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きんのまなざし ぎんのささやき

Shall we …(2)

会話のシーンってやたらと長くなってしまって、なかなか前に進みませんね。

全回もそうでしたが、すいません、この回もまさしくそういう回です。

何も考えずに書くと、こういう具合にメリハリのないダラダラした感じに
なってしまいます。
読み手のみなさんには申し訳ないなぁ~ と思いつつ、書いてるほうはこれが
結構楽しいので、このまま、ダラダラで行きますよ。



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難しい顔で、ゴーザンは話を続けます。

「ひとりの男の結婚話、というのであれば話は簡単なのですが、一国の
 王子ともなると… 考えなければならないこともいろいろ出てくるのです。

 王子に結婚を申し出ている国の中には、外交上の理由から、無下(むげ)に
 断ることもいかない国もあります。
 そういった国の使者たちに、『王子にその気がないから』などと正直に
 伝えるわけにもいかないでしょ?
 相手も 『そうですか』 と簡単に引き下がるわけにも… ね。

 はてさて、どう断ればいいものかと、周囲の者はいつも頭を悩ませている
 わけなのですよ」

「ふ~ん、そっか…」

うんうんとうなずきながら納得していたレイが、ピンと来たように人差し指を
立てて、自分の考えをゴーザンに話します。

「ねぇねぇ、こういうのはどうかな?

 『なんとなく、その気がない』

 っていう理由が通用しないんだったらさ、

 『王子にはカオルンという相手がいます』

 って言っちゃえばいいんじゃないの?」

レイの言葉に、我が意を得たり! というふうに

「そこですっ!」

ゴーザンはビシリと人差し指を立てて強い調子で言いました。

「王子にとってカオルンが ’特別な存在’ であることを、国の内外に
 知らしめることができればいいのですよ!

 もちろん、条件のよい国の姫君を妃に迎え入れることができれば、
 サエジーマ国にとって、都合がよいことには違いありません。
 ですが、この国は、そんじょそこらの弱小国ではありません。
 婚姻関係がなくても、十分やっていける地力を持っています。

 カオルンは、みなしごですが、とても魅力的な女性です。
 バルザの言う通り、王子の心を照らし、最良の伴侶になるはずの人です。

 …ですが、ひとつだけ問題が」

ここでゴーザンが大きな溜め息をついた。

「なに、なに?」

レイは腕組みを解いて、ゴーザンのほうにぐいっと顔を引き寄せました。

「王子のお心がよく解らないのです。

 なんとなく、雰囲気では王子のお気持ちは解っているつもりなのですが、
 表立って、『カオルンを妃としたい』と宣言したわけでもありません。

 それに、カオルンに聞いても、なんとも曖昧で…

 『好きだ』 とか 『愛してる』 とか 『結婚しよう』 とかいった
 言葉をはっきりと言われたことがないみたいなのです。

 しかも…

 『もし仮に、王子があたしのことを好きだとしても、それは一時の気まぐれ
  なのかもしれないじゃない?』

 などと言うのですよ。

 『それでも、あたしは今、しあわせだよ』

 と笑って見せるカオルンがなんとも可哀相で…」

ゴンザの言葉に、レイが怒り出しました。

「なんだよそれ!
 王子のやつ、そんな曖昧な態度しかカオルンに示してないのかよ!
 それじゃあ、あんまりカオルンが可哀相じゃないかっ」

ゴーザンは慌ててなだめます。

「もし、王子が 『一時の気まぐれだ』 とカオルに言ったのであれば、
 わたくしだって黙ってはいませんよ。

 今のは、仮に、というカオルンの話であって、王子が実際に言った
 言葉ではないんですから、少し落ち着いてください。

 王子としては、ちゃんとカオルンのことを考えているかもしれないの
 ですから…」

レイはまだ面白くなさそうな顔でしたが、ひとまず黙りました。

「とにかく…

 王子のお気持ち次第なのです。
 そのことは間違いありません。

 王子のお気持ちが聞ければ、案外、あっさり全てがうまくいくように
 思うのです」

ゴーザンの言葉に、まだ少し不機嫌なまま、レイが尋ねました。

「でもさ、王子が、本当にカオルンのことを大切に思っていたとして、さ…
 『カオルンのことどう思っているですか?』 なんてストレートに
 聞いても、素直に言うと思うか? 王子のやつ…」

「それは無理でしょうね」

「だろ?」

王子の性格を考えたとき、ふたりの意見はピタリと一致しました。

「でも、わたくし、ひとつ考えたことがあるのです」

「えっ」

ゴーザンはニヤリと笑ってから、口を開きました。

「王子に、お言葉をいただけなくても、態度で示していただいてはどうかと…」

「態度だって?
 それって、どういうこと?」

「舞踏会を開くのです」

「舞踏会?」

「そうです。
 お客様をたくさん呼んで舞踏会を開きます。
 そして、もちろん、カオルンにもその舞踏会に出席してもらいます。

 そして、王子とカオルンが踊ったり、親しげに会話されたり、とにかく
 仲睦まじいところをお客様にお見せするのです。

 そうすれば、王子はカオルンがお好きなのかもしれない、ということが
 伝わると思うのですよ。

 その結果として、たくさん来ている結婚話も断りやすくなると思うのです。
 いえ、うまくいけば、こちらから正式にお断りしなくても、先方の方から
 断りを入れてくるか、あるいは、なし崩し的に結婚話がなくなってしまう
 かもしれません」

「へぇ~
 なかなか、いいんじゃない? そのアイディアは」

感心するようにレイが言いました。

「ほんとにそう思いますか?

 実は、このアイディアについて、レイの意見が聞きたかったのです。
 そうですか…  なかなか、ですか」

ゴーザンは満足そうな笑みを浮かべて何度もうなずきました。

「あぁ、いいと思うよ。

 あとは、舞踏会を開くことに国王が『うん』と言ってもらわなきゃな。

 それと、王子が舞踏会でカオルンと仲のいいところをみんなに見せて
 くれればいいんだが…」

「国王のほうは、わたくしから上手いこと言っておきます。
 王子のほうがかなり難しいかもしれないのですが…

 レイ?
 うまくいくように協力してもらえませんか?」

「もちろん!
 俺にできることなら、なんでもやるゼ!」

「ありがとう…
 よし、それでは、さっそく行動開始、ですな」

「OK!」

ゴーザンとレイは、互いに親指を立てて、笑顔を交わしました。



to be continued(3へ)
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拍手[18回]

コメント
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久々の…
メルヒェン登場!
今回は二人の為に、レイとゴーザンが奮闘するお話の様で、楽しみです!
…いやはや、この二人も苦労が耐えませんねぇ。

さて、おフランスで開催されるジャパン・エキスポに、牙狼が出展されるとか。
どうやら鋼牙版で出展の様なので、個人的には一安心しています。
URL 2013/06/11(Tue)13:03:51 編集
Re:久々の…
レイとゴーザンの口を借りて、「アイツらなにやってんだよ、ったく…」と言いたかったんですよ。
その目的が達成できたので、この先、どうしよ~ な状況です。(苦笑)

おフランスのジャパン・エキスポ。
玲くんが行きますね。
いっぱいいっぱいアピールしてきてほしいです!
言葉の障害なしに、出演者の口からダイレクトにプッシュできますねぇ

ところで…
日本の漫画はフランスでも浸透していますが、特撮ってどうなんでしょうね?
これを気にドド~ンと広がるかしら?
【2013/06/12 08:16】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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