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きんのまなざし ぎんのささやき

鋼(はがね)のつばさ(1)

MAKAISENKI のスキマの妄想を久しぶりにやってみようと思います。
そして「この人たち」がメインのお話に、初チャレンジです!!

初めてなだけに、ここ何日間は、書いては消し、書いては消しの繰り返しで、
この第一話に関しては、一番最初に書き始めたときの描写が、1割(!)ほど
しか残ってません。
そのくらい、うまく書けなくて、ザカザカ消したということになります。

そんなわけで、このまま書き続けられるか、かな~~~り心配ではありますが、
公開したら、あとはもう書き進むだけでしょう?
毎度のことですが、自分を追い詰めてみます…  (笑)


「今さらMAKAISENKI?」と思われる方もいらっしゃると思います。
勝手気ままな妄想ですので、ヒマだからつきあってもいいよ、という方だけで
構いません。
そういう方は、どうぞ続きへお進みくださいませ。



::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

邪美は閑岱への帰路を急いでいた。

体内の仙水が淀んでしまったザルバを巡命の滝に浸して仙水を入れ替えてやり、
鋼牙の元に届けてやった帰り道のことだった。



(やはり、鋼牙の胸にも ’破滅の刻印’ が…)

そのことを考えると、邪美の心は塞がる思いだ。
「無ければいい」 という希望はあっさりと覆(くつがえ)され、避けていた
最悪の予想が当たってしまった。
だが、再会を約束しながら別れた友の顔には、’あきらめ’ などという文字は
微塵もなかった。
それは、友が、魔戒騎士最強の ’牙狼’ の鎧を継承する者だから、ということ
だけではないだろう。


(あいつには見えるんだ。 希望の光が… ね)

そう思うと、邪美は少しだけ寂しい笑みを浮かべた。
寂しさの理由は、「昔の ’幼い恋心’ を思い出したから」 ということでは
ない…  多分、違う。
そんなのは、とうの昔にどこかに消えた、と邪美は思っていた。


そのとき邪美の脳裏に浮かんだのは、山刀翼の顔だった。

翼の胸にも、恐らく、死の刻印があるはずだった。
そしてそのことを、翼は誰にも打ち明けずに隠していた。

レギュレイスの復活を共に阻止したときから、邪美は閑岱の地に留まり、
その後、幾度となく一緒に闘ってきた邪美は、翼から少なからずの信頼を
得ているものと思っていた。

だが、未だに翼は刻印のことを、邪美には何も言ってはくれない。


それでも…
それでも、翼が ’不屈’ の気持ちを持っているのなら、邪美もまだ納得が
できた。
翼がその運命と黙って闘うつもりなら、自分も黙って支えるだけだ、と。

だが、最近の翼は、’破滅’ という結末を受け入れてしまっているように、
邪美の目には映っていた。

(翼…
 あんたには希望の光は見えないのかい?)

邪美は沈痛な表情で目を閉じた…

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

邪美が閑岱の地に着いてみると、里の様子がなんだかおかしかった。
さらに足を進めて里の中心に向かっていくと、その予感は確信に変わった。
慌ただしく動く人たちの中から、ひとりを呼びとめて聞いてみる。

「おい、何があったんだ?」

「おっ、おぉ~ 邪美か。
 なんでも、我雷法師が、北のはずれの森に怪しげな気を感じたらしい。

 今、日向が様子を見に行っているんだが…」

「なんだって…
 翼は?  あいつはどうしている?」

「翼は、里の広場にいるはずだ。
 万一に備えて、里の守りについて指揮を執(と)っているぜ」

邪美は素早く考えをめぐらすと、次の瞬間、ものすごい勢いで走り出した。

(翼…)



邪美が向かったのは、里のほぼ中央に位置する、里の者が ’広場’ と呼ぶ
開けた場所だった。
広場に着いてみると、何人かの人がそこかしこに集まっていた。
邪美は、真ん中付近の人だかりに見当をつけて、足早に近づいていった。

