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きんのまなざし ぎんのささやき

噂のあの人(2)

「奈落」の回は、怖くてしっかり見ることができません。(ひゃぁ~)

黄島の奥さん役をされた久米田さん、怖かった~
水にもどっぷりつかっちゃって、ほんとにゾクゾクした!
とても「切札」の回のディーラーと同一人物とは思えませんデス。

そして、カオルちゃんが個展の受付をしていた、青木先生!
selfish は、メガネの人が好きなんで、オンエアのときから素敵だぁ~と
思って見てたんですけど、なんと、あの方、ゲゲゲの怪談「妖怪枕返し」で
課長役をされてましたね!
鋼牙さんに助けられて、「行け!」なぁんて言われてた人が、上司役とは、
なんだか面白いですね。

そしてそして、この回はなんといっても、カオルちゃんとレオくんの初顔合せ!
あの後、どんな会話をしたんでしょうね? …ってことで、妄想してみました。
例えば、こんなかしら?


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鋼牙さんがホラー狩りに行ってしまって、僕はいきなり、カオルさんと
ふたりきりになってしまった。
初対面の人といるのは、なんとなく落ち着かないものだが、それが、
誰もいない暗い路上で、となると、なおさらだった。
しかも、その初対面の相手が、いろいろと噂の飛び交っている ’あの’
冴島鋼牙の想い人なのだから、居心地の悪さに、一層、拍車がかかると
いうものだ。

この空気をなんとか変えたいと思い、何か言おうと口を開きかけたとき、
カオルさんの方から先に声が掛かった。

「あの…」

「あ、はいっ」

少しばかり慌てた僕は、ぴしっと姿勢を正して、よいお返事をしてしまい、
気恥ずかしさから顔がほてった。

「ごめんね。
 鋼牙ったら、あなたの返事も聞かずに勝手に決めちゃって…」

カオルを送っていけ、とだけ言って、ホラー狩りに向かった鋼牙さんのことを、
彼女はすまなそうに謝った。

「いえ…」

どうとでも取れる微妙な返事を返しながら、

(そういえば、自己紹介もまだだったな)

と思い、とりあえず名乗ることにした。

「あの、僕は布道レオといいます。
 元老院付きの魔界法師です」

そう言って、軽く頭を下げた。
それを聞いて、カオルさんはにこっと笑ってから後を追うように言った。

「あたしは、御月カオル。
 魔戒法師でもなんでもない、ただの人間です。

 鋼牙には、ずいぶん前に助けてもらったことがあって…」

そこまで言ったところで、カオルさんは次にどう話せばいいのか迷っている
ようだった。
その雰囲気を察して、僕はカオルさんに言った。

「知ってます。 あなたは有名ですから。

 あっ…」

言葉にしてしまった後になって、

(しまった!)

と思ったが、もう遅い。

カオルさんがなんとも複雑な表情になってしまったのだ。

それはそうだ。
自分の知らないところで、有名だ、と聞かされたら、よほど自分に自信が
ある人でなければ、正直あんまりいい気分はしないだろう。
自分がどんなふうに噂になっているのか、解ったもんじゃない。

カオルさんは、複雑な表情をなんとか押し隠そうとしながら、

「あっ、そうなんだ…」

と言って、笑みを浮かべた。
僕には、その笑顔が泣き笑いのように見えて、

「…すみません」

と咄嗟に謝ってしまったため、それがまた追い打ちをかける結果となって、
その場に沈黙が漂った。

しかし、すぐに、カオルさんがその気まずい沈黙を打ち消すように、
不釣り合いなほどの明るい笑顔をつくって言った。

「あの…
 鋼牙はああ言ったけど、あたしならひとりで帰れますから」

そして、間髪入れずに、

「それじゃあ…」

と言って、歩き出そうとした。
目の前を会釈して通り過ぎようとするカオルさんに、僕は慌てて、

「待ってください!」

と、彼女の進路をふさぐように、彼女の前に歩み出た。

「夜道は危険です。
 この付近には、ホラーがいるかもしれない。

 だから…」

そこまで勢い込んで言ったものの、こっちをじっと見ているカオルさんの
吸い込まれそうな大きな瞳に気づいて、僕は急にどぎまぎしてしまった。

「だから、その… えっと… やっぱり、僕に送らせてください。
 あっ、もちろん貴方が嫌なら、少し離れてついていくだけにしますから」

尻すぼみに声が小さくなっていき、僕はカオルさんと目を合わせられずに、
ほんの少し視線をずらした。

 くすくす…

カオルさんの忍び笑いが聞こえて、僕は、

(なんだ?)

