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きんのまなざし ぎんのささやき

牙 狼(冴 島 鋼 牙 Ver.)の世界を、気ままに妄想した二 次 創 作 サイトです

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for you ~おまけ~

for you」のおまけとして、リビングを出た後の零とシルヴァの会話を! と
いうリクエストをいただきました。

それは面白そうだ… とトライしてみましたが、期待に応えられたか…?
(短いのはお許しを! なんせ、’おまけ’ なので)



なお、「そこは自分で妄想してみるから、いらないわ!」という方は、
この先の続きを読まないほうがいいですよ。



「for you」がどんな妄想だったか忘れた方は、先に こちら をお読み 
ください。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

リビングを出た零が、思わず噴き出しかけて、身体をくの字に折り曲げて、
どうにかこうにかこぼれそうな笑いを堪(こら)えた。

口元を覆い、足早に玄関を抜けると、外気のもとで一気にそれを吐き出した。

「あ~~~っはっはっはっ~~~

 あ~~~、苦しかった!」

少し翳り始めた空を見上げながら解放感に浸っている零を、シルヴァが
厳しい声でたしなめる。

『いい加減にしなさいよ、零…
 いつ鋼牙が剣を抜くのかと思って、ヒヤヒヤしたんだから!』

少し笑いが収まった零が、目に滲んだ涙を拭いながらシルヴァに答える。

「シルヴァも見たろ? あの鋼牙の顔!
 黄金騎士ともあろう者が…  くっくっ

 いまどき、中坊でもあんな言葉に反応しないって」

無邪気に笑う零に、シルヴァも苦笑いを浮かべながら言った。

『ふふ… まぁね。

 でも、今回は、あの場からうまく出られたからいいようなものだけど。

 零、あなたもいい大人なんだから、鋼牙をおちょくるのも大概に
 しなさいよ』

零は「仕方ないな」というふうに肩をすくめて、「はい、はい」と答えた。

真面目に聞いちゃいないわ、とばかりにシルヴァは溜め息をついたが、
ふと、思いついたことを零にぶつけてみる。

『ねぇ? あなた…

 まさか、本気で彼女を落とそうなんて考えたわけじゃないでしょうね?』

(それならそれでもいい…
 もうそろそろ、ひとりぼっちはヤメにしてもいいんじゃない?)

シルヴァはそんなふうに思いながら尋ねた。




だが、零の答えは早かった。

「まさかぁ~
 俺だって、鋼牙の腕は知っている。
 そうそう敵にはしたくないさ…」

おどけるようにそう言ったかと思うと、

「……あいつのライバルは剣だけで十分だよ」

まるで自分に言い聞かせるように優しく穏やかに言った。


(零…)

シルヴァの美しい顔が少し物悲しく歪んだ。
そんなシルヴァの様子をサラリと無視して、零はチャーミングにウィンクを
した。

「さっ、シルヴァ、急いで帰ってお仕事、お仕事!!」

そう言うと、零は愛車にまたがり、ヘルメットを被った。
零の顔はヘルメットの下に隠され、シルヴァが様子を窺(うかが)うことは
もうできなかった。
ハーレーの重低音のエンジン音で、聴覚さえも遮られ、シルヴァが何を
言っても零の耳には届かないだろう。

シルヴァは心の中で、そっと零に語りかけた。

(零…
 あなたにだって、大事な人は、きっと見つかるわ…)



fin
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


鋼牙さんが勘違いする「for you」という妄想の ’おまけ’ でした。

コメディタッチで、ずっと行きたかったのですが、どうも零くんが
シルヴァとふたりっきりになると、こっち方向になってしまいます…

みなさんの妄想するチャンスを奪ってしまったうえに、何のひねりもなく
期待外れになっちゃったかも…
(hana72様、こんなんでよかったのかなぁ?)

でも、書いてる本人は楽しく書かせてもらいました。
ありがとうございました!

拍手[27回]

コメント
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うわぁ~www
良いですぅ~!
零くんらしさタップリで、面白かったです。
ラストのシルヴァの呟き、全くの同感です。
零くんって、あえて一人になろうとする事が多かったので、「零くんだって幸せになったって良いじゃない!」と、ずっと思ってたんですよね。
いつか零くんの隣りに、素敵な女性が現れると良いなぁ~…。

零くんがカオルを押し倒し、カオルにキスしようとした事件…。
シーズン1で、カオルが鋼牙と零くんの仲を取り持とうとした、あのエピソードですね?
あれを鋼牙が知ったら、零くん生きてないでしょう。(断言)
観てるコチラとしても、「鋼牙でさえ、まだなのにぃぃぃッッッ!!!」 って思いました。
え? 違うって?(笑)
URL 2013/04/18(Thu)13:21:09 編集
Re:うわぁ~www
楽しんでいただけましたか? よかった、よかった…

零くんがカオルちゃんを押し倒したとき、零くんとカオルちゃんをつなぐ線上に、シルヴァがゆらゆら揺れていて、そのことに妙にドキドキしたのを覚えてます。
’静ひとすじ’ のはずの零くんの気持ちもゆらゆら揺れて…
いやぁ、今見てもドキドキします。
しかも、鋼牙には内緒のふたりだけの秘密ってことになると、ドキドキも増長されますねぇ
【2013/04/18 21:40】
selfish と申します。
無愛想な魔戒騎士や天真爛漫な女流画家だけにとどまらず、大好きな登場人物たちの日常を勝手気ままに妄想しています。
そんな妄想生活(?)も9年目を迎えましたが、まだ飽きていない模様…



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