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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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永遠のテーマ(2)

この妄想のネタを思いついたときは、
「こんなバカバカしいこと… ギャグにしかならないかな?」
という感じでしたが、書き始めると少しずつ違う方向に流れていって…

まぁ、どんなふうに受け取るかはみなさん次第ってことですね。
う~ん、楽しみなような怖いような…




::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

魔界騎士を増やすことが、どうしてホラーを生かすことにつながるというのだろうか?

「おまっ…
 魔戒騎士の数を増やしてどうすんだよ!
 そいつらにホラー斬らせるってか?」

「そうですよ、鋼牙さん!
 とても、ホラーを生かす方法だとは思えません!」

泡を食って口々に反論するふたりに、鋼牙はたじろいだ。

「いや…
 別に、ホラーを斬るために魔戒騎士を増やす、と言ったつもりはないんだが…」

戸惑う鋼牙に、少し落ち着きを取り戻した零が改めて尋ねた。

「悪ぃ、俺、まだ話が見えねぇんだわ…

 もう少し詳しく話しちゃくれないか?」

レオも小さくうなずいて、’右に同じ’ と同意を示している。
鋼牙は、彼の説明を待つふたりを前にして、どう話そうかとちょっと考えてから、

「俺の思いつきというのは…」

と切り出した。
そして、おもむろに自(みずか)らの左手を彼らにグイッと突き出して言った。

「これだ!」

「…」

零とレオはジ~ッと鋼牙の握りこぶしを見ていたが、ふたりのイケメン魔戒騎士の視線の先にはザルバがいて、ニヤリと笑っているだけだった。



やがて、レオのほうがパッと表情を明るくさせた。

「わかりました、鋼牙さん!」

それに引き換え、いまだに鋼牙の言わんとすることが判らない零は、

「おい、どういうことだよ」

と、焦りながらレオに尋ねた。
すると、レオは 零に教えるという優越感にニヤつきそうになりながら、顔を引き締めて、

「多分、こういうことじゃないでしょうか…」

と、説明し始めた。

「鋼牙さんはザルバ、零さんはシルヴァ、そして僕はエルバ… という具合に、魔界騎士は魔導具と契約していますよね?」

零はフンフンとうなずきながら黙って聞いていた。

「そして、この魔導具というのはソウルメタル製の装飾品であり、その中には…

 零さん、何がいますか?」

反応を窺うような目つきでレオが零を覗き込んだ。
すると、ようやく零も、あっ、と思い至った。

「そうか!
 魔導具としてだったら、ホラーもずっと生きていける、ってわけだ!」

そういうことだろ? と言わんばかりに、零は鋼牙を振り返った。
少し興奮気味な零に対して、鋼牙のほうは落ち着いている。

「そういうことだ。

 ホラーは斬る!
 それが魔界騎士の運命(さだめ)だ。

 だが、条件さえ整えば、ホラーには魔導具として生きる道もあるのでは?
 …そう思ったんだ」

「なるほどね。
 でも、それがどうして、魔戒騎士が増えれば… って話になるんだ?

 いや待て!」

質問しておきながら、零は手をあげて鋼牙たちをけん制した。
そして、ぶつぶつとひとりごとのように呟きながら考えをまとめ始めた。

「多くのホラーを生かすには、魔導具を増やせばいい。
 で、その魔導具を増やすには、それと契約する魔戒騎士が必要になってくるよな?

 あぁ!
 だから、魔界騎士が増えればいい、ってわけか!」

答えを導き出した零が鋼牙の顔を見た。

「まぁ、そういうことだ」

鋼牙に回答を認められてほっとしたものの、あまりにも予想もしなかったオチに、

「それにしても、驚いたぜ。
 そんなやり方があるなんてなぁ…」

と、零は呆気に取られて、力なく笑った。
だが、鋼牙のほうはクスリとも笑わず、

「ただの思いつきだ。

 冷静に考えれば、それだけですべてが解決するわけではない。
 そんなことで、俺たちが斬らずに済むホラーが 目に見えて増えるなんてことはないんだからな」

と言い放った。
すると、零もスッと真面目な表情に戻って、

「あぁ、そうだな。
 だけど、俺たちにできることがあるなら、それがどんなことだってやってみりゃいいじゃないか?

