きんのまなざし ぎんのささやき
牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです
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迷える子狼へ(1)
長かった黄金週間も今日で終わり。明日から仕事か…
さてさて、だらけきった心と身体に ’喝’ を入れるべく、まずは手始めに妄想でもいたしますかねぇ~
(それのどこが ’喝’ やねん! という突っ込みを受けそうですが…)
さてさて、だらけきった心と身体に ’喝’ を入れるべく、まずは手始めに妄想でもいたしますかねぇ~
(それのどこが ’喝’ やねん! という突っ込みを受けそうですが…)
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ここは閑岱の地。
今日も、未来の魔戒騎士を目指す小さな剣士たちが修行に励んでいた。
「「やぁっ、やぁっ!」」
おのおの自分の手になじんだ木刀を構えて、目の前の虚空に向けて何度も何度も気合を込めて振り下ろす子供たちの目は真剣だ。
それゆえ、その子たちを指導する山刀翼にも自然と力が入る。
「一振り、一振りを無駄に打つなっ!
数をこなすんじゃないっ、今より次がよくなるように、積み重ねていくと思えっ!」
子供たちの間をゆっくり歩きながら、必死に剣を振るう子らをよく響く声で鼓舞する。
ひとりひとりの動作に注視していた翼が、ふと何かを見つけて歩みを止めたかと思うと、その険しかった表情がフッと緩む。
翼の視線の先には、こちらに向かって泰然と近づく白いコートの男の姿があった。
冴島鋼牙、その人だ。
翼が子供たちの間を抜けてその隊列の輪から外に出ると、鋼牙も翼の前で立ち止まった。
「久しぶりだな」
「ああ」
「今日はどうした?」
「布道レオがこっちに来ているだろう?
元老院の使いでレオのところにちょっとな…」
「そうか」
確かに、鋼牙の言葉通り、レオは2日ほど前に閑岱にやってきて、そのまま古今東西の魔導書が集められた書庫に籠って何かを調べていた。
だが、翼は、レオの調査している内容については詳細を知らされていなかった。
もしも、翼と知っておいた方がよいことであれば、元老院かレオの口から知らされたであろうから、それ以上関知する必要がないのだというふうに理解していた。
そのため、鋼牙に対しても、それ以上の詮索は不要だと判断して、その話はそこまでとした。
「もし、用事が終わっているなら、この後少し時間を取れないだろうか?
いい機会だから、子ども達におまえを紹介したいと思ってな…」
翼からの申し出に、鋼牙は、
「レオには今しがた会ってきたから大丈夫だ。
だが、修行の邪魔にはならないのか?」
と返事をした。
「ああ。むしろ、黄金騎士の話が聞けるなんて貴重な体験ができて、あいつらも喜ぶと思うぞ」
翼と鋼牙が並んで立つ前に、子供たちが整列している。
どの子も、黄金騎士牙狼の鎧の継承者を、尊敬と憧れを込めたキラキラとした目で見つめていた。
翼からの簡単な紹介と、それ以上に簡単な鋼牙からの挨拶が済むと、翼は子供たちに向かって言った。
「せっかくだからな、鋼牙に何か聞きたいことがあれば、なんでも聞いていいぞ」
そう言ってから、翼は、いいだろ? というふうに鋼牙に目配せをし、鋼牙も、ああ構わない、とでもいうふうに小さくうなずいて見せた。
最初こそ互いに目を見交わしながら遠慮していた子供たちも、ひとりが果敢に手を挙げて質問をし、それに対して鋼牙から言葉を選びながら誠実に答えを返されると、そこからポンポンといろいろな質問が飛び出すようになっていた。
「鋼牙さんは、子どものときから強かったんですか?」
「魔戒騎士になってよかったと思ったことは何ですか?」
「嫌いな修行はありましたか?」
「牙狼の鎧を継承したとき、どんな気持ちでしたか?」
などなど。
次から次へと尽きない問いに、鋼牙は真摯に回答をしていくと、いくばくかの時が過ぎた。
それでもまだ質問したいという子供たちが何人か手を挙げている。
が、翼は手を挙げてそれを制して言った。
「いろいろ聞きたいことはそれぞれあるだろうが、鋼牙も忙しい身だからな、そろそろ終わりにするぞ」
翼のその言葉に、露骨な不満の声こそ上がらなかったが、いくつもの落胆のため息が重なって聞こえた。
「最後に誰か…」
そう言いながら、翼は一同をぐるりと見渡した。
そして、ある一人の少年に目を留める。
「シュウヤ。おまえ、何か質問はないか?」
と尋ねた。
シュウヤと呼ばれた少年は、そのときわずかに目線を下げていたが、翼の呼びかけにハッとして顔を上げた。
そして、翼の視線にぶつかると、すぐにまた視線を避けるように目をそらしたが、それは決して恥ずかしさからそうしたのではなく、何か迷うような表情があるのを翼とともに鋼牙もまた感じ取っていた。
シュウヤはここにいる子たちの中でも、なかなか優れた子だった。
身体はまだできていなかったが、身長だけなら大人と変わらないくらいあり、体格的にも恵まれていて、動きも俊敏で体力もあるだけでなく、思慮分別も持ち合わせていた。
(そろそろ本格的に鎧を召喚するような修行をつけ、この1~2年のうちには召喚できるようになるだろう…)
と翼は考えていて、その将来を楽しみにしている少年のうちのひとりであった。
が、ここ最近、どこか元気がないことが気になってもいた。
何か悩みでもあるのだろうか、と思いつつも、それを自分で解決するのも成長のためと、翼は故意に放っておいた。
そんなシュウヤに、翼は、鋼牙への最後の質問はないかと水を向けたのだった。
しばらく迷っていたシュウヤだったが、決心がついたのか、少年らしいまっすぐな目を鋼牙に向けてから口を開いた。
「俺は、早く魔戒騎士になりたいと思ってます。
でも、少しだけ不安があります…」
最初、はきはきとしていた声が、後半になると少しだけ震え、きゅっと唇を噛みしめた。
それでもシュウヤは、自分を鼓舞するように拳を固く握りしめて大きな声で続けた。
「ホラーを斬ることに迷いはありません。
ただ、人間に憑依して、人の姿をしたホラーを斬ることが俺にできるかわかりません。
鋼牙さんは、迷いはないんですか?
どうやったらためらわずに斬ることができるんですか?」
to be continued(2へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
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