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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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王子に逢いに!(5)

レ「ちょっと待って!
  カオルン、いいかい?
  ぶちゅ~ってやるんだよ?」

カ「解った、任せといて!」

ドアを開けるなり、カオルンがベッドに駆け寄り、王子にぶちゅ~!
王子が目覚めて、

王「おぉ、なんて美しい人だ。
  助けてくれてありがとう!」

ふたりは末永く幸せに暮らしました。
めでたし、めでたし…


で、いいでしょうか?


よくない人は、続きをど~ぞ!


拍手[21回]


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

レイに止められたカオルンは、思わず、ドアをノックしようとした手を
下ろしました。

レイはつかつかとカオルンに歩み寄り、

「ごめん。 やっぱ、俺が先に行くね。
 中からなんか不穏な気配が漂ってきてるから…」

と、口調はあくまでソフトでしたが、レイの目は決してドアから
離れませんでした。
レイは、ふたりに手で合図を送ってから、ノックもせずに躊躇なく
ドアを開け放ちました。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

レイたちが王子の部屋のドアを開ける1時間ほど前のこと。


王子の部屋では、王子がベッドに横たわっていました。
呼吸に合わせて規則正しく上下する胸の上には、王子の剣が
乗せられていました。

ちょうど、カオルン達がいばらの茂みに挑もうとしていたそのとき、
王子の呼吸がひときわ大きく深くなったかと思うと、その瞳が
ゆっくりと開かれました。
二度三度と瞬きをするうちに、王子の瞳に強い力が宿り、光を帯びて
いきました。
王子は、胸の剣を手にして、上半身を起こしました。

「おや? お目覚めかい?
 あたしの術を破るなんて、ほんとに憎らしい男だねぇ」

化け物が声をかけてきたので、王子はとっさに、剣の柄(つか)に
手をかけました。

「お前はあのときの…

 よくも俺に術をかけたな。
 俺を眠らせている間に何をした!」

「ふふふ、お前の身体をたっぷりと堪能させてもらったよ…

 …と、言いたいところだが、その剣がお前を護るから、な~んにも
 できずじまいさ!
 だが、お前が目覚めたことでその力も薄らいだようだ…
 今こそ、お前を力づくで我が物にするチャンス。
 覚悟しな!」

そう言うが早いか、化け物は、本性剥き出しの醜い姿をさらけだして、
王子目がけて飛びかかってきました。
王子は素早く剣を抜くと、振り下ろされた化け物の爪を受け止め、
それを辛うじて弾(はじ)きました。

「くっ…」

よろよろとよろける王子の様子を見て、化け物はひどく残忍でいやらしい
笑みを浮かべました。

「おやおや…
 ずいぶん長いこと身体を使わなかったせいで、思うように動けない
 ようだね?

 ひっひっひっ
 少しずついたぶって楽しむってのもいいねぇ」

「お前ごときには、このくらいでちょうどいい!」

王子は、そううそぶきながら、剣を強く握り直しました。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

レイがドアを開け放ったとき、3人が目にしたのは、醜い化け物と
対峙するボロボロに傷ついた王子の姿でした。

カオルンとゴーザンは息を飲みましたが、レイは瞬時に戦況を
見極めます。
王子は、傷つきながらも鋭い目に宿した光は失っていませんでした。
レイはそれを確認すると、冷静に声をかけました。

「ふ~ん…
 なかなか苦戦してるみたいだね?
 俺が変わってやろうか?」

「その必要はない!
 さがっていろ!」

王子はちらりと侵入者に視線をくれただけで、すぐに、化け物に意識を
集中しました。

「…ってことらしいんで、どうする?
 見学しとく?」

レイは、のんびりとカオルン達に意見を求めた。

「そんなぁ…」

カオルンが眉をしかめて抗議の声を上げようとした、ちょうどそのとき、
化け物が指の先からトゲのようなものを王子めがけて飛ばしました。
王子はすべての動きを見極め、ひとつひとつ剣で弾いていきました。
すると、その弾かれたトゲのいくつかが、カオルン達のほうに飛んで
くるではないですか!

