぎなんじゃないのぉ?」
「い~や、この亜佐美様ならできる!
ぜ~ったい幸せになるんだから~!」
ふたりは横断歩道に差し掛かった。
会話はどんどんヒ~トアップする。
身振り手振りも大きくなり、こづき合い、ぶつかり合いながら階段を
上がっていく。
会話も絶頂を迎え、周囲のことなどお構いなしとなったとき、
「おいっ!」
ふたりの後ろから、不機嫌そうな男の声。
驚きのあまり、足が止まり、それからゆっくり振り返る亜佐美とカオル。
男… と言っても、ふたりとはそれほど年が離れていない、せいぜい
1~2歳上かもしれないという程度の若い男だった。
「邪魔だ!」
ふたりの視線を物ともせず、険しい視線と短い言葉を投げつけた。
それから、固まったままのふたりの間を強引に割って入り、あっという間に
前方へすり抜けていった。
「…」
「…」
言葉もなく、男を見送るふたり。
やがて、ゆっくりお互いを見る。
「びっくりした~」
カオルが目をまん丸に見開いて呟(つぶや)く。
「なに? あれ…」
眉をしかめて、吐き捨てるように言う亜佐美。
だが、次の瞬間、目をキラキラさせて言う。
「でも、わりとイイ男だったよね?」
「え~っ!
あの一瞬でそんなとこ見るぅ?」
亜佐美の言葉に、前を歩く男の姿を目で追う。
だが、男は振り返ることなく足早に歩いていた。
もはや顔はわかりようがないが、ぴたっと身体に沿った黒いシャツの
背からは、その下にある筋肉のしなやかな動きがよくわかった。
見せるための筋肉ではなく、使うために必然的に鍛えられた美しい
筋肉だった。
「顔はわからないけど、イイ身体してるなぁ…」
「ちょっとぉ、カオル!
そんな台詞、他の人が聞いたら驚くよ!」
「あっ、いや、絵のモデルになってくれないかな~ってだけなんだけど…」
ふたりは目を見合わせて笑いあった。
「はいはい、 カオルちゃん。
受験まで時間がないんだよ?
どんどん描いて、ぜ~ったい、美大に受かりなよ!」
「うん、あたしがんばるよ。
亜佐美も… ううん、亜佐美は大丈夫だと思うけど、がんばってイイ女に
なってね!」
「任せて!」
そこまで言うと、亜佐美はすっと真顔でカオルに言った。
「カオル。
5年後、10年後も今みたいに友達でいたいね。」
「亜佐美ぃ…」
カオルはちょっと言葉に詰まったが、すぐにきっぱりとこう言った。
「今までどおりって訳にはいかないかもしれないけど、亜佐美はずっと、
あたしの大事な友だちだよ。」
亜佐美はちょっと照れくさそうな顔をして、それからニヤっと笑った。
「さて、カオルとの友情を確かめ合ったことだし、次は、さっきのイイ男と
運命の糸の存在でも確かめようかな?」
そう言うなり、亜佐美はダ~っと駆け出した。
「も~っ、亜佐美ったら~」
カオルも亜佐美を追い掛けて走り出した。
(亜佐美ぃ、あたし、絶対、画家になるからね!)
fin
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
鋼牙に出会う前の、高校生だった頃のカオルについて書いてみました。
もう一度言います。
「鋼牙に出会う前」の妄想です。
でも、鋼牙とカオルは幼い頃に実は出会っていた、というシーンが、
小林さんの書かれた「暗黒魔戒騎士編」のノベライズ、第7章「希望」に
ありますね。
それなら、その後も、どこかで1回くらいすれ違ってもいいよねぇ~、
鋼牙もカオルも同じ東の管轄でずっと暮らしていたんだし…
で、生まれたのがこの妄想です。
さぁ~て、この後、カオルたちは鋼牙に追いつけたのでしょうか?
続きは、みなさまの頭の中でど~ぞ!
