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きんのまなざし ぎんのささやき

昨日は昨日 今日は今日(4)

いよいよ、入浴シーンで~す!



でも、少しも色っぽい話はなし…  orz (がっくり)
なぜ、こうなっちまうんだろう…
自分でも解らないんだよ~~~   (涙)

まぁ、その目でお確かめくださいませ。
そして、selfish を罵倒するなり、叱責するなり、ご存分にしてくださいませ。



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カオルは、浴室に入ると、真正面にある大きな鏡に映った自分の顔を見て、
うわぁ、と驚き、そして落ち込んだ。
肌の色もハリもひどく悪く思えた。
そして、とても暗い目をしていた。

(あたしが画家だったら、こんなコ、モデルにして絵を描こうなんて、
 とても思えないよ…)

自嘲的に笑った。

ふと、また、あのお見合い写真の女性の顔が浮かぶ。

(きらきら光り輝くような眼をしてたっけ…)

慌てて首を振る。

また、鏡に映る自分を見た。
すると、途端にいろいろなところが気になりだした。

絵筆をふるうには十分だが、拳(こぶし)を振り払うにはひ弱な腕。
筋肉らしいものはほとんどありそうもない、ペッタンコの青白い腹。
鋼牙と並んで走ることなど、とてもできそうにない貧弱な脚。

(どうせなら、胸だけでもあればよかったのに…)

そっと、自分の乳房を掴んでみる。
この点においても、邪美に負けている気がした。

(もうダメ。
 完全に打ちのめされた…)

カオルは、なみなみと湯が張られた浴槽に、みすぼらしく感じるその身体を
静かに沈めた。

(はぁ、あったかい。
 気持ちいいな…)

間違いなくそう思えた。

なのに、カオルの瞳からは涙がポロポロとこぼれた。
カオルにはどうすることもできず、そのまま涙が出るのに任せた。
涙のバルブが壊れてしまったのか、自分の意思では止められなかったのだ。



しばらく後。
気のすむまで泣いたら少しスッキリした。
もう少し頭をクリアにしようと思い、湯船からあがり、顔を水で洗ってみる。

(鋼牙は黄金騎士、牙狼の継承者。
 由緒正しい正統な魔戒騎士の家の出身なんだわ)

クリアになった頭でカオルは考えた。

(鋼牙のお嫁さんの座を射止めたいって考える魔戒法師の女の子がいても
 おかしくないよね)

ましてや、閑岱の地に現れた鋼牙を間近に見て、その容姿、プロポーション、
ひょっとしたら、闘いぶりまで見ることができたら、魅力を感じない娘は
そうはいないのではないか?

(あたしには、鋼牙を守る力も、役に立つような術も何にもないもん…

 鋼牙も、邪美さんみたいに腕の立つ魔戒法師が公私ともにサポートして
 もらえたらいいよね、きっと)



少し前まで、カオルがイタリアに絵の留学をしていて、遠く、長く離れていた
わけだが、その頃には、こんなこと考えもしなかった。

鋼牙が必ず待っていてくれるという確信もなかったけど、なぜだか不安は
少しもなかった。
カオルも鋼牙も、自分のやりたいこと、果たすべきことを見据え、日々努力を
惜しまなかった。
そして、相手もきっとそうであろうという、妙な確信だけがあった。
だから、自分の気持ちを疑ったり、相手の気持ちに疑問を持つこともなかった
のかもしれない。

(でも、今は…)

今は、同じ屋根の下にいるのに、心がこんなにもザワついている自分を
感じていた。

(鋼牙のそばにいる資格って、あたしにあるんだろうか?

 「血に染まりし者」だったあたしを…
 「メシアのゲート」にもなりかけたあたしを救うために、鋼牙を傷だらけに
 してしまったあたしに…)

湯で温まったはずのカオルの身体だったが、いつしか芯まで冷え切って
しまい、カオルは、自分の腕で自分を抱いた。

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今宵も番犬所からの指令でホラーを切り捨て、帰宅したばかりの鋼牙は、
屋敷の廊下で、風呂上りのカオルにばったり出会ってしまった。

カオルは一瞬、今にも泣きそうな顔を見せ、それから、バスタオルを頭から
かぶり、鋼牙の視線を避けた。

「おかえり…」

震えるようなか細い声を残し、カオルは通り過ぎた。

カオルは痛々しく傷ついているに違いないと、鋼牙はそう確信したが、
湿った空気をまとったカオルを、きれいだ、と素直に思った。

(それに引き換え、俺は…)


カオルと入れ違いに風呂に入った鋼牙。
風呂の鏡で見る鋼牙の全身には、あちこちに大小様々な傷や傷痕があった。
傷ばかりでなく、打ち身の痕もそこかしこにあった。
先ほどのホラーとの闘いでできたばかりのものも、数日前にできたものが
どす黒く変色したものも。

目に見える傷跡は、人々を守り、ホラーを倒したという証(あかし)であるかも
しれないが、今の鋼牙には、自分の未熟さの証拠のように思えてならなかった。

(傷跡よりも何よりも…

忌まわしいのは、身体に染みつくホラーの邪気…)

日夜を厭(いと)わず、ホラーを追いかけ、ホラーを狩る魔戒騎士には、
目に見えないものの、そのホラーの邪気がじわじわと身体に蓄積されていく。
鋼牙のように強い魔戒騎士になればなるほど、邪気の強い、やっかいな
ホラーを相手にする機会が多々巡ってくる。

どんなに湯を浴び、身体を擦(こす)りあげても、自分の手ではどうにも
消せやしないホラーの邪気。

己(おのれ)に染みついた邪気を、これまではそれほど疎(うとま)ましく
思ったことはなかったが、カオルと出会って、鋼牙の感じ方が変わっていた。

ひたむきに夢の実現に向かって努力するカオル。
鋼牙やゴンザにも真正面からぶつかってくるカオル。

そんな普通の人間であるカオルの前では、ホラーに近しく接する自分が、
ひどく汚らわしい存在にすら思えるときがある。

だから…
鋼牙のすべてをカオルに受け入れてもらうことに、いつでも、どうしたって
抵抗を感じてしまうのだ。


「くそっ…」

そんな自分に耐え切れず、思わず苛立ちの言葉を吐き捨て、鋼牙は
湯船にざぶりと身を投じた。



to be continued(5へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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