忍者ブログ

きんのまなざし ぎんのささやき

宴の夜(3)

「起承転結」という言葉がありますが、この妄想に限っては、「転」は
金輪際ないです。
「転」が来なけりゃ、「結」もない?!
いやいや、それ困るかも…

とりあえず、ず~っと、「承」のまんまの妄想ですが、お付き合い
いただけますでしょうか?



:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

『ゼ~ロ、もういい加減にしなさい。」

そういうシルヴァの忠告を無視し、零は宣言したとおり(酒以外を)飲みに
飲んだ。
その結果、当たり前のように、生理現象を催した。

「俺、ちょっと…」

「ひとりで大丈夫か?」

邪美にそう聞かれ、

「俺はそこまでお子様じゃないって…」

零は手をひらひら振りながら、その場を離れていった。

「そういう意味じゃなかったんだがな…」

邪美がそう呟くのを聞き、翼が尋ねた。

「んっ?
 それはどういう意味だ?」

「いやね、さっきから、閑岱の若い娘たちが、鋼牙や零に熱い視線を
 送ってるからさ。」

「それが、どうだと言うんだ?」

翼はピンと来ないらしく、再び尋ねる。

『なるほどな…
 ここでお主(ぬし)らが固まって飲んでる分には、声を掛けにくいが、
 零がひとりになったら、これ幸いとばかりに、零は娘たちに捕まっちまうって
 ことじゃな?』

「なんだい、じいさん。
 案外、女の気持ちが判るヤツなんだねぇ。」

邪美の懸念を見事に言い当てたゴルバに、邪美が感嘆する。

果たして…
零が用を足し、鼻歌を歌いながら戻ろうとしていると、

「あの~
 ちょっとだけお話してもいいですか?」

3人連れの若い娘たちに呼び止められた。

「んっ? 何かな?」

そうして、零が足を止めてしまうと、さらに2人、また4人と、どんどん零を
囲む少女が増えていった。
その様子を遠くから眺めていた邪美が、予想が当たったことに対して
満足そうに笑い、

「ほらね…」

と翼に目線を送った。

「あぁ…
 だが、あいつはそんなに困った風でもないぞ。
 案外、内心は嬉しいのかもな。」

放っておけ、とでもいう感じで翼が答えると、それまで黙って飲んでいた
鋼牙が、ぼそりと口を開いた。

「零の見せかけに騙されそうになるが、ヤツは俺たちが思うよりずっと
 大人だ。」

邪美と翼が鋼牙へと振り向く。

「零には、命をかけて守りたかった女性(ひと)がいたんだ。
 だから、俺なんかよりもずっと前に ’守りし者’ の意味が判っていたはずだ。

 もう、その彼女はいないが…
 あいつはまだ、忘れられないでいるはずだ、きっとな…』

「…」
「…」

言葉もなく、二人はもう一度零のほうへと振り返ると、声高に喋る零の声が
耳に届いた。

「お嬢さんたち、鋼牙はやめときなって。
 ちゃ~んとかわいい彼女がいるからね。
 その点、俺はフリーだけどね。」

そう言ってから、こちらを見ている鋼牙たちに気づくと、零はおどけた調子で
親指を立ててみせる。

「じゃあ、零はこうなることも読めてたってことかい?」

邪実が鋼牙に問うた。

「おそらくな。
 そして、ヤツより俺のほうがこういう場所を苦手に思っていることも承知
 してるんだろう。」

『なるほどぉ、だから、ああやって、わざと女の子たちを自分に引きつけて
 いるってわけなんだな、鋼牙?』

「多分な。」

きゃ~っと群がる娘たちにもみくちゃにされている零が、笑顔から一瞬、素(す)に
戻ったのが見えた。
とても心から楽しんでいるようには見えなかった。

「しょうがないねぇ。
 助けに行ってやるか…」

そう言って邪美が立ち上がった。



to be continued(4へ)
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

拍手[16回]

コメント
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



麗羽 様[08/23]
夕月 様[12/22]
夕月 様[07/15]
夕月 様[07/14]
夕月 様[06/16]
こちらから selfish 宛にメールが送れます。
(メールアドレス欄は入力しなくてもOK!)

こちらからゲームが楽しめます!
(もちろん無料!)



脳が飛び出す回転パズル くるポト
PR
忍者ブログ [PR]
Template by repe