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今宵の月(1)
久し振りに鋼牙さんとカオルちゃんの妄想を…
あぁ、ホッとする。
そして、いつものように大雑把な構想しかないのに見切り発車する無計画さ。
あぁ、ヒヤヒヤする。
さてさて。
本日の回は肩慣らしということもあり、ちょっと短めですが、よろしければお付き合いくださいませ。
あぁ、ホッとする。
そして、いつものように大雑把な構想しかないのに見切り発車する無計画さ。
あぁ、ヒヤヒヤする。
さてさて。
本日の回は肩慣らしということもあり、ちょっと短めですが、よろしければお付き合いくださいませ。
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珍しくも、今日の夕食は鋼牙ひとりであった。
いつもなら食事を共にするカオルも、サーブするはずのゴンザもいない。
広いダイニングテーブルにひとり。
時折、カチ… カチ… とナイフと食器が微かに触れる音だけが響いていた。
今をさかのぼること1時間前。
夕方、いつもより早い時間に食事の支度を終えたゴンザは、
「それでは、鋼牙様。
お食事はダイニングにご用意させていただきました。
申し訳ありませんが、後のことはよろしくお願いいたします」
と山高帽を被(かぶ)り、外套を着込んだ姿で主人に挨拶をした。
そのとき、ちょうど2階からバタバタと駆け下りてきたカオルも、
「ごめんね、鋼牙。
ほんとは、あたしひとりでも大丈夫なんだけど…」
と息を弾ませながら言う。
「俺のことなら、気にしなくていい。
外は冷たい雨が降っている。
いいから、おとなしくゴンザに車で送ってもらえ…」
低くて温かい鋼牙の声が、カオルの耳に優しく響いてくる。
鋼牙はゴンザにチラッと目をやると、頼む、と言わんばかりに小さくうなづいた。
それを受けたゴンザは一礼してから、玄関先に止めておいた車のほうへと向かう。
「じゃ、行ってくるね…」
カオルが長身の鋼牙を見上げるように見た。
「ああ、気をつけてな」
決して多くを語らない鋼牙だったが、目のほうは口ほどに物を言っていた。
愛する人に熱く見つめられたカオルは少しはにかむようにしてニッコリ笑うと、車のドアを開けて待ってくれているゴンザの元に小走りに駆けて行った。
やがて、カオルを乗せた車は、冷たく細かい雨の中をテールランプを滲ませながら走りだした。
鋼牙はその車が見えなくなるまで見送ると、誰もいない屋敷の中へと戻っていった。
ひとりで済ます味気ない食事は、驚くほど、あっという間に終わってしまった。
今夜は元老院からの指令もないため、なんとなく手持ち無沙汰だ。
『なんだ、鋼牙?
ひとりでお留守番は寂しいのか?』
ザルバがニヤニヤしながらチョッカイを掛けてくる。
普段なら煩(わずら)わしいだけの ’からかい’ も、少しは時間つぶしになるだろうか?
「おまえの目には、俺がいくつに見えるんだ?」
冷ややかな声だが、鋼牙はザルバに応えていた。
片眉を上げて、フフンと鼻で笑いながら、
『少なくとも俺様からすれば、おまえさんなんぞはよちよち歩きの赤ん坊みたいなもんだぜ?』
とザルバが言うと、
「ふん。
それなら、おまえは俺からみれば、骨と皮だけのヨボヨボの老人ってところだな」
ザルバに負けじと鋼牙も言い返した。
すると、ザルバは、
『はっはっはっは~っ』
と大笑いした。
『おまえがそんな冗談を言うとはな。
よっぽど時間を持て余しているってことか?』
付き合いの長いザルバのことだ。
鋼牙の心のうちなど、お見通しというわけだ。
『ところで、鋼牙。
カオルたちが帰るのは何時頃なんだ?』
と尋ねた。
「予定では19時に終わると言っていたが…」
鋼牙は無意識のうちに、リビングボードの上の置き時計に目をやった。
時間通りに終わったとしても、カオルが屋敷に着くのは今から小一時間も後のことか…
窓辺に近づき、厚いカーテンを少し引いて外を見た。
冷たい雨はもう止んでいて、どうやら少し風が出てきたようだった。
その風に吹かれて、暗い夜空を黒い雲が速足で移動しているのが見えた。
あの雲の向こう側には月があるのだろう。
かすかに明るく見える場所があったが、その姿を見ることは叶わなかった。
いつもなら愛しい人の帰りを待つのはカオルのほうだったが、今夜は逆転していた。
カオルが帰るまで何をしよう…
(風呂にでも入るとするか…)
そう胸の中で決めると、鋼牙はカーテンを元に戻してリビングをあとにした。
to be continued(2へ)
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コメント
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…
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