「きゃっ」
「うわぁ」

カオルンとゴーザンは思わず抱き合うようにして目を閉じましたが、
レイは、瞬時に二振りの剣を抜き合わせて、それらをすべて叩き落とし
ました。

「おいおい、危ないだろ?
 気をつけてくれよ…」

余裕たっぷりに抗議したレイに、

「だから、さがっていろと言ったはずだ!」

と、王子は言い捨てます。

「じゃぁ、そんなヤツ、さっさと片付けちゃってよ、ねっ!」

レイはそう言うと、風のように駆け出し、化け物目がけて切りつけました。
化け物は、レイの攻撃を受け止めましたが、レイの力に数歩押されます。

「何をする!
 引っ込んでろっ!」

王子は叫びますが、

「見てるだけってのは、性に合わないんだよね。
 あぁ、王子様は、適当に休んでくれてていいよ」

と、レイは渾身の力を込めて剣を振り下ろしながら、涼しい調子で
答えました。

悔しそうに顔を歪めた王子は、それ以上は何も言わずに、けれど、
レイと協力するわけでもなく、化け物に向かっていきます。

それまで、王子に対して有利に闘っていた化け物ですが、レイが
加勢したことで、情勢がいささか不利になってきました。
そこで、なんとかこの場から逃げようと退路を探り始めました。

「俺に任せて、休んでいればいいのに…」

「うるさいっ! 黙ってろっ!」

レイと王子が言葉の応酬をし始めた、ほんのちょっとした隙を突いて、
化け物はドアのほうへと駆け出しました。

「きゃぁ」
「ひぇ~っ」

ドアの近くにいたカオルンとゴーザンは慌ててドアから離れます。

王子とレイは慌てて追いかけますが、ドアから外を覗くと、化け物の
背中はかなり先に見えました。

「あ~あ、もう追いつけそうにないね?」

「…」

レイの諦めの声に、王子は無言でした。

「あの…」

そのとき脇からカオルンが声をかけました。

「これ、投げたらどうかな?」

そう言って差し出したのは、カオルンお手製の超強力なアノお菓子。

「おっ、いいねぇ」

ニヤリと笑ったレイが、ひとつを王子に渡しました。

「王子様もどう?」

そう言うと、レイは王子の返事など聞かずに、セットポジションに入り、
ゆっくり大きく振りかぶって、化け物めがけてお菓子を投げました。

王子は、状況がうまく飲み込めず、手の中の不気味な塊を見ていましたが、
どんどん小さくなっていく化け物の姿に躊躇する暇はありません。
すぐさま、レイと同じように化け物にソレを投げつけました。

レイの投げたものは、化け物の右足に当たり、化け物の動きを止めました。
そして、王子のものは、化け物の腰辺りに命中して、化け物は大きく
のけぞりました。

「やった~」
「お見事!」

カオルンとゴンザが賛辞の声をあげます。
レイと王子が化け物のところまで駆け寄ると、そのときにはもう化け物は
半分ほど溶けていました。

「やっぱ、カオルンが作ったやつは強力だわ…」

レイは呆れたように呟きました。

「これはどうしたことだ…

 さっきのアレは何だったんだ?」

化け物の残骸に驚きながら、王子はレイに尋ねました。

「アレ?
 作った本人が言うには、’お菓子’ だよ。

 そんでもって、アレを作ったのは、彼女…」

そういう言うと、レイは、未だドアのそばにいるカオルンを指で
指し示した。


to be continued(6へ)
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コメント
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無題
こんばんは、カオルさん本領発揮、?何か本人は、複雑ですが、化けも退治に一役二役、カオルの料理てほんとになんじゃこりゃ、さあこれから、鋼牙違う王子とカオルンの次なる展開にワクワク
かなまま 2013/03/04(Mon)23:32:01 編集
Re:無題
「メルヘン」楽しんでいただいてますか?
さぁ、とりあえず、化け物はちゃっちゃと片づけました。
名のある剣士2人を尻目に、最後のトドメがアレだなんて、なんだかなぁ~ ですよね?

そして、いよいよこれから!
えっ、これからって、何かあるんですか?

めでたし、めでたし、で、終わりですよ?

かなまま様も、週末からウキウキなのでは?
もう、春が来ちゃった感じですかぁ? (ふふふ)
【2013/03/05 08:21】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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