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きんのまなざし ぎんのささやき

To be, or not to be(2)

タイトルの「To be, or not to be」は、ご存知シェイクスピアのハムレットの
台詞、「To be, or not to be : that is the question.」 から採っています。

「生きるべきか、死ぬべきか… それが問題だ」という訳が有名ですが、
この妄想ではシンプルに「このままでいいのか、だめなのか」ということで、
刻印のことを話す? 話さない? をテーマにしています。

いつもなら、原作のとある回のスキマを妄想するのですが、今回は、
刻印が刻まれた第1話「火花」から、第10話「咆哮」までを、
このテーマで串刺しする形で妄想しようと思ってます。

いやぁ~
これがぁ~
なかなか…
どうして…

難しいですわ~


selfish なりにがんばってみますので、妄想OKの方はど~ぞ!



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カオルが霊獣を見に行った日の翌日、けだるそうに朝を迎えた鋼牙に
ザルバが言った。

『鋼牙、お前の身体にホラーの邪気がだいぶん溜まってきたぞ』

そう告げることで、ザルバは ’英霊の塔’ で身体の邪気を浄化するよう
促した。

’英霊の塔’ とは、牙狼の称号を受け継いだ者たちが眠る塔のことで、
この塔の中で英霊たちの力を借り、ホラーとの闘いで身体に蓄積された
邪気を浄化することができた。
また、この塔の下では、歴代の牙狼たちがその称号を受け継いできた、
冴島家にとっても、鋼牙にとっても大切な場所だった。

’破滅の刻印’ のせいで、この頃、鋼牙の身体はひどく弱っていた。
ホラーの邪気を浄化したからといって、鋼牙の身体がどれほど
回復するかはそうそう期待できない。
だが、まったく望みがないわけでもなく、ザルバはそのわずかな望みに
すがりつきたいと思ったのだ。


(カオルに刻印のことを話すかどうか…)

鋼牙がこの頃思い迷っていることに、ザルバは気づいていた。

だが、これまでずっと鋼牙と苦楽を共(とも)にしてきた魔導輪は、
魔戒騎士としての鋼牙にではなく、ひとりの男としての悩みに対して
どうこう言うつもりはなかった。

冴島鋼牙は、これまで牙狼の称号を受け継いだ者たちの中でも、
’伝説’ と語り継がれてもおかしくないほどの数々の功績を残してきた。
そんな男に対して下手な同情をすることは、鋼牙に対して礼を
欠くことになる、とザルバは思っていた。

(鋼牙のために俺ができることは、誇り高き黄金騎士として、無様な
 ことのないように、最後の一瞬まで怯(ひる)まず雄々しく闘えるよう
 導いてやるだけだ...)

そう考えたとき、思わずザルバは呟いてしまった。

『我ながら不器用な友情だぜ…』

その呟きに対して、鋼牙は聞き返した。

「何か言ったか?」

ザルバは普段のような軽い調子で答えてやった。

『なんでもない。
 こっちの話だ』

「そうか...」

鋼牙はそう答えると、そのまま、深い思案の海へとひとりで潜ってしまった。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

「では、行ってくる」

「行ってらっしゃいませ」

それは、鋼牙が出掛けるときのいつもの光景だった。
だが、今日は少し違った。
何かを思い出したような表情で足を止め、鋼牙が振り返ったのだ。

「ゴンザ、明後日、’英霊の塔’ に行くことにした」

「明後日でございますね。
 かしこまりました」

「ゴンザ、お前も一緒に来てくれ。
 それから...」

一拍の間の後、鋼牙は言葉を続けた。

「カオルも呼ぼうと思う。
 すまないが、カオルに連絡をとってくれ」

「カオル様も…
 それでは、ランチなどもお持ちしたほうがよいでしょうか?」

「そうだな、その辺は任す。
 いいようにしてくれ」

そこまで言うと、鋼牙はくるりと踵(きびす)を返し、玄関ドアの向こうに
消えていった。
後に残されたゴンザは深々と頭を下げて見送ったが、ドアが閉まるのを
待って慌てて頭を上げると、

「鋼牙様がカオル様とともに ’英霊の塔’ に行くとは...
 ほっほっほぉ~」

手をこすり合わせながら、意味深長な笑みを浮かべた。

「いやいや、こうしてはおられません。
 えぇっと、カオル様への連絡と買い物と... それから何をしないと
 いけませんかな?
 ささ、準備、準備っと...」

ついつい弛んでしまう頬を引き締めながら、慌しげにゴンザは段取りに
取り掛かった。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

屋敷を出た鋼牙にザルバが尋ねた。

『おい、鋼牙。
 とうとうカオルに話す気になったのか?』

「…」

少しの間があり、

「いや、まだ決めかねている…」

それだけを言った。

『そうか…』

ザルバもそれ以上は何も聞かなかった。
そんなザルバの態度に鋼牙は密かに感謝したが、口にはせずにただ黙々と
歩き続けた。



to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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