と、カオルさんを見た。

「あ、ごめんなさい、笑ったりして。

 それじゃあ、お言葉に甘えていいかな?
 やっぱり、夜道は怖いから…」

そう言って愛くるしい瞳が僕を覗き込む。
さっきまでの不自然な笑顔ではなく、ほんとに楽しそうに笑っていた。

(くるくると表情の変わる人だな…)

そんな風に思いながら、僕は、

「はい」

と、自然に微笑んでうなずいていた。





アトリエから数メートル歩くと大きな通りに出た。
この辺りは、車の行き来は多いものの、人通りは少ないほうだった。
微妙な距離を保ちながら、カオルさんとふたり並んで歩いた。

(こんなふうに女性と並んで歩くのは、いつ以来だろう…)

少し感傷的になりかけた自分を、

(だめだ、だめだ。
 目の前のことに集中しろ)

と、心の中で戒める。

(何か話した方がいいのかな…)

そんなことを考えながら歩いていると、今度もやっぱり、カオルさんの方から
話しかけてきた。

「少し… お話ししてもいい?」

「えぇ」

カオルさんの方に身体を半分向けて、彼女の言葉を待った。

「レオくんのお父さんやお母さんは、やっぱり魔戒法師だったの?」

「…」

一瞬、躊躇したものの、僕はすぐに答えた。

「母はそうでしたが、父は魔戒騎士でした」

「でした… って、今はそうじゃないの?」

車のヘッドライトを反射してカオルさんの瞳がキラキラ輝いている。
その瞳は、真っ直ぐ僕に向けられていた。

(案外、この人は鋭い人なのかもしれないな…)

そう思いながら、

「えぇ、父も母も亡くなりましたから…」

できるだけ、なんでもないことのように言ってみる。
だが、案の定、カオルさんの表情はさっと曇った。

「あ… ごめんなさい」

その様子を見ながら、

(あぁ、まただ…
 ほんとに表情がよく変わる…)

と、関係ないことを思っていた。

「いえ… 気にしないでください」

と、僕は目の前で手を振って言った。
すると、カオルさんは、

「じゃあ、レオくんには家族はいないの?」

と、一層優しい声で聞いてきた。

「そうですね…  兄がいました。
 でも、今はもう…」

言葉を濁した僕に、カオルさんが何をどう思ったのか、

「そうなんだ…」

と言ったきり、気まずそうに黙ってしまった。
なんでこんな質問をしたんだろう、と、カオルさんは自分を責めているのかも
しれないな、と思い、僕は話題を変えた。

「僕から聞いてもいいですか?」

「えっ? えぇ、いいけど」

何を聞かれるんだろう、と、ちょっと驚いた彼女は、どきどきしながらも、
好奇心の色が浮かんだ目で僕の言葉を待っていた。

(ほら、また…)

彼女の感情を素直に映す表情に、こちらも思わず表情が和らぐ。

「カオルさんは、何をしている人ですか?
 お仕事とかされてるんですか?」

「あたしの仕事?

 画家よ!  …って言いたいところなんだけど、まだまだそう言えるほどの
 キャリアはないかな。

 あのね、あたしの父が画家だったの。
 それでね、あたしも父のような画家になれたら、って思って頑張ってるん
 だけど、まぁ、なかなかうまくはいかないよね」

口ではそう言う彼女だったが、まっすぐに前を向いている目には力があった。
また違う彼女の一面を垣間見た気がして、僕はハッとする。



そして、僕は気付いてしまった。

ほんの少し前まで、 カオルさんに対して意識的に距離を置いていた自分が、
今では、そんなことに、
あまり意味を感じなくなっていることを。



to be continued(3へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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