邪美の気配に気づいた者たちが何人か振り返る。

「おぉ、邪美か。 今帰ったのか?」

年配の男が声をかけた。
邪美は、その中に翼がいないのを確認し、弾む息を整えながら答えた。

「あぁ。
 我雷法師が不穏な気を感じたとか…
 で、状況はどうなってるんだい?」

「その気は、どうやら魔戒騎士のものらしいのだが… そいつを追って、
 今、日向が様子を見に行っている。
 それが、今から1時間くらい前だったか…

 里の女子供は、念のために所在を確認して1箇所に集まるように、と翼が
 指示を出した。
 男どもは、四方の守りにつくように、と言われている。

 里のほうは、だいたい目鼻がついてるんだが…」

「で、翼は?」

邪美は性急に聞いた。

「日向から一度も連絡がないんだ。
 それを心配して、今から後を追うらしい。
 家に寄ってから発つ、と言っていたから、今ならまだ、家のほうにいるかも
 しれんな」

「わかった!」

短い返事を残すと、邪美は翼の家へと急ぎ向かった。
広場から離れるにつれ、ガクンと人の数も減っていった。

(この辺はもうみんな避難しているんだね…)

そんなことを思いながら走っていると、邪美の目に翼の家が見えてきた。
まだ、だいぶん距離はあるが、翼らしき人物が戸口から現れたのが見えた。
深い森の緑に、赤い模様が揺れる白いコートが美しいほどによく映えていた。

邪美が見ていると気付いていないのか、外に出てきた翼が、突然、胸を押さえ、
よろよろと片手でドアにもたれかかった。

(あいつ…)

どうやら、胸の刻印がまた、翼の身体を蝕んでいるに違いない。
邪美は、さらに足を速めて、翼の元へと急いだ。


邪美の足音に気付き、はっと顔をあげた翼は、一瞬のうちに何食わぬ態度を
とった。
そして、邪美が目の前まで来るのを待ってから、

「帰ったのか…」

と、一言、声をかけた。

「怪しげな魔戒騎士の話は聞いた。
 日向から連絡が来ないんだって?

 今から向かうのかい?」

邪美も何も見なかったかのように装い、今、優先すべきことだけを尋ねた。

「あぁ…

 邪美、お前はここに残って、里を守ってくれ。
 それでは、行ってくる」

素っ気ないほどにそれだけを言うと、翼は邪美の脇を抜けて、日向の元へ
向かおうとした。
だが、邪美は翼の腕を掴むと、翼の足を止めさせた。

「待ちな…

 あたしも行くよ!」

振り返った翼の目を真正面から見つめて、邪美が厳しい表情で言い募った。
翼は一瞬、眉をしかめて、ゆっくりと身体を邪美のほうに向けてから、
きっぱりと言った。

「その必要はない。
 怪しい魔戒騎士のことは、日向と俺のふたりで十分だ」

「でも…」

反論しようとする邪美の言葉を遮り、翼は、穏やかに言った。

「邪美…  里のことを頼む。
 お前がそばにいれば、鈴のやつも安心する。

 そうすれば…」

そこで、翼はフッと優しい笑みを浮かべてから、言葉を続けた。

「そうすれば、俺は心おきなく目の前の状況に集中できるんだ。
 だから、頼む…」

「…」


邪美はまだ何か言いたかったが、翼の強い意志を感じて、これ以上何を
言っても、聞いてはくれないことを察知した。
そんな邪美の様子を見て、翼は、自分の腕を掴んでいる邪美の手を、
静かに外した。

「行ってくる…」

翼はそれだけを言うと、すっと森の中へと消えていった。


邪美が最後に見た翼の横顔は、いっそ清々しいほどに無表情で、見送る
邪美を一層寂しく、哀しくさせた。



to be continued(2へ)
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selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も5年を経過しましたが、まだ飽きていない模様…



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