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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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家に帰ろう(3)

ゴンザさん、普段の町乗り用に、もう1台くらい持ってるんじゃないかしら?
と勝手に想像してみました。
サイズ的にはコンパクトで、でもちょっと高級な感じの車は…
メルセデス・ベンツのAクラスあたりか?

カオルちゃん、お出かけするならどこかしら?と勝手に想像してみました。
北の管轄といえば北海道…  (単純!)
札幌近郊で芸術に関係しそうな場所は… 札幌芸術の森?

いつもなら勢いで書いちゃうのですが、こんなふうに、今回は調べ物
しちゃいました!
とはいえ、大体のイメージだけつかんだら、あとは勢い!

さぁて、鋼牙とカオルはどこへ行く~~~?



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

鋼牙は車を南へと走らせた。
しばらくすると鋼牙が予想したとおり雨は止み、雨のため、一層濃く
鮮やかになった緑の間を、ふたりを乗せた車が滑るように走り抜けていく。
運転する鋼牙の顔をまじまじと見つめてから、カオルが問いかけた。

「鋼牙ってさ、車を運転するとき、いつもそんなコワイ顔してるの?」

カオルが聞いてきた。

「…こわい…か?」

「自分ではわからないのかなぁ。
 結構、眉んとこ、力はいってるみたいだけど…」

カオルが自分の眉間のあたりを指差して、同じように眉根を寄せてみる。

『そりゃあ、運転に慎重にもなるさ。
 隣にお前さんを乗せてるんだからな、カオル』

シフトレバーに乗っけている左手の中指から、軽快な声が聞こえてきた。

「ザルバっ」

「えっ、そうなの?
 ごめんね、迎えに来てもらっちゃって…」

鋼牙はカオルを隣に乗せたくないのだ、と勘違いしたらしく、カオルは
慌てて謝った。

『そうじゃないぜ、カオル。
 鋼牙はカオルを迎えに来たくなかったわけじゃないから安心しろ。

 …っと、その迎えの件だが…

 鋼牙、どうやらゴンザにうまく仕組まれた感じだな』

「あぁ、そのようだ」

『カオルもゴンザに騙されたクチだろ?』

「えっ? 騙されたって?
 よく判らないけど、あたしは、鋼牙が来るなんて、ゴンザさんから聞いて
 なかったからちょっと驚いちゃった…」

『はっはっはっ!
 この車で迎えに行けって、ゴンザがしつこく言った理由(わけ)が
 わかったぜ!

 迎えに来たのがゴンザじゃないって判ったときのカオルの顔は
 傑作だったからなっ』

「ちょっと、ザルバ!
 あたし、そんな変な顔なんかしてないからっ!」

思わず大声をあげたカオルが、しまった、という表情で慌てて鋼牙の
顔色を伺う。
鋼牙は、特に不機嫌にもなっていないようで、カオルはちょっと安心した。

「…緑、きれいだね」

窓の外を眺めながら、カオルが言った。

「そうだな」

「どこに行くの?」

「着けば判る」

『おいおい、もうちょっと言いようがあると思うんだがな』

ふんっ…」

ザルバが見かねて鋼牙に苦言を呈する。
いつもなら、「うるさいっ」 とザルバを黙らせようとする鋼牙が、鼻を少し
鳴らしただけだった。
案外、鋼牙もこの状況を楽しんでいるのかもしれない、とカオルは思った。

「これってさ、ドライブだよね?」

「… そうなのか?」

「えっ? 違うの?」

少し考えてから鋼牙が言った。

「… 違わないな」

そのまどろっこしい返事の仕方に、ザルバが溜息をつきながら呟く。

『やれやれ、どうして、もっと素直に言えな…い…』

今度はちょっと鋼牙が睨んだため、

『俺はもう黙るぜ。
 あとは、ふたりで勝手にしてくれ』

とザルバは口を閉じた。

そんなやりとりを見ながら、うふふ…とカオルが笑った。
一拍置いてから、カオルをチラッと見て、鋼牙が言った。

「… ゴンザのほうがよかったか?」

カオルは一瞬何の話か判らず、きょとんとしてしまった。
が、すぐに察しがついて、思わず微笑んだ。

「あぁ、お迎えのこと?

 ゴンザさんのほうがいいとか、鋼牙のほうが、ってことはないよ。
 ただ…」

「ただ?」

カオルは鋼牙から視線を外し、少し赤くなった。

「ただ、鋼牙が来てくれて… それで、ドライブまでしちゃって…

 うれしいなぁって…」

最後は、恥ずかしさのあまり、声が小さくなる。

「なんだ?
 聞こえないぞ」

鋼牙は目線だけ前を向き、カオルのほうに少し顔を寄せる。

うれしい…」

カオルは、鋼牙のほうを向いて言うが、やはり大きな声では言えない。

「聞こえないな」

声のトーンも表情も変えずに同じ言葉を繰り返す鋼牙に、ついムキになり、
カオルは大きな声で言った。

「うれしいって言ったの!   あっ…」

鋼牙が薄く笑った。

「聞こえた」

そんな鋼牙を見て、

「あ~!
 実はずっと聞こえてたでしょ~!
 ひど~い!」

カオルは怒ってそっぽを向く。
だが、カオルが拗ねた時間はそう長くなかった。
カーブを2つ曲がったところで、鋼牙が

「見えてきた」

と言ったからだ。
思わず、辺りをキョロキョロと見回し、きらきら輝く湖面を見つけた途端、
カオルの表情は弛んでいた。



to be continued(4へ)
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拍手[27回]

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じもてぃーというにはおこがましいっす
ふにゅ~、生まれも育ちもお隣の運河が有名な町なので、実は数回しか行ったことないんですよ(^_^;)

次の行先、このルートでは行ったことないのでわくわくです(*^_^*)
ふにゅ~ 2012/10/01(Mon)21:31:56 編集
Re:じもてぃーというにはおこがましいっす
よかった~
というのは、あんまりに描写が適当なので、「そこ違う!」って突っ込まれたらどうしようかとビクビクしてたので…
まぁ、そんなに詳しく書いてないですが。
(ウソです。 書けないだけです。)

運河の町にも、鋼牙のアジト欲しいなぁ~ (アジトって… ルパンか!)
あっ、でも、そこからなら、なんとか帰ってこれそうだから、アジトはいらないかな?
でも、運河沿いを歩く鋼牙は絵になるでしょうねぇ~
【2012/10/01 22:48】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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