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きんのまなざし ぎんのささやき

しあわせな日々

今週も疲れたぁー 疲れ切ったぁー
けれども、まだ、もう1週間がんばらねば…
(はい、完全に、こっちの話です)

仕事がなかなか終わらんことに加えて、月虹は鑑賞できなかったし、金狼感謝祭もなかったし、暗い気分で秋が終わったー
こんなときは… うん、そうだ! 妄想だよね!?




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たったったったっ

草丈の幾分高い緑の芝の上を掛けていく軽い足音。
白い靴下に、白い運動靴を履いた小さな足が、冴島邸の庭を掛けていく。

名も知らぬ黄色い小花の先にテントウムシを見つけて足を止めた少年は、母親譲りの大きな瞳を好奇心で輝かせている。
細い足をせわしなく動かして花のてっぺんまできたテントウムシが、一瞬動きを止めてから、光沢のある硬い羽をパカッと広げ、その下の薄羽をはばたかせるとあっという間に茂みを超えて飛んでいった。
それをにっこりと笑って見送った後、少年は再び駆けだした。
向かったのは、庭を超えた雑木林の中。

梢を渡る風の音。
どこにいるのか姿は解らないが楽し気にさえずる鳥の声も聞こえる。

カサッ
小さく聞こえた葉擦れの音に目を向けると、少し離れたところに鹿の姿を見つけた。
耳を小刻みに動かし、臆病そうな目をこちらにじっと向ける鹿と少年は見つめあう。

(驚かせてごめんね?
 大丈夫だよ、僕は何もしないから…)

心の中で、鹿に語り掛ける。
けれども、それは鹿には届かなかったのか、鹿は茂みの中へと消えていった。

「あ~あ、行っちゃった…」

眉尻を下げて残念そうに少年は呟いたが、すぐに気を取り直して、興味に任せて雑木林の中を歩きまわった。





やがて、喉の渇きを覚えた少年が、屋敷への道を戻り庭の端にたどり着いた。
そして、すぐに庭の隅にあるガーデンチェアにある人物の姿を見つけて、嬉しそうに笑みをこぼした。

「お母さん!」

そして、一直線に駆けだした。
母親は向こう側を向いて座っているので、まだ少年に気づいていないようだ。
そこで、少年は足を止め、気配を隠してそっと近づく。

背後からゆっくり回り込んで、「お母さん!」とその膝に飛びつこうとしたところで、少年の目は驚きで見開かれた。
母親は、読みかけの本を膝に開いたまま、眠っていたのだ。

少年はその場にしゃがんで、ちょっと首を傾げながら、下から母親の顔を覗き込んでみた。
ポカポカと温かい日差しの中でまどろんで、きもちいいのだろう。
うっすらと笑みを浮かべた母親の寝顔は、少年の目から見ても少女のようにあどけなくてかわいらしかった。

しばらくにこにことその寝顔を眺めていたが、すっと冷たい風が吹き抜けた。

(お母さん、このままじゃ風邪ひいちゃう!
 でも、起こしたくないなぁ…)

そう思った少年は、屋敷へと走り出した。
どうしたらいいか、執事に聞こうと思ったのだ。
この家の執事は、おいしい料理も作ってくれて、なんでも知っていて、両親が仕事で忙しい時でもいつでも少年のそばにいてくれる大事な存在で、少年は大好きだった。

「ゴンザぁ! ど~こ~?」

庭に面したフランス窓を潜り抜けて、執事の姿を求めて屋敷を歩き回る。

すると、玄関のほうでドアの開く音がしたので、少年は掛けていった。

「あっ、お父さん!」

たった今、外から戻ったらしい父親の姿を見つけて、少年は駆け寄る。

「おかえりなさい!」

背の高い父親を見上げるようにしながら、嬉しそうな笑顔を向ける。
すると、父親もふっと表情を和らげて、大きな手をポスッと少年の頭に乗せてくしゃっと撫でて、

「ただいま」

と言った。
そんな親子のほほえましい出迎えのシーンを

『よお、雷牙、いい子にしてたか?』

という揶揄(からか)うような声がぶち壊す。

「おかえり、ザルバ」

少年はムッと顔をしかめながらも魔導具に応じた。

『ゴンザを探していたようだが、どうした? 腹でも減ったか?』

それを聞いて、少年はハッとして父親を仰ぎ見た。

「お父さん、あのね、お母さんが庭で寝ちゃってるんだ。
 すごく気持ちよさそうなんだけど、ちょっと寒くなってきたから…
 ねぇ、どうしたらいい?」

首を傾げながらそう問いかける少年の顔は、気づかわし気に表情を曇らせていた。
それを聞いた父親は、

「どこだ?」

と尋ね返した。
すると、

「こっちだよ!」

と少年は父親の手を引いて、庭のほうへと向かった。





庭に出ると、先程と同じ平和そうな顔で眠り続ける母親の姿があった。
ねっ? とでも言いたげに、少年は父親を振り返る。
父親は、少年の肩に手を置き、声をわずかにひそめて

「母さんを寝室に運ぶ…」

と言うと、起こさないようにそっと母親を抱え上げた。
大きくゆったりとした足取りで運ぶ父親の前を、少年は小走りに先導し、フランス窓を開けて父親の進路を確保する。
もちろん、階段を駆け上がり、寝室のドアも支えて父親を待っている。
寝室に入ると、父親が

「雷牙、布団をめくってくれないか?」

と言うので、うん、と大きくうなずいて、ふかふかな大きな布団を身体全体を使ってめくった。
そっと母親が降ろされると、その寝顔を覗き込んで、穏やかな寝息を刻むその姿に満足そうな笑みを父親に向ける。

「ゴンザに、今日のお茶の時間は母さん抜きだと伝えてきてくれ」

そう言われた少年は、うん、とうなずいて、一足先に寝室をあとにした。




けれども、少年は去り際に、そっと振り返った。
すると、ドアのほうに背を向けて立っていた父親が腰を折り身をかがめて、母親の顔に自分の顔を近づけていた。

それが何を意味しているのか、少年は深く考えなかったけれども、なんとなく、嬉しいような楽しいようなわくわくする気持ちを覚えて、弾むように駆けだしていた。




そんな…
そんな穏やかで温かくて幸せな日々が、この先もずっと続くのだと思っていた。
それなのに…



それからひと月と経たないうちに、母親は、庭に出現した禍々しい黒雲の中に吸い込まれ、父親もまた大事な人を救うべく黒い渦へと姿を消した。

「必ず戻る。信じて待ってろ」

その言葉を残して。



父を早くに失うのは、魔戒騎士の家に生まれた悲しい宿命なのかもしれない。

「お父さん…」

少年は、父を、そして母から引き離された不安や悲しみを、拳を握りしめ、唇を噛み締め、耐え忍ぶ。
そして、熱い決意を胸にして前を向く。

その目は、もう少年のそれではなく、ひとりの男の強い意志を持った目だった。


fin
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すいません。なんだか支離滅裂ぅぅぅ
雷牙くんが覗き見たパパとママのちょいとラブいシーン♡ を妄想してたんですけど、最後の最後になって、いきなりの暗い展開に…
あー、駄目ですね。 盛り上がらないまま秋が終わったことが、selfishの心に影を落としてるみたいです。う~む~

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も8年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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