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きんのまなざし ぎんのささやき

…なんでもなくない(another 2)

やめときゃいいのに… と思いつつ、実は、「…なんでもなくない(1)」の
続きとして、「…なんでもなくない(2)」とは違う、もうひとつ別のお話を
妄想しておりまして。

なんと申しましょうか…

「…なんでもなくない(2)」をお気に召しました方は、読まない方がよいかも
しれませんデス、ハイ。
ある意味、カオルちゃんの印象も、鋼牙さんの印象も全然違うと思います。

Uターンされる方は、これにて「ごきげんよう!」




さて…
これより先に進まれる方に、もう一度お伝えします。

この先の妄想は「…なんでもなくない(2)」の続きではありません!
「…なんでもなくない(1)」からの続きになります。
もし、この先へお進みの方は、「…なんでもなくない(2)」をいったん
お忘れくださいっっっ

以上のことをご理解いただいた方は、ど~ぞ、もうひとつの続きへ!

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

真っ暗な書斎に、鋼牙とカオルが立っていた。
カオルは、自分に声をかけてくれなかった理由が聞きたいのだと言う。

先ほど鋼牙が開けたカーテンの隙間から、弱々しい月光が室内に注いでいる。

その光は戸口に立っているはずのカオルの場所まで届くことはなく、
窓のそばに立っている鋼牙のシルエットを、うっすらと見せるくらいしか
力を持たなかった。

「…大した理由はない」

鋼牙が絞り出すように言ったのは、そんな答えだった。
すると、カオルはちょっと唇を噛んで厳しい顔をしたが、すぐに首をかしげて
言った。

「うそ…  そんなのうそでしょ?

 ほんの少しでいいから、聞かせて?  鋼牙の気持ち…」

暗がりのせいで鋼牙の表情が見えないからか、珍しくカオルが食いさがった。
鋼牙は、そんなカオルから逃れるように視線を外すと、書斎机の前の椅子に
腰掛けた。

なかなか口を開かない鋼牙に痺れを切らし、カオルは再び言い募ろうと
鋼牙に近づいた。
だが、鋼牙にばかり気を取られていたため、足元にあった何かにつまづき、
大きくバランスをくずしてしまった。

「あっ!」

カオルは大きく手を泳がせて床に手をついた。

「カオルっ!」

驚いた鋼牙が短く鋭く、彼女の名を呼んだ。

(はぁ、ビックリした…)

床の上で、カオルはドキドキしながら、引っかけた足に無意識のうちに手を
やり、ゆっくりと足を動かしてみた。

(…うん、大丈夫みたい)

身体の無事を確認してほっとすると、カオルは起き上がろうとしたが、
そのカオルの腕を取り、引き上げる力強い手があった。

「気を付けろ…  怪我はないか?」

おまえはまったく… 言外にそんな雰囲気を漂わせている声の主に向かい、

「うん、大丈夫、なんともないよ」

とカオルは答えながら、
鋼牙の手を借りて、よいしょ、と立ち上がった
その答えを聞くと、

「そうか…」

と、露骨に安心した声が返ってきたので、カオルは思わずくすっと笑った。

だが、鋼牙が、助け起こしたカオルの手を、近くにあった革張りの椅子の
背にそっと導き、そのまま離れようとしたため、カオルは、慌てて鋼牙の
腕にすがりついた。
この機会を逃したら、この先ずっと鋼牙の気持ちが聞けない、とでもいう
くらいの気持ちになっていた。

「待って、鋼牙!
 鋼牙の気持ちがわかるなら、なんだっていい! あたしに教えて!
 言葉じゃなくても構わない!」

必死の思いから、つい、カオルの口からこぼれた。

(はっ!)

ふたりが同時に息を飲んだ。

言葉じゃないとしたら、態度で示せ… そう捉えられてもおかしくない
内容だった。

カオルは真っ赤になってうろたえたが、やがて目を閉じ、すぐに決心を
固めた。
鋼牙にすがりついたまま、震える声でカオルは話し出した。

「ごめんなさい、あたし、変なこと口走っちゃって…
 どうかしてる、って思ったかもしれないね」

無意識に、鋼牙にすがりつく手に力が入る。
カオルの震えが鋼牙にも伝わる。

「鋼牙はあたしを命がけで守ってくれた。 それだけで十分なはずなのに…

 でもね、たまに不安になるの。
 あたしは鋼牙にとってどんな存在なんだろう? 鋼牙は魔戒騎士として
 あたしを守ってくれていただけなのかな、って…

 だから、あたし…」

カオルは顔を真っ赤にしながら、言葉に詰まった。
鋼牙は、カオルの必死な気持ちを背中に感じたまま動けなかった。


やがて、気まずい沈黙を破ったのは鋼牙だった。
彼女の必死さに打たれ、自分の想いを口にしようと思ったのだった。
カオルに背を向けたまま、話しだした。

「カオル。
 俺はお前を守る。 お前の生きるこの世界を守る。

 だが、今日おまえを見かけたとき、俺は…」

そこで少し言いよどんだ鋼牙に、

「なに?」

カオルは促すようにそっと声をかけた。
その声に背中を押される形で、鋼牙が再び話し出した。

「何かに打ち込むおまえの姿を見て、俺は…   …きれいだ、と思った」

鋼牙の口から信じられないような言葉を聞いて、カオルは一瞬、頭の中が
真っ白になった。
そんなカオルに気付いているのかいないのか、鋼牙はそんなカオルに構わずに
言葉を続ける。

「そして、それと同時に、今、声をかけてしまえば、俺はおまえの大事な
 世界を壊してしまう… そんな気がしたんだ。
 おまえの世界を守るはずなのに、と。

 そんなふうに思ったら、声をかけられなくなった」

そこまで言うと、鋼牙はゆっくりとカオルを振り返った。
カオルは、鋼牙の顔のあるあたりを必死に見上げた。
鋼牙の穏やかな目を、カオルは確認できた。

「カオル… 俺の方こそ、不安なんだ。
 俺の ’エゴ’ でおまえを縛り付けていないだろうか?
 俺は… いったいどうすればいい?」

カオルが思った以上に、普段なら絶対に見せない本音を見せてくれた鋼牙に、
カオルは戸惑った。
みるみる潤んでくる目で鋼牙を見つめ、カオルは言った。

「鋼牙、あなたはいつもあたしを見守ってくれてるわ。
 あたしはとても感謝してるの。

 でもね…
 たまには、あなたの言う ’エゴ’ …
 …見せてくれていいんだよ?」

そう言ってカオルは照れ臭そうな笑顔を見せたが、もっと恥ずかしそうに、
小さな声で、

「…っていうか、見せて?」

と呟いた。
鋼牙は少し目を見開いて、ちょっと視線を外したが、すぐにカオルを
真っ直ぐに見つめて、

「いいんだな…」

と念を押すように言うと、無言でうなずいたカオルに熱い熱いキスをした。



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


いやいやいや、どもどもども。
いかがでしたでしょうか、「もうひとつ」の(2)は?

2種類の(2)の大きな違いは、最後のシーンで、
  電気がつくパターン    …(2)
  電気がつかないパターン  …(another2)
ということになりますでしょうか。
(それが何を意味するのか!?)

さて、みなさんは、どちらがお好みかしら?


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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



tomy 様[07/27]
麗羽 様[08/23]
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