「亜佐美~っ! ちょっと待ってぇ~!」
その声を聞いて、振り向いた亜佐美は足を止め、にこっと笑顔を浮かべた。
鞄をカタカタさせながら、カオルが亜佐美に向かって駆けてきていた。
「はぁ~っ、やっと追いついた!」
「カオル、先生との話は終わったの?」
「うん、まあね…」
この日、カオルは、高校卒業後の進路について、放課後、担任と話し合う
ことになっていたのだった。
両親のいないカオルは、当初、卒業後は進学せず、就職するつもりでいた。
だが、先日の文化祭で、カオルの描いた絵を認めた男性が、経済的な支援を
申し出てくれたことで事態が一転した。
憧れでしかなかった美大進学が、実現する可能性が見えてきたのだった。
亜佐美と合流したカオルは、担任との間で交わされた会話の内容について、
親友にいろいろ話して聞かせた。
一通り話し終わると、今度は亜佐美の番。
「ばっちり仕事してぇ~
きっちりお給料もらってぇ~
しっかり遊んでぇ~
収入も顔もスタイルもイイ男をつかまえるのぉ~!」
「え~っ、ちょっと欲張り過ぎなんじゃないのぉ?」
「い~や、この亜佐美様ならできる!
ぜ~ったい幸せになるんだから~!」
ふたりは横断歩道に差し掛かった。
会話はどんどんヒ~トアップする。
身振り手振りも大きくなり、こづき合い、ぶつかり合いながら階段を
上がっていく。
会話も絶頂を迎え、周囲のことなどお構いなしとなったとき、
「おいっ!」
ふたりの後ろから、不機嫌そうな男の声。
驚きのあまり、足が止まり、それからゆっくり振り返る亜佐美とカオル。
男… と言っても、ふたりとはそれほど年が離れていない、せいぜい
1~2歳上かもしれないという程度の若い男だった。
「邪魔だ!」
ふたりの視線を物ともせず、険しい視線と短い言葉を投げつけた。
それから、固まったままのふたりの間を強引に割って入り、あっという間に
前方へすり抜けていった。
「…」
「…」
言葉もなく、男を見送るふたり。
やがて、ゆっくりお互いを見る。
「びっくりした~」
カオルが目をまん丸に見開いて呟(つぶや)く。
「なに? あれ…」
眉をしかめて、吐き捨てるように言う亜佐美。
だが、次の瞬間、目をキラキラさせて言う。
「でも、わりとイイ男だったよね?」
「え~っ!
あの一瞬でそんなとこ見るぅ?」
亜佐美の言葉に、前を歩く男の姿を目で追う。
だが、男は振り返ることなく足早に歩いていた。
もはや顔はわかりようがないが、ぴたっと身体に沿った黒いシャツの
背からは、その下にある筋肉のしなやかな動きがよくわかった。
見せるための筋肉ではなく、使うために必然的に鍛えられた美しい
筋肉だった。
「顔はわからないけど、イイ身体してるなぁ…」
「ちょっとぉ、カオル!
そんな台詞、他の人が聞いたら驚くよ!」
「あっ、いや、絵のモデルになってくれないかな~ってだけなんだけど…」
ふたりは目を見合わせて笑いあった。
「はいはい、 カオルちゃん。
受験まで時間がないんだよ?
どんどん描いて、ぜ~ったい、美大に受かりなよ!」
「うん、あたしがんばるよ。
亜佐美も… ううん、亜佐美は大丈夫だと思うけど、がんばってイイ女に
なってね!」
「任せて!」
そこまで言うと、亜佐美はすっと真顔でカオルに言った。
「カオル。
5年後、10年後も今みたいに友達でいたいね。」
「亜佐美ぃ…」
カオルはちょっと言葉に詰まったが、すぐにきっぱりとこう言った。
「今までどおりって訳にはいかないかもしれないけど、亜佐美はずっと、
あたしの大事な友だちだよ。」
亜佐美はちょっと照れくさそうな顔をして、それからニヤっと笑った。
「さて、カオルとの友情を確かめ合ったことだし、次は、さっきのイイ男と
運命の糸の存在でも確かめようかな?」
そう言うなり、亜佐美はダ~っと駆け出した。
「も~っ、亜佐美ったら~」
カオルも亜佐美を追い掛けて走り出した。
(亜佐美ぃ、あたし、絶対、画家になるからね!)
fin
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
鋼牙に出会う前の、高校生だった頃のカオルについて書いてみました。
もう一度言います。
「鋼牙に出会う前」の妄想です。
でも、鋼牙とカオルは幼い頃に実は出会っていた、というシーンが、
小林さんの書かれた「暗黒魔戒騎士編」のノベライズ、第7章「希望」に
ありますね。
それなら、その後も、どこかで1回くらいすれ違ってもいいよねぇ~、
鋼牙もカオルも同じ東の管轄でずっと暮らしていたんだし…
で、生まれたのがこの妄想です。
さぁ~て、この後、カオルたちは鋼牙に追いつけたのでしょうか?
続きは、みなさまの頭の中でど~ぞ!
コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
ご覧になるにあたって
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