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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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目指せ! 牙狼クイズ王~(1)

久しぶりの妄想です!
PC前の座っていても暑くも寒くもなく快適なので、鼻歌交じりに楽しく妄想が書けそうです~


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 アップテンポなオープニングミュージックが流れる中、マイクを手にして、布道レオと山刀鈴がにこやかに登場してきた。

「みなさん、こんばんは!
 夏の暑さも幾分か和らいで過ごしやすくなってきましたね。
 そんな秋の夜、クイズでお楽しみいただければと思います。
 あっ、僕はこの番組の司会を務めさせていただきます、布道レオです。
 よろしくお願いします」

カメラのフレームに大写しされたレオの顔が、その人の好さが丸わかりの太陽のような笑顔となる。

「そして…」

と隣に顔を向けると、ぐいっと目線を下げる。
レオの目線の先には、小柄な鈴がいた。
鈴はレオに向かって小さくうなずいてから、

「アシスタントを務めます、山刀鈴です。
 このような大役にドキドキしてますが、がんばります!」

とやや硬い表情を崩して笑顔を見せた。
そこで、ぐ~んとカメラがズームアウトされる。
長身のレオと鈴とはかなりの身長差があるため、かなり引いて撮らないと、二人を同じフレームに収めるのが難しいのだ。

さて、鈴の挨拶が終わると、レオが

「では、本日の回答者の方々をご紹介します」

と言い、左手で回答者の座る席へと促した。
そこには5人の回答者が並んでいた。
にこにこと笑顔を見せる者が3人、何が始まるんだと興味あり気にアルカイックスマイルを浮かべた者が1人、そして、見るからに憮然とした顔つきの者が1人…そのミスター憮然の前に立ち、レイが紹介する。

「まずは、我らが黄金騎士、牙狼の称号を持つ冴島鋼牙さん!」

そう言うと、鋼牙の眉間に力が入り、くっきりと深い皺が寄った。
そして、「この茶番はどういうことだ?」とでも言わんばかりの不機嫌さで、レオを睨む。

  ビクッ

思わず、身を引いたレオだったが、それでもマイクを握る手に力を込め、鋼牙に向かい話しかける。

「今日は、鋼牙さんがこれまでに闘ってきたホラーのことなども出題されるので頑張ってください」

「…」

マイクを向けられた鋼牙であったが、その口は横に引き結ばれたままで、何も語ろうとはしない。

「えっと…」

困惑顔のレオが、視線とともにマイクを揺らしていると、それを助けるべく鈴が隣の席へと移動して言った。

「お次の回答者は、御月カオルさんです。
 今の心境を聞かせていただけますか?」

「鈴ちゃん、お久しぶりぃ~ 会えてうれしいよぉ~

 あっ、今の心境だよね?

 あんまり魔界のこととか知らないので、わからない問題がたくさんあるのかなと思うんだけど、がんばろうと思ってます。
 あと、ドキドキもしてるけど、ワクワクもしてます」

そう言って、カオルはレオと鈴に笑顔を向けた。
カオルの笑顔にほっとしたレオが

「カオルさん、今日は楽しんでいってくださいね」

と声を掛けてから、次の回答者へと移っていく。

「3人目の回答者は倉橋ゴンザさんです。
 先代の牙狼である、鋼牙さんのお父様の代から冴島家に仕えている、鋼牙さんを陰で支える有能な執事であるゴンザさんは、クイズでも実力を発揮していただけるのではないでしょうか?」

「いえいえ、滅相もございません。
 わたくしもカオル様同様、魔戒騎士でも魔戒法師でもございませんので闘いに関することはさっぱり…
 それでも、亀の甲より年の功、で何がしかの爪痕を残せればと思っておりますよ、ふっふっふ」

笑いながらカオルと目を見あわしているゴンザも、カオル同様、この場にいることに気分を高揚させているようだ。

「はい、僕はゴンザさんが案外いいところまでいくのじゃないかと、ひそかに期待しているんですよ。がんばってください!」

(さてと…)

レオが移動しながら次の回答者へ掛ける言葉を考えていると、レオより先に声が掛かった。

「よぉ、レオ。
 なかなか司会の役目、板についてるじゃないか?
 おぉ、鈴、しばらく見ないうちにすっかり大人になっちゃって…
 彼氏とかできたか? ん?」

「零さ…「ちょっと零!」」

慌てて呼びかけようとしたレオの声に被さるように、鈴の強い調子の声が響く。
「なんてことを言うの! それってセクハラよ!」

「おおっと、ごめん、ごめん!
 じゃあ、どう言えばいいのかなぁ…」

両手を挙げて降参のポーズを取りながら、ちょっと考える素振りをした零は、

「鈴、きれいになったね?」

とミントグリーンの風が吹き渡るような爽やか笑顔を浮かべて、王子様のようにそう言った。
すると、途端に鈴が頬を赤く染める。

「零ったら何言っているの…」

小さな声で、ちょっと甘えたように鈴が呟き、もじもじしていると、隣の回答者が割り込んできた。

「零、あんまり鈴をいじめないでおくれよ。
 あんたの軽口に慣れちゃいないからね」

「邪美さん!
 あっ、5人目の回答者は邪美さんです。
 魔導具づくりで右に出る者のいないという阿門法師の唯一の愛弟子にして、女性の中では断トツの体術の使い手でもある魔戒法師です」

レオが素早く、邪美の紹介を差し挟む。

「軽口って…
 俺は別にからかうつもりも、適当なことも言っているつもりはないんだけど?
 思ったことを思ったままに言ったまでさ」

「まあね。
 別にあんたが嘘や冗談を言ってるとは思わないが、若い女の子にとってストレートな褒め言葉はちょっとね…
 はぁぁぁ、あんたも罪作りな男だねぇ」

大きく溜息をつく邪美に、おずおずと遠慮がちにレオが話しかける。

「あの… 邪美さん。
 今日はクイズの回答者ということで、自信のほどをお伺いしても?」

向けられたマイクにハッとした邪美は、カメラを見て、ああ、と呟く。

「そうだねぇ、自信かい?
 ホラー相手なら闘い方もわかるってもんだが、クイズっていうのはねぇ…
 まっ、やるだけやってみるしかない、って感じだね」

邪美がわりとまともに答えてくれたことに、レオは内心安堵したため、

「ありがとうございます」

と思わず礼を言ってしまっていた。

「それではこの5人で、牙狼クイズ王の称号を争っていただきましょう!」

レオがひときわ声を張ると、その後を鈴が阿吽の呼吸で引き継ぐ。

「見事、牙狼クイズ王の栄誉を勝ち取った方には、とても素晴らしい商品が用意されています。
 みなさん、がんばってください!」

レオと鈴がにっこりと微笑み、でこぼこなツーショットがカメラに収められた。


to be continued(2へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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