 魔界騎士を増やすために、後身の育成ってやつにも力を入れてきゃいいんじゃねぇ?

 俺たちだって、もういい大人なんだしさ!」

とギラギラした目で言った。
それを見て鋼牙は、

「そうだな…

 魔界騎士になれる可能性は誰にだってある。
 その可能性を伸ばすことも大事なことだ」

と真面目に答えたが、フッと笑って、こう付け加えた。

「騎士の家に生まれなくても、強い魔戒騎士になれるっていう立派な見本が、ちゃんといるんだしな」

「えっ、なに、なに!
 それ、誰のこと、言ってるの?

 なぁ、そんなカッコいい魔戒騎士って誰だよ、おい!」

おどけたように零が言い、アハハと笑った。

「俺は、’カッコいい’ とは一言も言っていないぞ」

零の言葉を訂正しつつ、鋼牙もどことなく楽しそうだ。
このやりとりで一気に場の空気が和んだのは間違いなかった。



ところが、だ。
レオひとりが黙ったまま、真剣な表情で何かを考えている。

「どうした、レオ?」

零が声をかけると、レオはハッとして慌てて顔をあげた。

「あ、すいません。
 ちょっと考え事をしていて…」

「何だ?
 何を考えていた?」

じっとレオを見た鋼牙が、そう声をかけた。
レオは、鋼牙の方に顔を向けて、少し固い表情のまま言った。

「はい…

 鋼牙さんのその考え方って、ひょっとしたら号竜にも当てはまるのかなぁと思って…」

「おぉ、確かに!
 そういや、号竜もホラーの力を使ってるんだったな!」

少し自信なさげなレオに対して、零が感心したように言った。
すると、それに気をよくして、レオの声にも熱がこもってきた。

「号竜に使用するホラーは、魔導具にそれに比べて、さほど力が強くなくても大丈夫なんです。
 それに、魔導具を作ろうと思ったら、かなりの腕の魔戒法師が必要です。
 でも号竜は… 今は僕しか作れませんが、もっと工夫したら、いつかきっと多くの人が作れるようになると思うんです。

 だから、魔導具を作るより、号竜の量産化を狙った方が、活かせるホラーの数を格段に増やせるかもしれないな、と!」

「おぉ、いいねぇ、いいねぇ」

レオの話を聞きながら、零はニコニコしていた。

「ホラーとの闘いは不毛だ、っていうけどさ。

 今の話を聞いてると、俺たち魔戒騎士や魔戒法師のがんばり次第で、未来はいい方向に変えられるかもしれない、って気がしてくるぜ」

零が鋼牙とレオを見て言う。
それに対して、

「あぁ、変えられるさ」

と、鋼牙が力強く言いきり、

「はい、変えて見せましょう!」

と、レオも大きくうなずいた。



ふたりの言葉を聞きながら、零の脳裏には、ふとリングの姿が蘇った。

「人間とホラーと魔戒騎士の不毛な関係を終わらせるんです」


  危険な思想…
    馬鹿げた夢物語…

リングの掲げた理想の実現は、零がその手で阻止していた。


(リング…
 おまえのやり方にはこれっぽっちも共感できやしなかったが、目指していることは悪かぁねぇと思う。

 俺は…
 俺たちは、俺たちのやり方で、人間とホラーと魔戒騎士の関係を変えてやるぜ!)

熱くたぎる想いを胸に秘め、零は目の前のふたりに言った。

「お~し、いっちょ、やってやろうぜ!」



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


…あのう …どうでした?

「人間とホラーとの共存」という永遠のテーマ(?)に対して selfish が思いついたのは、

   な~んだ、そんなこと?
   魔導具にすればいいんじゃない?
   ちっとも難しいことなんて、ないじゃん!

…っていうこと。
これって、おかしいでしょうか?

「人間」と「ホラー」だけの関係を考えていると、絶対解決しそうにないのですが、そこに「魔界騎士」や「魔戒法師」も入れてあげると、「彼らになら、できること」があるわけです。


この(なんとも呆気ない)思いつきを、「ホラーは斬る!」といつも言っている鋼牙に言わせたら面白いんじゃない?
…というわけで、ハチャメチャになる予感を覚えつつ書き始めた次第です。

でも。
「永遠のテーマ」なんてふざけたタイトルをつけたわりには、予想以上にシリアスになっちゃった!(残念!)

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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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