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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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To be, or not to be(1)

今回の妄想は、ものすごく、書くスピードが遅い…
書き始めたのは10日も前なのに、書ききる自信がないのです。


「胸の刻印のことをカオルにすべて話してしまおうか?」

思い惑う鋼牙の胸のうちを妄想してみるのですが、底なし沼のように
ずぶずぶと足をとられてしまい、なかなか前に進めません。

仕方がないので、その間、「ちっぽけなとげ」や「待つとし聞かば」といった
読みきりを書いて気分を切り替えたりしましたが、あまり効果もなく…


そこで、最後の手段に出ます。
そうです、「見切り発車」です!!  (おぉ~ やっちまいますか!)
自分で自分を追い詰める… これしかありません。
(selfish のことを ’ドM’ と称した方がいらっしゃいましたが、そろそろ
 ほんとに否定できなく なってきたなぁ~ 苦笑)


さて...
ここから先は、selfish の勝手な妄想です。
ここに出てくる鋼牙さん、カオルちゃん、その他登場人物に ’違和感’ を
抱く方もいらっしゃるかもしれません。
もし、それがお嫌な方はここで回れ右していただくか、’違和感’ を覚えた
時点で回れ右してくださいませ。

拍手[20回]


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

東の管轄で再会してからしばらく経った後、零が鋼牙の屋敷をふらりと
訪ねた。
'修行の間’ で真剣勝負をし、互いに腕が鈍っていないことを確認して
安心した後、零は鋼牙に聞いた。

「なぁ、鋼牙…
 ’破滅の刻印’ は鎧を召還するたびに命を削る。

 …刻印のこと、あいつは知っているのか?」

「…」

何も答えない鋼牙に対して、零は笑った。

「あはは… やっぱりな。
 話してないか」

東の管轄に号竜(コルト)を届けるレオとともに鋼牙が訪れたとき、7体もの
使途ホラー殲滅(せんめつ)という偉業を成し遂げ、その実績に裏打ちされた
自信と余裕を身にまとい、表情も随分豊かになった友の姿に零は驚かされた
ものだが、冴島鋼牙という男… 相変わらず、不器用なことに変わりはない
ようだった。


零の突然の訪問に、カオルとレオも加わり、執事のゴンザは腕によりを
かけてディナーを用意すると意気込んだが、零は仕事があるからと
辞去することにした。
別れ際、零は声を潜(ひそ)めて、鋼牙にそっと尋ねてみた。

「鋼牙…
 まさかとは思うが、ひょっとして、お前…
 ゴンザにも刻印のことを話していないのか?」

鋼牙はゆっくりと小さくうなずいた。

「まったく、お前ってヤツは…
 まあいい」

一瞬あきれたような顔をした零が、スッと真面目な表情に戻し、鋼牙に
確認する。

「それは、お前がまだあきらめてないから、と受け取っていいんだな」

「あぁ」

鋼牙も決意を秘めた眼差しとともに力強く返事をした。

刻印が刻まれたからと言って、「どうぞ」と命をくれてやるほど諦(あきら)めが
よいようでは、黄金騎士など務まらない。
必ず刻印の試練を克服する… そういう気概を持ち続けているからこそ、
ゴンザにも打ち明けていないのであろう。

零はそんなふうに理解し、鋼牙の返事に満足そうにうなずいてから、
友の家を後にした。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

鋼牙が刻印のことをゴンザにも内緒にしたのには理由があった。

「ゴンザ、’破滅の刻印’ について調べておいてくれないか」

胸に刻印を刻まれた翌日、鋼牙は何気ないふうを装い、ゴンザに言った。

「’破滅の刻印’ ですね、かしこまりました。

 確か、その刻印を刻まれた者は程なくして死に至る、というのでは
 ありませんでしたか?

 その刻印が、どうかしたのでございますか?」

「… とある管轄で、その刻印を刻まれた者がいるらしい。
 何か判れば教えてやることができると思ってな」

鋼牙の答えに一瞬の間があったが、幸いゴンザには気づかれなかった。

「さようでございますか。
 では、さっそく調べておきます…」


その夜、ゴンザから聞いた報告は、鋼牙が刻印について記憶していた
内容と大差ないものだった。
刻まれたものに死をもたらすという ’破滅の刻印’ …
その効果を無効にするには、刻印を刻んだ者自身がそれを取り消すか、
その者を倒すかしかないというのだ。
つまり、刻印を刻んだ者が誰なのかを突き止めないことにはどうしようも
ない、ということになる。
そう、それは、ゴンザにできることはもう何もない、ということ。
ゴンザに真相を告げることは、心痛を与える以外何も生まない…

それがゴンザには話さなかった理由のひとつだ。
そして、もうひとつ…

もし、ゴンザに真実を告げたならば…
鋼牙は自分の気持ちがぐらつくことを恐れたのだ。

胸の刻印に激痛が走ったとき…
刻印に体力を奪われ思うように闘えなくなったとき…

多少の痛みなら耐えられる自信はある。
だが、刻一刻と迫り来る ’死’ を前にして、家族同然のゴンザに対して
黙りとおせるか?
それに耐え切れず、弱音を吐いてしまうことがあるかもしれない。
万が一にもそんなことがあれば、恐らく、あの赤い仮面の男に対して
強い気持ちで立ち向かうことはできなくなるだろう。

自分の弱さを知るからこそ誰にも告げず、試練に立ち向かうことを
鋼牙は選んだのだった。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

あれから何週間かが過ぎた。
レオと霊獣を見に行った後、1日だけ五感を鋭くする秘薬の効果のせいで
立ち往生してしまったカオルが鋼牙に助けを求めたことがあった。

カオルを部屋に送り届け、カオルが眠りにつくのを待ってから、
鋼牙はそっと部屋を出た。

以前に比べ、胸の痛みは次第に鋭さを増し、鋼牙の気力、体力、
集中力を確実に奪っていっていた。
疲れきった身体で、カオルの部屋から屋敷になんとか辿り着くことが
できたが、先に休んでいるようにゴンザに連絡を入れていたため、
ゴンザの出迎えはなかった。

鋼牙は大きく息をついた。
だが、それは、落胆を意味するものではなく、安堵の気持ちを
表していた。
ゴンザに会わずに済んだのは、鋼牙にとっては好都合だったのだ。
なぜなら、ゴンザの前で虚勢を張る力も残されていなかったから。

赤い仮面の男の正体が判らないまま、何日も過ぎ、鋼牙の中にも
次第に焦りが芽生えてきた。

カオルに話すか?
ゴンザには?

そんな押し問答を自分の中で何度も繰り返す。
話す、話さないの結論は毎日変わっていった。
今夜も結論は出せそうになかった。
弱音を吐きそうな心を抱えて、疲れた身体を無理矢理2階に引き上げる。
自室のベッドに倒れ込むと、鋼牙はそのまま眠りに落ちていった。

(俺はもっと強くならねば…)

そんな状態になりながらも意識が飛ぶその瞬間まで、黄金騎士としての
自負を持ち続ける鋼牙だった。



to be continued(2へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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