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きんのまなざし ぎんのささやき

目指せ! 牙狼クイズ王~(4)

いよいよ最終問題です。
もう一度牙狼を視聴して、いい問題を探そうと思ってましたが、そんな余裕もなく…
こんな問題でいいかしら? (ドキドキ…)




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すっかり司会業も板についた感のあるレオが、小さく息を吐き、すうっと大きく息を吸った。

「問題…」

少しもったいつけて間(ま)を取るレオ。
その間に、カメラが次々と切り替わり、
  相変わらず無表情の鋼牙、
  厳しい顔をして肩に力の入っているカオル、
  ごくりと唾を飲むゴンザ、
  すっと目を細めた零、
  うすら笑いを浮かべている邪美
を次々と映し出した。

しーんと水を打ったような静けさの中、どんどん張り詰められていく空気。
そんな中に、レオの少し低めの声だけが響く。

「先程、問題の中にも出てきましたが、カオルさんの父、御月由児氏の描いた絵本 ’黒い炎と黄金の風’。
 この絵本の最後のページは白紙となっていますが、カオルさんが鋼牙さんに贈った絵本には、このページにいったい何が書かれていたのでしょうか?」

得点がなんと1万点だという最後の問題が出題された。
けれども、レオが問題を読み終わっても、誰もボタンを押す者はいなかった。

「なに、この出来レース…」とでも言いたげな呆れた顔で邪美を見た零に、邪美はひょいと肩をすくめて見せていた。
ゴンザはというと、少し俯いて、フフフと笑っている。
カオルはなんとも複雑な表情で、鋼牙は… やはり無表情だった。

誰も回答ボタンを押さない状況に、レオは少し焦りつつ回答者たちに声をかける。

「あれ、みなさんどうされましたか?
 あてずっぽうでもなんでも構いませんよ?
 零さん? 邪美さん?」

某音響機器の登録商標であった犬のように、無邪気に首をかしげるレオに、零は大きなため息をつく。

「おまえなぁ…
 こんないかにも誰かさんに答えろ、という問題に、俺たちがあてずっぽうでも答えられるわけないだろ?」

そんな零の返事に、邪美もゴンザもうんうんと頷いている。

「ええっ、そんな~」

情けない声を出したレオは、カオルのほうを見る。

「カオルさぁぁぁん、なんで答えてくれないんですか?
 カオルさんなら分かるでしょ? そのページを描いた張本人なんですからぁ」
両手を組み合わせてお祈りするような恰好でカオルに泣きつくレオに、カオルはすまなそうな顔を見せた。

「ごめんねぇ、レオくん。
 もちろん、あたしは答えを知っているけど、なんていうか… 答えを言いたくないっていうか…」

「え~、どうしてですぅ?」

甘えるようになおも訴えるレオに、カオルはちょいちょいと手招きをした。
そして、自分の口元を手で囲い、内緒話をするような素振りを見せるので、レオはカオルの元に近づいて長身の身体を窮屈そうにかがめ、カオルの口元に遠慮がちに耳を近づけた。
ひそひそとカオルはレオに耳打ちする。

「だって… 答えをここで言っちゃうと、みんなに知られちゃうじゃない?
 それはちょっと、恥ずかしいし… やっぱり内緒にしときたいっていうか…」

そう告げながら、カオルの顔に熱が集まる。
照れ臭そうにぽっと赤くなったカオルは、少女のようにかわいらしかった。

ただ、カオルにとっては残念なことに、彼女は内緒話のつもりだったが、耳ざとい魔戒騎士や魔戒法師の耳にはしっかり聞こえていたし、鋼牙やカオルのことには敏感な有能執事にもおおよその内容は伝わっていた。
けれども、いずれも海千山千の強(したた)かな者ばかりなので、素知らぬ顔を決め込んでいる。



それと… これは後で分かったことなのだが…

回答者にはそれぞれ高性能なマイクがついていて、声をいくらひそめてもきっちりしっかり音が拾われていたのであった。
そう、もちろん、カオルの言葉も…
だが、幸いなことにこの番組は生放送ではなかったので、カオルの発言が即座にお茶の間に音声が流れたわけではなく、編集時にそのまま放送するかどうか、スタッフの間でかなり白熱した議論が展開されたのだった。
でもまあそれは、カオルの「やめてください-っ 恥ずかしくて死んじゃいますーっ」という必死の訴えと、誰かさんの鶴の一声により、ピー音を上から被せることで片がついたのはここだけの話である。



さて、話が少しそれてしまったが、クイズの収録現場に戻ろう。

カオルの話を聞いたレオはものすごーく困っていた。
てっきり、カオルさんが回答して「ハイ終了!」となるのだと思っていた。
けれどもカオルさんは回答したくないという。

(それならば… もうひとりの当事者のアノ人に頼るしかないか…)

レオはドキドキしながら、最後の望みである鋼牙をチラッと見た。
けれども、鋼牙は収録開始当初からの ’知らぬ存ぜぬ’ の態度を変えておらず、レオと視線を合わせようとしない。
それでもめげずにレオは、じりじりと鋼牙のほうに近づき、身体を傾けてなんとか鋼牙の視界に入ろうと試みる。

ひょいひょいと鋼牙の正面になんとか顔を割り込ませようとするが、鋼牙はレオを避けるように右に左にと顔を背けている。
それでもめげずに鋼牙の前をちょろちょろと動き続けるレオに、鋼牙はだんだん焦れてきた。

(よし、あとひと踏ん張り!)

そう思ったレオは、思いっきり情けない声で

「鋼牙さぁぁぁん」

とすがりついた。
すると、それまで無言を貫いていた鋼牙が、

「俺は答えるつもりはないっ」

と低い声で言った。
それでも、レオは諦めずに子犬のような目で

「でも、そこをなんとか…」

と追いすがるので、鋼牙は最後には、

「はぁぁぁぁ」

と大きく深い溜め息をついて、

「仕方ないな…」

と呟くことになった。

「えっ、いいんですか?」

鋼牙が態度を軟化させたことにパッと表情を明るくしたレオ。
だがしかし、鋼牙はすかさず釘を差した。

「だが、答えを言う相手はおまえじゃない。カオルだ。
 それが認められないのであれば、俺はもう何も言わない」

「ええっ」

そう一旦は抗議するような声をあげたレオであったが、冷静に考えてみると、レオは正解となる答えを知らされていなかった。
つまり、当初から、正解かどうかは鋼牙なりカオルなりのジャッジが必要だったのだ。

「いいでしょう。
 では、鋼牙さん。カオルさんにだけこっそりと伝えてください」

レオに促されて、鋼牙は隣の解答席に座るカオルのほうに身を乗り出す。
釣られてカオルも鋼牙のほうに耳を差し出す。

「さあ、最終問題の答えはっ!?」

レオのキュー出しを受けて、鋼牙はカオルの耳にだけ密やかに語りかける…


to be continued(5へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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